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仮面ライダードライブ 第28話
仮面ライダードライブ 第28話『なぜ家族は狙われたのか』
引き続きスーパー胃痛タイム。
正直、この数年で平成ライダーの闇を舐めてましたわ。この終わりの見えないトンネル感ッ!
◆このことは絶対姉ちゃんには内緒だ
まさに『噴き出した』という感じの怒涛の告白。
仮面ライダーマッハ、詩島 剛の父はロイミュードの父でもあった。
血族の悲しみと罪を背負って戦うという背景、辛さと涙を軽薄さの仮面で隠して戦う剛はシリーズで見れば非常に正統派なんですけどが、それゆえ
『恐ろしい怪物を生み出した博士の息子が、仮面ライダーやってるんだぜ?』
という自嘲の空回り感が辛く響きます。
父の罪を知らず、それどころかロイミュード=プロトドライブに助けられた記憶を持つ姉……霧子と噛み合わなくなるのは必然でしたか。
◆謝らなくていい。君は嫉妬という感情を手に入れた
それは進化だよ、素晴らしィ! と空耳が聞こえそうですが真影は宇梶さんではありません(当たり前)
この時点までは剛=No050の融合素体かと予想してたのですが……真相はもっとえげつなかった。
久しぶりに切れ者で外道なブレンさんが戻ってきたのは喜ぶべきなのか……。
◆ビンゴ! 営業担当者、相馬 涼……
剛を狙う、えげつない罠が牙を剥く。
味方との間に溝を作った後は、助けを求める第三者を装って近づき、依存を高めていく……完全に籠絡にきています。
進ちゃんは(おおっぴらに)変身不能だし、剛はもう話を聞く余裕もないしで、チェイスがいなければ完全に詰んでいました。
(この後、まだチェックメイトはかかっていると判明するわけですが……後述)
まずなんとか進ちゃんを謹慎から脱出させなければというわけで……
『私にいい考えがある。
チェイスに仁良課長を攻撃してもらい、変身するよう命令を出させるんだ』
(CV:玄田 哲章)
ま さ に 外 道。
この人間になり始めた始さんにジョーカーの演技を頼むような鬼畜ぶりッ、まさにドライブ……!
……って途中まで書いてて気づいたんですが、地味にこれってチェイスが命令や洗脳でなく、自主的に人間に協力していることが証明された瞬間なのか。
(人命保護の指令が生きているなら攻撃できないか、少なくとも命令との二律背反に苦しむはず)
……しかしやっぱりこれでいいのかぁぁぁー!?
◆それでいいの、もっと怒りをぶつけなさい! もっと、もっと……
一瞬のギャグパート終了。ここからはどん底までジェットコースターです……はい。自分から正体バレしてくれた時は『ニチアサだし手ぬるいよなぁ』と思いましたよ、一瞬だけ。
シーカーの役割は剛の怒りを増幅させること。そして剛には既に接触し、仕込みは済んでいた……この激怒、剛演じる稲葉くんとマッハを演じる渡辺さん、二人の怪演がただただ凄まじい。
こういう激情の演技の方が得意なのかな、稲葉くん……登場初期の芝居がかった演技とのギャップもあり、息をのむ瞬間でした。
◆私は子よ。お前ら仮面ライダーに敗北した、みじめな怪物の……
暴走から殺人という禁忌へ一手を踏み出す寸前、間一髪のインターセプト。
ただでさえ罪悪感を抱え込みがちな剛くん、ここでやってしまったら……しかし防いでも憎悪は確実に溜まっていくという八方ふさがり。
止めには……ロイミュードの子供は、犯罪者の娘は、結局ロイミュードで犯罪者だったという最悪の種明かし。
ロイミュードを倒し、間一髪で剛も助けられたというのに爽快感が全くないのがこの状況の深刻さを物語ります。
◆下拵えだよ。仮面ライダーたちを潰す、最強の戦士を手に入れるためのね
そして止め。
今回の事件の恐ろしさは『どのような選択をしても悪手しかない』という周到さと実感しました。
ロイミュードをドライブやチェイスが倒せば嫉妬含みの憎悪がたまり、マッハが倒せば人殺しの罪を背負わせられ、万が一動かなかったとしても罪悪感は溜るだけ。
いよいよ次回が決定的になるようですが……結局、この『王手』を脱するには剛が成長するしかないでしょう。
それができなかった場合……555に次ぐ、平成屈指の鬱作品になってしまう、のか?