基本ルールブック


ゲームの流れ

MachineWalkerTRPGの世界へようこそ!
MachineWalkerTRPGはロボットSFのキャラとなって遊ぶテーブルトークRPGです。
(テーブルトークRPGって何?という方は →はじめての方へ
ここではゲームの基本的な遊び方を解説していきます。

セッションの流れ

テーブルトークRPGでは1回のゲームの区切りを一般にセッション(session)といいます。
MachineWalkerの1セッションの流れは、おおまかに以下の通りです。

  1. 参加者を集める
     MachineWalkerはゲームマスター(以下、GM)1人とプレイヤー(以下、PL)2人〜6人の3〜7人くらいで遊ぶゲームです。
    まずセッションを遊ぶメンバーと、メンバーが集まる場所を確保しましょう。
    身近な人に声をかけ家に集合してもいいですし、オンラインならウェブサイトで募集からプレイまで一括して行う事もできます。
    また、この時GMが決まっているなら、どんな雰囲気のセッションか事前に話しておくと後の展開がスムーズになります。
  2. 参加者による打ち合わせ
     セッション開始前の打ち合わせは面倒ですが、とても大切なことです!
    トランプの「大富豪」で使用するローカルルールを決めるように、どのルールを使いどう遊ぶのかを相談しましょう。
     セッションの雰囲気と、PLが演じるキャラクターの方向性もここで決めておくのがいいでしょう。
    GMは血と硝煙の香る戦争シナリオを用意したのに、キャラはコメディアンばかり……という事態を避ける事に繋がります。
  3. キャラクターの作成
     参加者間で打ち合わせが完了したら、PLはセッションで演じるキャラクター(以下、PC)を作成します。
    ここか2のところで、GMから舞台や背景情報、必要な能力が提示されますので、
    PLはそれに従ってPCを作成、GMに提出します。この時、PCに問題があればGMはPLに修正を求める事が可能です。
    ※このキャラクター作成はかなり時間のかかる作業です。
    できれば事前にゲーム開始前に準備日をもうけ、打ち合わせと一緒にすませておきましょう。
  4. ゲームスタート!
     キャラクターが作成できたら、いよいよセッション開始です。
    TRPGの遊び方は様々ですが、MachineWalkerは「PC全員が協力し、提示された課題をクリアする」プレイを推奨しています。
    はじめて遊ぶ場合、GMはPLにセッションの成功条件、失敗条件を明示しておくと混乱が少なくなります。
    (最初は「誰かが持ってきた仕事(遺跡の探索、ならず者退治など)をこなす」という形式がわかりやすいでしょう)
    ※ここで注意が必要ですが、GMはPLと対立する立場ではありません。あくまでゲームの審判です。
    PLを失敗に導く必要はないですし、強引にセッションを成功させなくても構いません。中立を意識しましょう。
  5. ゲーム終了
     PLがセッションの成功・失敗条件を満たし、GMが終了を宣言したらセッションは終了です。
    もし次のセッションでも同じキャラクターで遊ぶなら(後述)報酬の決算、キャラクターの成長を行ってください。
    そして最後に後片付けを忘れずに。特に公共の施設で遊んだ場合、次の人に迷惑をかけないようにしましょう。
  6. 打ち上げ
    以上でセッションは終了ですが、時間があれば感想を話しあうのもいいことです。
    ただし、打ち上げはあくまで打ち上げ、小説のあとがきのようなものです!
    ゲームの失敗をあげつらう反省会になってしまわないよう注意してください。

セッションとキャンペーン

キャンペーンとは、同じキャラクターと舞台を使い、連続したセッションをプレイする遊び方です。
雑誌などの連載作品を想像するのがわかりやすいでしょう。
もちろん単発セッション(読み切り)が好評だったのでキャンペーン(連載)に……という事もできます。

キャラクターの持ち込みについて

TRPGの中にはPCの持込をルール化しているシステムもありますが、MachineWalkerでは持込は非推奨行為です。
もし事前に作成したキャラクターで参加したい場合、GMの定めた設定・ルールにあっているか確認しましょう。
これは能力や所持金といったデータだけでなく、人間関係やキャラクターの背景も含めてのことです。

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キャラクターの作成

セッションに参加するため、プレイヤーは自分が演じるキャラクター(以下、PC)を決めなければいけません。
ここではキャラクターの作成についての基本ルールを扱います。

アーキタイプ(既製キャラ)を使用する

もしMachineWalkerをはじめて遊ぶ場合、キャラクターを最初から作成する時間がない場合、
PCにはアーキタイプを使用することをお勧めします。アーキタイプは名前の通り、既に作成された既成キャラです。
キャラクターの背景情報を決めるだけでPCとして使用できますし、これをベースに手を加えても構いません。
基本ルールでは、以下の5人のアーキタイプ・キャラクターを用意しています。
アーキタイプ1/肉弾戦もこなせるMW操手
アーキタイプ2/MWスペシャリスト
アーキタイプ3/前線で戦う指揮官
アーキタイプ4/情報通の交渉人
アーキタイプ5/電子機器に詳しい偵察兵

キャラクターメイキング

MachineWalkerのキャラクター作成は、ダイスなどを使わない完全な選択式です。
設定さえ揃っていればいつでも行えますので、セッション開始前にあらかじめ作成しておくのがよいでしょう。
以下、キャラクター作成の手順を順に解説します。

  1. キャラクターシートの準備
     キャラクター作成には、キャラクターの情報を書くキャラクターシートが必要です。
    以下のリンクよりブランクキャラクターシートをダウンロードしておきましょう。
    →ブランクキャラクターシート
  2. 設定・ルールの確認
     作成を始める前に今一度、GMから渡された使用ルール・背景情報を確認しておきましょう。
    もしわからないところがあった場合、今からでもGMに確認してください。
  3. 能力値の決定
     キャラクターの基礎能力である能力値を決定し、シートに記入していきます。
    キャラクターの能力値は
    「操手レベル(MWを始めとするメカの操縦能力)」「運動レベル(腕力や敏捷など身体能力)」
    「交渉レベル(指揮や交渉などのコミュニケーション力)」「雑技レベル(その他知識の理解力・記憶力)」
    以上の4つに分かれており、合計200点となる範囲で設定しなければいけません。
    能力値の下限は20、上限は70です。平均は50で、40以下は苦手、60を越えたら得意分野といえます。
  4. 技能の決定
     能力値がキャラクターの基礎能力なら、技能は経験・技術です。
    技能の種別は能力値と対になっており「操手技能」「運動技能」「交渉技能」「雑技技能」の4つに分けられています。
    このうち操手技能と運動技能は肉体経験値を、交渉技能と雑技技能は精神経験値を消費して修得します。
    キャラクターは初期経験点として肉体経験値と精神経験値を100点ずつ持っており、技能修得に使用できます。
    具体的な技能の種類、レベルごとの必要経験値は技能一覧表を確認してください。
    →技能一覧表
  5. MWの購入
     個人装備とマシンウォーカー(以下、MW)はどちらから購入しても構いません。ここでは一応主役であるMWを優先します。
    キャラクターの初期所持金は1000万Cr(※)です。この中からMWと個人装備を購入してください。
    はじめての人は、悩んだらとりあえずスナッチャーを選んでおきましょう。
    MW用パーツは本体についているので慣れないうちは無理に買わなくとも構いません。
    (※惑星ゼムノゥーザの便宜的な統一通貨単位。「クレッド」「クレジット」と読みます。1Cr≒21世紀地球の1円)
    →MWカタログ
    →パーツカタログ
  6. 個人装備の購入
     キャラクターは所持金の他に以下の装備を最初から所持しています。  他に必要な装備があれば初期所持金を使って購入してください。
    MachineWalkerの華はMWでの活劇ですが、個人用の装備もちゃんと準備しておきましょう。
    →個人装備
  7. 副能力値の計算
     ここまでで決めた能力・装備から副能力値を計算します。
    副能力は他の能力や装備から計算される能力のことです。能力の種類と計算は以下の通りです。
  8. 背景・キャラクター情報の設定
     キャラクターのデータがまとまったら、それ以外の背景……名前や生まれを決めていきます。
    背景の設定はどのタイミングで行ってもいいですし、設定した背景にあわせてデータを調整しても構いません。
    重要なのは背景情報でキャラクターに有利・不利は生まれないという事です。
    キャラクターを地球人とすることもできますが、それで地球の超技術が手に入るようなことはありませんし、
    富豪の息子という設定でも所持金は他のキャラクターと全く一緒で、実家の援助など受けられません。
    →ワールドガイド「惑星ゼムノゥーザ」
    →ゼムノゥーザの国家
  9. 完成! GMチェック
     キャラクターが完成したら、GMに問題ないか確認してもらいましょう。
    もしGMから指摘を受けたら、指示に従ってキャラクターを修正してください。
    GMに承認されればキャラクター作成は終了です。おつかれさまでした!

キャラクター作成のヒント

MachineWalkerが初めてという人は、全て自分で作ろうとせずアーキタイプの改造から入ってみてください。
1〜2Lvで取得している技能を変更したり、装備やMWを変えてみるだけでも十分個性は生まれます。
背景設定はとりあえず最低限だけ決めて、融通が利くようにしておきましょう。
「名前」「性別」「出身(ゼムノゥーザ人か地球人類か)」「今の仕事(専門分野)」
これくらい埋まっていれば十分です。細かい設定は演じているうちにできてきます。

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行為判定

 キャラクターが行動を起こす時、その結果を決めるのが行為判定です。
ヒーローは突然開いた落とし穴を飛び越えられるのか? 音を忍ばせて迫ってくる敵に気づけるのか?
行動の結果は、キャラクターの能力と技能、そして少しの運によって求められます!

行為判定のやり方

行為判定は1D100を使って行います。1D100を振り「GMの指定した技能レベル×5+技能で使う能力値」と見比べてください。
このダイスの出目と比較する値を目標値といい、D100の出目が目標値以下なら行動は成功、より大きければ失敗です。

自動成功と自動失敗

行為判定で1D100の出目が10以下だった場合、目標値がどんなに低くても行動は成功します(自動成功)
逆にどんなに目標値が高くても、1D100の出目が91以上なら行動は失敗に終わります(自動失敗)
つまりどんなに熟練したキャラクターも、ちょっとした不運で行動を失敗することがありますし、
まったくの素人が幸運から素晴らしい成果をあげることも、ないとはいえないのです!

クリティカル? ファンブル!

特に素晴らしい結果をあげた行動をクリティカル、とんでもない大失敗をファンブルと呼びます。
行為判定で1D100の出目が目標値の十の位より小さかった場合、その行動はクリティカルです!
クリティカルは通常の成功にくわえて、更に追加でいいことが起きることもあります(判定によりGMが判断します)
逆に1D100の出目が100(パーセントダイスでは両方が0の場合)だったら、行動はファンブルです。
ファンブルは行動が失敗するだけでなく、更に悪いことが起こります(クリティカル同様、GMが判断します)

目標値への修正

普段より易しい行動や特に難しい行動を行う場合、判定の目標値には難易度修正が加わります。
この場合、普段の目標値に難易度修正を加えたものが行為判定の目標値となります。
以下、難易度修正の一例をあげます。

行動の難度 難易度修正 行動の例
とても簡単 +80 風呂を沸かす。水を汲む等の日常行動。
失敗したら色々な意味で伝説です。
簡単 +30 完成図を見ながらの配線。ナビを使った道案内。
素人でも十分成功します。技能を少し学んでいればまず失敗しません。
有利な状況 +10 時間をかけた鍵開け。最新設備の工場で整備。
技能がなくとも6割、あればだいたい成功する有利な状況です。
不利な状況 -10 野外での整備。雨天でのカーチェイス。
技能がないと厳しい状況です。素人は失敗する事が多いでしょう。
難しい -30 水中でのアクション。しっかり縛られた縄からの脱出。
その道のベテランでも成功するかわかりません。素人はまず失敗します。
とても難しい -50 目が見えない状態でのアクション。まったく知らない機械の整備。
成功には熟練の技と天性の才能が必要です。素人お断り。
無茶 -80 飛んでくるミサイルを掴み取る。銃弾を剣で受け流す。
超人の世界です。普通成功しません。

対抗判定

たとえば忍び足で歩く泥棒と警備員、もっと単純に腕相撲など、何人もで競い合う行動は対抗判定で解決します。
対抗判定では関わった全員が行為判定を行い、成功した者で結果を比較します。
判定でクリティカルがでた行動は、普通に成功した行動に勝利します。
クリティカル同士、成功した者同士では、目標値をより下回った方が勝者です。
行動の結果は、判定の勝者が有利になるように適用していきます。
(泥棒と警備員の例なら、泥棒が勝てば警備員に見つからず、警備員が勝てば泥棒は発見されてしまいます)

能力値判定

ごく単純な力比べや記憶力のチェックなど、技能を使わずに行う判定を能力値判定と呼びます。
能力値判定の目標値は「25+能力値」です。それ以外は通常の行為判定と同様に行います。

MW搭乗時の判定

キャラクターがMWに搭乗している場合、攻撃以外のMWを使った判定はMWの運動性を加算して行います。
攻撃判定に運動性を加えることはできません。代わりに白兵命中補正、射撃命中補正を加算します。
ただしキャラクターのMW熟練度が、MWの必要熟練度より低い場合、プラス補正は加算しません(マイナス補正は加算します)
加えて足りない熟練度1点ごとに難易度修正-10が全ての判定に加わります。

判定はいつ行う?

いつ行為判定を行うか決定するのはGMです。PCは勝手に行為判定を行い、結果を押し付けてはいけません。
PCが行えるのは行動の宣言までで、それを聞いたGMが行為判定を行うかどうか決定します。
普通失敗しない行動(単純な移動や発声など)なら行為判定を行わずに成功となりますし、
不可能な行動(身体一つで空を飛ぶとか、世界を滅ぼすとか)なら問答無用で失敗を宣言されるでしょう。

隠された判定

忍び寄る敵に気づけたか、罠発見に失敗した場合の罠の有無などPCが知ってはまずい情報がある場合、
GMは判定の目標値や判定結果、判定を行ったこと自体を隠すことがあります。
たとえば罠発見の判定では「では1D100を振ってくれ……罠はなかった」というように、
罠があって発見に失敗したのか、発見に成功したが罠がなかったのか、PCの知りえない情報は伏せられます。
敵に気づけたかどうかなど完全に受動的な行動の場合、行為判定のダイスを密かにGMが振ることもあります!

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戦闘と負傷・補給

エキサイトな冒険には命の危険がつきものです。この章では一番よく出会う危険、戦闘の解決方法を解説します。
また戦闘や事故で負うであろう負傷や故障の処理、治療についても本章で扱います。

戦闘の流れ

MachineWalkerでは人間同士の戦闘のほかMWによるメカ戦も起こりますが、ルールは一緒です。
戦闘は「ターン」という短い時間の区切り(1ターン=およそ1分です)で進行し、勝者が決定するまで繰り返します。
以下、1ターンの行動の流れを順に解説します。

  1. 隊列の決定
    キャラクター別に、戦闘開始時の位置を決めます。
    下記「隊列と位置関係」を参考に、キャラクターのいる位置を選択してください。
    この時、前衛は必ず1人以上必要です。他は誰もいない列があってかまいません。
  2. イニシアチブの決定
    陣営ごとの行動順序を決定します。陣営の代表は1D6を振り、出目が大きいものから行動順を決定します。
    出目が同じ陣営があった場合、その陣営のみ再度1D6を振り、出目の大きい方から行動順を決定してください(同じ出目なら再度振りなおし)
    出目が大きい陣営は「自分より小さい出目の陣営より後に行動する」と、宣言する事も可能です。
  3. 先攻フェイズ。先攻側の攻撃、後攻側の防御
    先攻となった陣営のキャラクターが行動を行います。これを先攻フェイズといいます。
    1フェイズ中にできる行動は下記「キャラクターの行動」を確認してください。
  4. 後攻フェイズ。後攻側の攻撃、先攻側の防御
    後攻となった陣営のキャラクターが行動を行います。これを後攻フェイズといいます。
    もし3つ以上の陣営が同時に戦闘する場合、以降全ての陣営が順に行動します。
  5. ターンの終了
    全ての陣営が行動を終えたら、1ターンは終了です。
    降伏したり全滅、撤収した陣営を取り除き、まだ勝者が決まらなければ2に戻り次のターンを始めます。
    最終的な勝者が決定したら戦闘は終了です。

隊列と位置関係

MachineWalkerの戦闘で、互いの位置関係は抽象的に「前線からどれだけの距離か」としか決めません。
戦闘時のポジションは以下の4種類です。

ポジション名 敵前衛からの距離 解説
前衛 1 敵前衛と向き合う最前線ポジションです。
通常、白兵戦はこの位置でしか行えません。
中衛 2 前衛を直接支援する、射撃向けのポジションです。
白兵戦は行えません。
後衛 3 前線から距離を置いたポジションで、射撃が届く限界距離です。
ここからの攻撃には狙撃銃や長距離砲が必要です。
最後衛 4 戦場の端、敵の攻撃は届かず自分も攻撃できない距離です。
主に攻撃以外の支援を行う、バックアップ要員の間合いです。

各隊列に人数制限はありません(図1)
複数人が同じポジションにいても、誰もいないポジションがあっても構わないのです。
ただし敵対陣営と隣接したポジションは、敵より人数が少ないと突入(後述)される危険があります


図1.隊列はどこに誰が何人いてもよい。

陣営内での行動順

同じ陣営のキャラクターが行動する順番は、相談して自由に決められます。
行動をパスすることはできますが、その場合も敵陣営の後に行動することはできません。

キャラクターの行動

キャラクターは自陣営のフェイズ中、通常の行動と自由行動を行えます。
通常の行動は自分の行動力と同じ回数だけ行える行動です。
自由行動は行動回数に制限されません。自軍フェイズ中、好きなタイミングで好きなだけ行えます。
キャラクターがフェイズ中に行える行動・自由行動は以下の通りです。

攻撃と回避

キャラクターは武器が届く範囲の敵を攻撃する事ができます。
MWなど複数の攻撃手段をもつキャラクターは、どの武器で誰を攻撃するか宣言してください。
攻撃と回避の手順は以下の通りです。

  1. 攻撃する武器と対象の決定
    どの武器で、誰を攻撃するか宣言します。
    攻撃できる対象は、対象までの距離と武器の射程で決定します。
    対象との距離は敵味方の前衛同士を1距離として、ポジションが1つずれるごとに1ずつ増えます(図3)
    たとえば自分が前衛、対象が中衛の場合、距離は「1 + 1」で1です。自分も中衛なら「1 + 1 + 1」で2になります。
    それぞれの武器が攻撃できる距離は以下の通りです。範囲外の敵を攻撃することはできません。
    武器の射程 攻撃できる距離
    0 〜 1
    1 〜 2
    2 〜 3
    3 〜 4
    特殊(※)
    ※.間接砲撃・巡航ミサイルなどの超長射程武器。戦場の外から全てのポジションを攻撃できる。


    図3.陣営間の距離は前衛同士が隣接してるとして数える。

  2. 命中判定
    命中判定は、攻撃するキャラクターと対象の対抗判定です。
    判定の目標値は攻撃するキャラクター(攻撃側)が「武器の技能 + 命中補正(+ MWの命中補正)」、
    攻撃された対象(回避側)が「《反射神経》(MWでは《MW操作/回避》)(+ MWの運動性)」です。

    攻撃側が判定に失敗した場合、攻撃は外れたことになり処理を終了します。
    攻撃側が判定に成功した場合、回避側もダイスを振ります。
    攻撃側が勝利すれば攻撃は命中です。ダメージの決定に進んでください。
    回避側が勝利した場合、攻撃は回避されたこととなり処理を終了します。
  3. ダメージの決定
    攻撃が命中したら、対象に与えた損害を決定します。
    武器の威力に書かれたダイスを振り、それを対象の装甲値で割り算(除算)します。
    割り算の結果が対象に与えたダメージのレベルです。ダメージレベルごとのペナルティは以下の通りです。
    なお、戦闘中の判定はペナルティによる難易度修正を受けません。
    (戦闘が煩雑になる事を避けるための処置です。精神高揚やダメコンの結果と考えてください)
    レベル 負傷の程度
    (生物)
    負傷の程度
    (MW・機械)
    ペナルティ
    1 微傷 微損 特に影響なし。
    生物なら表皮が切れた程度。機械では装甲の損傷。
    2 かすり傷 破損 生物の場合、一週間放置すると軽傷に進行。
    皮膚への大きな傷。装甲が破壊されるダメージ。
    3 軽傷 小破 生物の場合、一日放置すると重傷に進行。
    皮膚や装甲を貫通するダメージ。生身での喧嘩の引き際。
    4 重傷 中破 戦闘以外の全判定に難易度修正-30。
    生物の場合、半日放置すると致命傷に進行。
    内臓や駆動系に障害が発生している状態。
    5 致命傷 大破 生物の場合、意識を失って気絶(行動不能)放置すれば1時間後に死亡。
    MW・機械は戦闘以外の全判定に難易度修正-50。
    生物なら命に関わる重体。機械では動くのがやっとの損傷。
    6 瀕死 機能停止 生物の場合、ただちに生死判定(後述)を行う。失敗すれば死亡。
    成功しても15分毎に再度判定を行わなければならない。
    MW・機械は機能停止。搭乗者がいる場合、脱出判定(後述)を行う。
    心肺が停止した危篤状態。機械なら完全に機能停止。
    * 死亡 修復不能 ダメージレベル6の状態で更に攻撃を受けた場合、この状態となる。
    機械やキャラクターは永遠に失われ、二度と復活しない。
    生命における死。機械なら修理できないほどのダメージ。

    攻撃を受けるごとダメージレベルは蓄積し、進行していきます。
    もし1:微傷の状態から2レベルダメージを受けた場合、ダメージレベルは3:軽傷となるのです。
    また6:瀕死/機能停止状態で更に攻撃されると、ダメージに拠らず*:死亡/修復不能へ進行します。
  4. 状態異常の適用
    武器の種類によって、ダメージ以外の状態異常が発生することがあります。
    (中にはダメージを与えず、状態異常のみ与える武器もあります)
    備考欄に「状態:○○」とある武器は命中すると、指定の状態異常を発生させます。
    一般的な状態異常と効果、回復方法は以下の通りです。
    状態異常名 ペナルティ 回復方法
    転倒 命中、回避、その他運動系の判定(GM判断)に難易度修正-30
    バランスを崩し転倒した状態。
    次の自陣営のフェイズで自動回復
    目潰し 判定の目標値が通常の半分になる。
    (例:目標値80の判定なら40、目標値50なら25)
    閃光や目潰しで、瞬間的に視界を奪われた状態
    1回判定を行うと自動回復
    束縛 攻撃を受けるたび効果重複。効果は受けた回数で変化。
    1回目:行動で「移動」が選択できなくなる。
    2回目:その場で転倒する。束縛解除まで回復不可。
    3回目:行動不能。自力脱出不可。
    ネットや縄などで動きを制限された状態
    自フェイズ中、1行動力消費で1回分回復。
    行動力は他キャラクターが払う事も可能。
    燃焼 行動力-1。攻撃を受けるたび効果重複。
    MW・機械の場合、行動力0で機能停止。自力回復不可。
    高温の炎に包まれた状態。
    自フェイズ中、1行動力消費で1回分回復。
    MW・機械が機能停止した場合、
    戦闘後に修理することで回復。
    (「MWの修理」を参照)
    AB○ ○に指定された値だけ装甲値が減少。
    攻撃を受けるたび効果重複。
    Armor Break。装甲が大きく破壊された状態。
    戦闘後に修理することで回復
    (「MWの修理」を参照)
  5. 脱出判定
    キャラクターが搭乗しているMWなど機械のダメージレベルが6:機能停止となったら、脱出判定を行います。
    脱出判定は運動技能《脱出》で行う行為判定です。成功すればキャラクターは無傷で脱出できます。
    判定に失敗した場合も脱出はできますが、キャラクターは2D6威力のダメージを受けます。
    脱出判定でファンブルした場合や判定自体を放棄した場合、キャラクターは脱出できず死亡します。
  6. 生死判定
    生物のダメージレベルが6:瀕死となったら、生死判定を行います。
    生死判定は運動技能《耐久力》で行う行為判定です。
    もし最後の攻撃の結果でダメージレベルが6:瀕死を超える場合、
    判定には超過した1ダメージレベルごとに難易度修正-10が加わります。
    判定に成功すればキャラクターはとりあえず無事です。失敗した場合、キャラクターは死亡し永遠に失われます。
  7. 装備へのダメージについて
    人間やMW本体へのダメージで装備やパーツが壊れる事はありません。
    動かない相手からでは自由に装備やパーツを奪う事ができます。

特殊な攻撃

武器の中には普通とは違う特殊な攻撃を行えるものもあります。
武器によって行える特殊攻撃は以下の通りです。

特殊な回避

攻撃側が命中判定に成功した際、キャラクターは通常の回避判定の変わりに特殊な回避を行えます。
これらは通常より攻撃を避けやすい代わり、1ターン中に1度ずつしか行えません。
また攻撃によって制限があったり、特定の装備が必要な回避行動もあります。
キャラクターが行える特殊回避は以下の通りです。

連射武器と特殊な回避

特殊な回避は、攻撃キャラクターが1回の行動(1フェイズ中の行動ではありません)で行った攻撃全てに有効です。
連射による3回の攻撃に対してシールド防御を宣言した場合、
連射による3回攻撃全てをシールド防御できます(途中でシールドが壊れた場合は別です)
しかし攻撃側が2回目の攻撃行動を行った場合、1回目の攻撃でシールド防御を宣言していたら、
次の攻撃にシールド防御はもう行えません。

飛行中の攻撃

地上のキャラクターから飛行中の対象を攻撃する場合、
使用できるのは種別が射撃の武器だけ、対象までの距離は地上より1つ遠くなります。
飛行中のキャラクターが地上の対象を攻撃する場合、この制限は受けません。
種別が白兵の武器で地上の対象を攻撃することも可能です。

人間とMWが混在する戦場

人間とMWでは戦場のサイズが大きく異なります。
基本ルールでは人間とMWが同じ戦場で戦闘することはありません。
人間同士、MW同士、別の戦場として戦闘処理を行ってください。

ダメージの治療(生物の場合)

怪我・病気の治療は雑技技能の《医療》で行います。
医療設備がある場所で《医療》判定に成功すればダメージレベル1つと全ての状態異常を回復できます。
判定にはダメージレベルが4:重傷の場合-30、5:致命傷以上なら-50の難易度修正が加わります。
また判定の正否によらず、治療開始から24時間の間、ダメージレベルの自然進行は停止します。
クリティカルならダメージレベルは2つ回復しますが、ファンブルの場合は1つ悪化させてしまいます。
治療にかかる期間は《医療》判定1回ごとに1日です。また対象は1日に1回しか治療を受けられません。
(つまり複数の医者を雇って治療期間を短縮することはできません)

ダメージの治療(MW・機械の場合)

MW・機械の修理・整備は雑技技能の《機械整備》で行います。
整備施設がある場所で《機械整備》判定に成功すれば、ダメージレベル1つと全ての状態異常を回復できます。
判定にはダメージレベルが4:中破の場合-30、5:大破以上なら-50の難易度修正が加わります。
クリティカルならダメージレベルは2つ回復しますが、ファンブルの場合は1つ悪化させてしまいます。
治療にかかる期間は《機械整備》判定1回ごとに1日です。また対象は1日に1回しか整備を受けられません。
(複数のメカニックを雇って整備期間を短縮することはできません)

応急処置

生物も機械も・ダメージを受けた直後に応急処置を施すことでダメージをある程度抑えられます。
時間が許す限り、戦闘終了後には応急処置を行っておくべきです!
応急処置を行うには生物なら個人装備の「救急キット」、機械・MWには「メカニックキット」が必要です。
通常の治療と異なり応急処置は30分で行えますが、できるのは負傷直後(戦闘終了後)1度だけです。
判定の方法、難易度修正、回復するダメージレベルは普通の治療と変わりません。

医療・修理を委託する

定期的に治療・整備が行える街や基地に長期滞在している場合、GMが許可すれば処理をNPCに委託できます。
治療にかかる代金は、人間の場合でダメージレベル1あたり5万Crです。
MWの修理費はダメージレベル1あたり「機体価値÷10」Crになります。
NPCに治療・整備委託する場合、技能判定を行う必要はありません。

弾薬・燃料の補給

消費した弾薬は個人装備、パーツカタログにある「弾薬:種別」を購入する事で最大値まで回復します。
弾薬の補給は戦闘中以外ならいつでも可能です。
また弾薬にM(マガジン式)とある武器は、戦闘中に弾薬を補給することもできます。
MWの燃料は「機体価値÷100」Cr払うことで満タン(1日分)になります。
燃料の補給はしかるべき施設(ガススタンド、基地など)でなければ行えません。

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キャラクターの成長

セッションという試練を乗り越えることでキャラクターは成長していきます。
何度もセッションを繰り返すうち、駆け出しだったキャラクターもいつかベテラン、エースとなるでしょう。
ここではセッション終了後の成長処理、アイテム購入ルールを扱います。

経験値の獲得

セッション終了時、キャラクターは経験値(肉体経験値、精神経験値)を獲得します。
経験値はどちらもセッションが成功したら5点、失敗の場合は2点が基本値です。
この基本経験値に以下のボーナスを加わります。

キャラクターを成長させる

キャラクターは経験値を消費することで技能を成長させたり、新たな技能を修得できます。
また経験値20点を払うことで、能力値を1点成長させることもできます。
操手レベル・運動レベルの成長には肉体経験値が、交渉レベル・雑技レベルの成長には精神経験値が必要です。
これらキャラクターの成長処理はセッション終了時にしか行えません。

装備を購入する

キャラクターはセッションで得た報酬で装備やMWを購入できます。
購入できるものは非売品ではない装備・MWのうち、GMが許可したものだけです。
なお購入は自由ですがMWにパーツを装備する場合、装備に指定されたスロットが空いていないといけません。
また装備パーツの積載合計が、MW本体の出力を超えてもいけません。

装備を売却する

セッションで得た装備やMWのうち、必要ないものは売却してお金に変えることができます。
一般的な売却価格は価格の半分です。「非売品」装備などは交渉次第でより高く売却できるでしょう。
装備がダメージを受けているなら、売却価格からは修理費用が引かれます。
装備のダメージレベルが*:修復不能の場合、スクラップとして1/100の価格でしか売れません。

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