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仮面ライダージオウ 第38話「2019:カブトに選ば…
仮面ライダージオウ 第38話「2019:カブトに選ばれしもの」
おばあちゃんが言っていた。なので、この展開はカブト的にありだと思います。
人の真似をするのも悪くない……"本当の自分"を見つけるためには
ってな
そしてまた、おばあちゃんはこうもいっていた。
たとえ世界を敵にまわしても、守るべきものがある。……公共の 法 より、己の信念、身内への情を優先する生き様。
ジオウを通して振り返ると、矢車さんは正しく天道のもう一つの姿だったのだなと。
誰かの言っていたアナザーたる所以が 選ばれしものではないこと というのは、きわめて的確な評だったのか。
◆お前……今、俺を笑ったか……?
ウォズとの対決から唐突過ぎる転換に
『キックホッパーの矢車さんはワームの擬態で、こっちが本物なのでは?』
などとも疑われt……普通に同一人物で本物の矢車さんじゃないか!
この引っ張りに引っ張ってからの肩透かし感、あぁカブトだわ。
『影山に擬態したワームは影山と呼べないのでは?』
というゲイツと視聴者の一般論に対し、ワームがどうしたバカ野郎、俺が影山って言ったら影山なんだよと地獄蹴りをくれてくる姿。
矢車さんはこういう(面倒くさい)人だったな……って。
(具体的には40話、例の『ふきとぶ矢車』回)
◆あの巨大隕石を破壊するにはこの方法しかない
隕石がワームの宇宙船という事は調べがついているわけで、なら着陸前に突入して破壊すればいいという話。
ン我が魔王との共同作戦にウッキウキのウォズですが、ワームの側も二度目、三度目なわけで阻止までしっかり考えてきます。
加賀美は 預かった
いつもの採石場まで ウォッチを持ってこい
じごく
そういえば何時の間にか姿が……から流れるような昭和ライダーのノリで捕まってんじゃないよ加賀美ィーッ!?
ここからたっぷり五分はハイパー加賀美フルボッコタイム……いやもう、アナザーカブトの性能以上に矢車さんの高速戦のセンスが凄すぎる。
- ウォッチをよこせ! 投げろ!
- 魔王主従、息を吸うように明後日に投げ不意打ち
- 完全に予想外の影山(……)をよそに、加賀美がゼクターで脱出してウォッチ回収に
- アナザーカブト、クロックアップ
謎爆発に突っ込んではいけない。カブトの撮影はお金がかかるのだ……
テンションで振り幅激しいですけど、こと読みあいに関しては天道とこの人がカブト二強で異論ないと思います。
基本に忠実な後の先のクロックオーバー潰しで魔王トリオ敗北。
カブト着こんだ矢車さんとか、こんなの実質天道じゃん……
(そもそもアナザーライダーってそういうものなのですが)
◆影山、お前地球滅ぼそうとしてんのか?
ごめんな兄貴。俺もう、兄貴の料理食べられないよ……なんて、ワームはいってくれませんが。
(というか、ワームは普通に飲食できます。たまに豚のエサァァァーッ! とかなるけど)
地獄ラーメンに口をつけないのが『あぁ、この影山は影山じゃないんだな』と、たぶん矢車さんも理解していたと思います。
真意を問うあたり、矢車さんに『いざとなったら影山は俺が』という気持ちはあったと思うのですが、結局『俺はお前と地獄で生きるよ』と流れてしまう弱さが、哀しくも愛おしい。
当時は地獄()だったのが(※)、完結から十三年という年月を経て本当に地獄になってしまった。
※矢車役の徳山さんのぶっちゃけ話……急に再オファー来て、地獄ジャケット渡されて『俺、何があったの?』と聞いたところ、誰も何も知らなかったという……笑えない笑い話
◆お前と時の王の力が共鳴する時、新たな時代が誕生する
だからそのウォッチは俺が妹に渡してくる。お前の意見は求めない!
オーマジオウに続き、君も兼崎さんの天然キャラがにじみ出てきたなスウォルツ氏……ウール君が奪還したウォッチを無言でもぎ取り、自分の手柄みたいに返却する絵面が面白過ぎる。
しかも例のこの洋館で。なんか既視感あるディケイドのぶっ転がされ方から続いて。
……いや大事なのはそこじゃない!
アギト回でツクヨミの正体はオーマジオウ=ソウゴの親族という説を提唱させていただきましたが……外れてはないものの、意外なところから生えた血縁関係。
スウォルツとツクヨミは兄妹だった
これまでの描写(大人のツクヨミに気づいた様子がない)から、それも相当に長期で不条理に引き裂かれていた?
二人の両親の姿がないのは?
考えるほど、謎は解けたようで深まっただけのような……うーん。
◆あんたは立派な戦士だ
天道ならこうストレートに言わないよね……と、同時に加賀美の成長に必要なのは、このストレートさだったのかなと。
変身者は矢車さんですけど、強さも立場も天道そのものというのは、うまいことやったなって思います。
(カブトには最終話前で勝ってただろ、と思われるかもしれませんが、アレは天道の作戦込み&ゼクトルーパーの援護もあったので)
我が魔王一行のインフレで忘れそうになりますが、我が魔王抜きでアナザーカブトを倒すには、誰かがカブトになるしかない。
理想の自分になるためでなく、ただ争いを止める力として求めたからカブトゼクターは応えてくれたのかもしれません。
先達を追う者から、託される者へ。
おばあちゃんが言っていた
俺は世界の中心。ならば世界は俺が救ってやる
ってな
変身ッ!!
【HENSHIN】【CHANGE BEETLE】
【HENSHIN】【CHANGE BEETLE】
当時のDX変身ベルトもカブトとガタックで互換性(ベルト部は色変えなので当然ながら)ありましたが、十三年の後に劇中で実現するとは。
活躍も徹底的に『ガタックの動きのカブト』なのが、スタッフの愛を感じます。
当時も言われた天道や矢車はカウンターからの一撃必殺、加賀美や受けて返すプロレススタイルという話……カブトになってもしっかり受けて、切り返すパワーファイターを貫いている。
(アナザー相手だと地味にダメージ凄いはずなんですが、加賀美に限っては実績ありますから。カッシスの時とか)
キックホッパーにはガタックのキック対決で破り、アナザーカブトにはカブト。そして最後はガタックとも天道とも違う……地上版のガタックライダーキックとでもいうような、駆け込み左回し蹴りでのフィニッシュ。
天道の美しさはない、けれどひたむきにかっこいいカブトでした。
◆お願い、もう少し時間を……!
地球が片付いた後も、宇宙はまだまだ大惨事。
ツクヨミの力が必要だ……って、単純に
ツクヨミの祈りがハイパークロックアップシステムの代わりというのはよく考えたと思いますけど……我が魔王がフォーゼにビルドとライドアーマー大活躍の陰で一番割を喰った気がします、ギンガタイヨウフォーム。
広域・持続・大熱量がウリなのに、時間切れで破壊しきれないとか我が預言者さぁ!?
フォーゼに関しては破格も破格。
ビルドアーマーも使ってますが、実質ドリルモジュール(効果音とエフェクトがドリルクラッシャーじゃない)
最後の締めもトリニティでタイムブレークなんですけど、地球を背にした構え、構図が完全にライダードリル宇宙キックという……フォーゼアーマーがロケットステイツ寄りでできなかったぶんを、これでもかとやってくれます。
販促終わっても要所要所で生かしてくれるのは継続視聴者としても嬉しいところ。
◆笑えよ……誰か、俺を笑ってくれ
影山……もう一度、兄貴って呼んでくれよ……
俺は影山じゃない……お前は、俺の兄貴なんかじゃない
俺は影山じゃない……お前は、俺の兄貴なんかじゃない
それは冷笑か、ワームの情か。
多くを語らず、また矢車は地獄へと去っていく。
今回を担当された山口監督は『矢車に夕日を見せてやりたかった』と言われています。
昇る朝日は眩しくても、闇に消えゆく夕焼けの日は彼を優しく包んでくれるからと。
近年、夕焼けで浮かぶのは円谷の例の人。
次週レジェンド作でラスボスを務め、銀河の光に呼ばれた男ですが、矢車さんも、劇中の彼のように救われる日は来るのか。
(実際のところ、自ら手にかけているので彼以上にハード……)
夕日でも、光に向かって歩き出した男の背に、救いをはあると今は信じたい。