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仮面ライダージオウ 第36話「2019:ハツコイ、ファ…
仮面ライダージオウ 第36話「2019:ハツコイ、ファイナリー!」
さよなら、俺の初恋(物理)
マンホール特撮で色々ふっとんだ感じですが、それ以外は終わってみるとキャラ崩壊の感じはないというか、平成二期って実は敏樹氏の延長線上なのでは……と気づかされた日曜朝。
(もちろん、アクの強い表現はソフトにしたり、理由や説明をはっきりしてわかりやすくはしていますが)
平成一期は第一弾のクウガが本当に異端児で、そこからどうすれば子供やライト層が受け入れてくれるのか『勝利の方程式』を試行錯誤していった系譜図でもありますが、その中で芝居がかった演技や性格で印象付ける、いわゆる井上節が残ったのは、伊達に東映の用心棒と呼ばれたわけではないと実感させられました。
(今の方向性を決定づけたのは『電王』のヒットだと考えていますが、その電王のメイン脚本は敏樹筋(っていうのも変ですが)の靖子にゃんなわけで……)
◆一つ見たところ、あれは純粋な力
開幕一分でギンガの説明全部終えやがった……。
冒頭の通り、敏樹氏の難点として説明不足がありますが、書く側に回ってみると、ここまで思い切りよくぶった切れるのは一週回って凄い。
普通『AがXという行動する話を書け』って言われたら、人物AがXという行動を始める理由とか、人物Aの人となりとか、行動Xの意味とか少なからず尺とるわけですよ。
でも切っちゃうんだなぁ!
失礼……宇宙(世紀)から妙な電波が混じりましたが、本当に敏樹氏は過程を書かない。
全くと言って書かないかわり、意味深な一言を登場人物に言わせる。
すると視聴者が勝手に想像や推測を始める。圧縮完了
この『視聴者・読者に想像させる(想像を誘導する)』テクニック、敏樹氏は拾捨選択が非常にうまい。
(受け取る側が作品にある程度のめり込んでないと想像してもらえない=説明不足と揶揄されるリスクも勿論ありますが)
見返してみてもギンガの説明に使う尺……うん、ないわ。
◆条件がある。全員、私の前で跪け
前話感想でもちょっと触れた問題の予告のシーン。
ホンがホンだけに悩むところがありますが……こなれた動作のスウォルツ氏、やはりオーマジオウと関係ある、それもウォズとほど近い立場なのでは?
振る舞いがすごく似てるんですよね、この二人。『女王陛下』を『我が魔王』と置き換えても違和感ない。
例の跪け! も(強制冷やし土下座のゲイツ君は除き)ウォズとスウォルツだけが『跪く』意味を理解していて、跪いていない。
(Google先生に聞くのが早いですが、二人は腰を落とさず片膝立ちで俯いただけ)
祐子も指摘しなかったのを見て、器を察した感すらあります、この二人。
◆その女はやめておけ。その女に気を許すな
セーラー服のセーラさんは許さないけど、懐いたソウゴ君には気を許すし、なんでも聞いてくれる祐子さん……振り返ってみると、これも彼女の異常性なのですが。
忠告に来たガルルはお前何で従ってんだよ……ですけど、キバの設定上、そうでした。
アームズモンスターの姿って、シールフエッスルでキャッスルドランに封じられた姿で、主たるキバの命令には逆らえない。
(劇中だと封印直後にキバの鎧が奪われたうえ、渡は放任状態なので殆ど自由意志でしたが)
自我の許す範囲でキバの力を渡すべき人物を探していたのか、次狼さん……。
◆怖いんです、裕子が
元恋人たちを訪ねたゲイツに明かされる衝撃の真実。
井上脚本の真骨頂とも言える『仮面の下の怪物』
闇のキバの下にはファンガイアの王たるバットファンガイア。
黄金の牙を纏う渡もまた飛翔態という怪物の顔をもつ。
人間の名護さんすら、ノベル版では暴走する正義という怪物の面を見せました。
ではアナザーキバは?
マンホール女の襲来
アヴェンジャーズパロなんて温いものじゃなかった……十人中十人が頷くガチのサイコパスだよこの人!?
さすが敏樹、ヤバいヤツのヤバい言動のぼかし方を心得てやがる……。
マンホールとかいうぶっとんだ得物もたせなきゃお出しできませんわ、こんなもん……。
◆やったか!?
もちろんやってないというか、まだまだキバっていく気満々のすg……ギンガ。
何かやるだろうと思いましたけど、割と(杉田にしては)大人しかった……いや待て待て。
タイムジャッカーにウォズ、ジオウの総攻撃でギンガドライバーにあて、ようやっと仮死状態(ロックプロテクションルック)……というところからの、何処かで見たような太陽の奇蹟で復活するわ、もうやりたい放題。
これに耐えるマンホールと、これに一撃入れられる裕子さんマジ何なの……?
ですが、このマンホーr……じゃなくて、ソウゴ君の見せた優しさが裕子さんを引き留めマンホール……違う!
一撃の隙を作り、そこから三人がかり、叩きつけた武器を押し込むトリプルライダーキックで止めという流れと絵は最高にかっこいい。
現在ニコ動配信中の仮面ライダー555でも、ちょくちょく登場するエクシードアーツコンボしかり、普段はまるで指示出さないけど、いざ書くと凄いんですよね。敏樹氏の戦闘パート。
◆有罪……お前は有罪……!
かくしてギンガはウォズの手に……ですが、さすがの井上脚本。
綺麗に改心して終わりなど許してくれるはずもなく……明言避けてますが、アナザーウォッチの副作用とかでは絶対ないですよね、裕子さんの凶行。
キバアーマーが出ない(出せない)のは知っての通りですが
『初恋の人にどうしても手を上げられない』
という落としどころはうまかったと思います。
結果として主君を慮る従者としてウォズの株が爆上がり、最高のタイミングでのフューチャリングギンガ登場につながりましたし。
宇宙最強、ギンガファイナリー!
……緊急時につき、短縮版である!
この短縮しつつ、最後にちょろっと付け足すのが最高にウォズらしくて好き。
何気ない言動が、ほんとウォズ好きなんだなぁって感じで。
(本編キバでのビショップの散々ぶりを見ると意外ですが……もしかしてアナザービショップ的な面もいれている?)
そのギンガファイナリー、宇宙最強の名乗りも大げさではないこの強さ
(※ジオウは時空まで含めた最高の王なので、宇宙最強程度は不敬ではありません)
目を引くキック力100tは勿論、隔離空間や重力制御など能力の汎用性も高く、実にウォズらしい最強フォーム(仮)
次週以降も宇宙からの危機は続くようなので、暫く一同お世話になりそうです。
◆私に傘はいらない。全人類の傘になれ
何気にアナザーライダー初の死者。
次狼の言葉通り『男は傷つくことで磨かれる』事になるのか……引き続くカブト編でも、ソウゴを動かすか、あるいは縛る力となるか。
傷心に一人席を立つソウゴをあえて追わないウォズまで、印象的な幕引きでした。
(アップルパイを取るウォズ姿は一件彼らしくないようで、ソウゴ君と視線を交わして『では……』と声をかけています。そういう配慮ができるようになったということ)
◆だいぶ時空が歪みだしている……
しんみりしている時間はない!
次回、カブト編……に、すっと割り込むおのれディケイドォ!
ワーム再来襲、地獄兄弟再来襲で、レジェンド筆頭のガタック加賀美の寿命がもうマッハ。
(しかもよりによって主人公が時間遡航使いというヤな共通点……)
ネクスト・レベル・カブト。君は生き延びることができるか?(ウンメイノー)