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仮面ライダージオウ 第49話「2019:アポカリプス」
世界の終りまで、これが最後の1ページ。
そう、世界の終わり
たしかにこれは『関係者一同に全裸正座を要求する最終回』……ディケイドに続いて、ってことか!
ですが、ディケイドと同じ『話は最初に戻り再び続く』ですが……一週回って美しくもある。
瞬瞬必生を謳われてしまった後であれこれ言うのも野暮かもしれませんが、繰り返しまでも計算し尽くされたような周辺展開をみてると『やられた!』という清々しささえあります。
(劇場版はまだ平成が終わってないように話しているとか、1話のウォズの『使い方は御存知のはず』とかetc)
TV本編は仮面ライダージオウの最終回の一つ。
また戻り、繰り返し……恐らくTV本編の次周回で辿り着く最高最善の終わりが劇場版『Over Quartzer』
平成ライダーの最終回なのではないかなと。
◆この力、必ず兄さんのお役に立つはず
幾つか説明ぶん投げるね! という白倉Pからの御言葉通り、いきなりに見えるツクヨミの裏切り。
(まぁ最期はスウォルツ氏刺されるだろうな……とは思いましたけど。なにせ彼もディケイドですし)
士の計画はツクヨミの世界にライダーを生み出すことで破滅を回避、ジオウの世界と繋いで橋を架ける……ディケイドの理論の集大成のようなものでしたが、これを行うにはジオウの世界にジオウ=ソウゴが残る必要がある。
前回のトリニティで伝わってしまった以上、今のツクヨミがソウゴの犠牲を良しとはできなかったでしょう。
しかしトリニティなしではオーマジオウには対抗できず……どうあっても詰んでいたのか!?
◆おじさん、時計屋だから。直せない時計、ないからさ
幾つか説明ぶん投げるね! その2。
もはやデウスエクスマキナと化した順一郎おじさん!
結局何者なんだよ!? が明かされることは今後も多分ない……ですけど、大叔父ってことはソウゴと血縁の可能性は高く、案外とこの人もオーマジオウの力を秘めているのかも?
ソウゴ君が夢という形でミライダーを創造したように、おじさんは時計の修理という形で森羅万象を修復できる……とか。
まぁ細かな話は野暮(その2)として……最後にかける言葉が
だったのは、劇場版を見た後だとくるものがあります。
今回たどり着けなかった晩御飯、きっとあのカレーだったんじゃないかな、って。
◆どんなに歴史が壊されても、仮面ライダーは消えない!
祝え! 仮面ライダーグランドジオウ!
最後にして二度目のグランドジオウノーカット変身!
しかし……
お前の敵は俺だけじゃない。ライダーの敵すべてだ!
さらりと変身しないままライダー召喚したソウゴ君に対し、スウォルツもまたライダー以外の怪人すら操り始める。
血を吐きながら続けるマラソンのようになっていくのはヒーローの必然的なものなのか。
(なぜか混ざる鎧武パインアームズは……なんなんでしょう? カチドキは貴虎ニーサン行きでわからなくもないですが、極も使えない何かがあった?)
そして……追い詰められ、庇い倒れるゲイツ。
ミハルの言葉がこんな形で的中してしまうとは……。
◆ウォズ……祝え……!
最高! 最善! 最大! 最強王!
オーマジオウ!
遂に降臨したオーマジオウ。
その姿は2068年と全く同じですが、立ち位置としてはかなりイレギュラー……過去作でいうクウガのアルティメットフォーム、レッドアイとダークアイの中間あたりに近い印象。
ソウゴの方からウォズに祝福を要求するのは初めてではないですが、彼にとっても予想外……失望ですらあったのではないでしょうか。
時空を超え、過去と未来を知らしめす究極の時の王者!
その名もオーマジオウ!
歴史の最終章に辿り着いた瞬間である!
これだけ。
実に定型的で、台本を読み上げるような抑揚のなさ。
感極まったウォズをこれまで散々に見せられてきたから、ただ祝辞だけで彼の感情が読み取れる悲しさ。
(そして渡邊君、奥野君の演技力も……)
オーマジオウの圧倒的な力は迫るラスボスを怪人たちごと一蹴する力、明かされたスペックの通り。
ディケイドはいうまでもなく、近年にできた最強への巨大な壁ムテキ、ゴッドマキシマムすらあっさり乗り越えてしまうほど。
初期スペックはムテキゲーマー+αくらい(この時点でも大概狂ってますが)なのですが、特殊能力が……
- 4.メリディアンサッシュ
- オーマジオウの子午線を現す権威ある勲章。
絶対境界波動「セパレートサージ」を放ち、半径4km圏内の触れた物全てを異次元へ送ることができる。
コンプリケーションキャリバーA
- 2.パラレルラトラパンテ
- オーマジオウの感覚共有デバイス。
平行世界や別の時間に存在する変身者の意識を並列化し、感覚共有することができる。
- 5.オーマシグナル
- オーマジオウの情報集約ユニット。
各種センサーから寄せられた情報を統合・分析し、どんな敵であろうとも変身者の力が上回るようシステム歩度を調整する。
オーマジオウドライバー
- オーマジクウマトリクス
- オーマジオウドライバーの理論具現化装置。
この世の神羅万象を実体化することが可能で、オーマジオウの各種装備を変身者に装着する役割を持つ。
今週のダグバや一話冒頭、爆発から不自然に消えさっていたのは異次元放逐の仕業か!
更に単体での戦闘能力も『パラレルラトラパンテ』と『オーマシグナル』のおかげで
対戦前に平行世界の自分を通して情報収集し、それを上回る能力に自分をチューンする
ことで絶対負けない……なにせ『オーマジクウマトリクス』がこの世の森羅万象を実体化できるので、できないことがない……という。
文字設定だけではなく、実際にやっている形跡まであるんですよね。
あのグランドジオウと対戦した際の召喚合戦。
アレは元から使えたのではなくて、これらの能力で生やしたのではないかなと。
これ以上語ることない恐るべき力なのですが……オーマフォームの落ち着き払った戦いようと見比べると、本当に悲しい。
同じ王でも、オーマジオウは怒りと破壊の姿。最高最善でも魔王であることは変わらない。
◆あなたのような王はいらない
正面より自ら攻撃を受け入れたディケイドに対し、背後から予想外の一刺しを食らったアナザーディケイド……予想通りですが皮肉が上手い。
倒し切れなかったアナザーディケイドでもあり……最後を決めるのはソウゴの逢魔時王必殺撃。
スウォルツが倒れ、ゲイツとツクヨミが消え、残されたのは世界を託されたソウゴとウォズ。
もし統治を受け入れたらウォズは2068年まで仕えていたのでしょうか?
それともやはり、ここからクォーツァーとの戦いが始まったのか?
ソウゴの選択は否でしたが、気になるところであります。
◆覇道より、王道を取るか
時計の針はさ、未来にしか進まない。
ぐるっと一周して元に戻ったように見えても、未来に進んでいるんだ
ソウゴの選択は破壊と創造でした。
この言葉は劇場版の『瞬間瞬間を必死に生きてきた』と共にスタッフ一同の実感ではないでしょうか。
特に終盤、ディケイド2の色を強くしつつも、十年前と似ているようで違う結末。あくまでジオウの物語としての決着。
劇場版の感想の繰り返しとなってしまいますが、白倉氏の十年越しのリベンジは見事に果たされたのではないでしょうか。
そして……この方も
『面白かったぞ、お前に敢えて。若き日の、私よ』
68年後のソウゴ=高岩成二氏。
(その御尊顔は常磐ソウゴのRoad to the King!から拝むことができます。画像編集ソフトなどで明度を50ほど上げてみると……)
これまで話題を避けてきましたが、仮面ライダージオウをもって1号ライダーを引退との話は耳に挟んでいました。
(スーツアクター自体は続けるそうなので、次郎さん的なポジションになるのではと思いますが)
これ以上にないタイミング、最後の熱演、ありがとうございました。
まさに一つの区切り。平成の終わり。
普通の高校生、常磐ソウゴ。
彼には大魔王にして時の王者、オーマジオウとなる歴史が待っている……
か、どうかはまだわからない。
ここから先は、この本とは違う歴史が記される必要があるようです。
あえて総括は避けさせていただきます。
1年間、ありがとうございました。