仮面ライダーOOO ＆ W　MOVIE大戦2011CORE

本編感想（ネタバレなし）

仮面ライダー W スカル　メッセージforダブル

　タイトルどおり、ほぼ全編おやっさん主役のスピンオフ。ハードボイルドだぜ。
安定したクオリティはいつも通りながら、まさにハードボイルド小説のような重い展開が印象的でした。
十年前が舞台という事で、色々な人のかつての姿が見られたり、本編の謎へさらりと繋げたりニヤニヤが止まりません。
本編は……どう話しても核心に触れてしまう（汗）是非に、映画をよろしくということで……。

仮面ライダーOOO　信長の欲望

　本編……に、限らずOOOを見るときのお約束がまず一つ。
『こまけぇこたァいいんだよ！』 by世界の破壊者
劇中のどのあたりかとか考え出すと疑問が止まらなくなるので、大体このこのへんか……くらいで捉えときましょう。
（メダルが、グリードというのは未公開の争奪戦エピソードが前後にあったとか思えば、まぁ）
近作の共通のテーマは『仮面ライダーが作り出してしまう闇』だと個人的に思うのですが、
OOO側では予想どおり鴻上会長が大暴れ。こういう悪の力を借りてオーズは正義のヒーローをやっている、と考えると深いです。

MOVIE大戦2011CORE

　唐突過ぎるのは、まぁ笑って許してあげてください。
そこにいるだけで世界の危機が説明つくディケイドって便利な存在だったんだなぁ。
割と真面目に、MOVIE大戦部分は毎年ディケイド乱入でもいいんじゃないでしょうか。
けど新規の方には入りづらくなってしまうか……難しいものです。

キャラ別雑感（ネタバレあり）

仮面ライダー W スカル　メッセージforダブル

鳴海　壮吉／仮面ライダースカル
「俺は自分の罪を数えた。さぁ……お前の罪を数えろ」

　ハードボイルドだぜ……と、いいたいところですが。
あれだけ完璧超人で何故にNobody's Perfect？　と、いう疑問を見事に払拭してくれました。
左君の視点では超人に見えたおやっさんも、やっぱりハーフボイルドだった。
妙な拘りを持っていたり、ハードボイルド小説を引用してみたり、左君に通じるところがあるかわいい人だな、と。
自分の甘さに泣き悔やみ、それでも心を鬼にして悪を討つ。まさに左君の師匠でありました。

仮面ライダースカル

　故人なので出番はW編のみです。残念！
ガジェットやビークルなど『あれがWの○○になるのか』とか色々と系譜を感じさせてくれます。
スカルのマキシマムドライブはメモリブレイク（メモリのみ破壊）ではないんですね……。
今回の件があって、おやっさんがシュラウドママに改良を頼んだのが後のマキシマムドライブなのかも。

左　翔太郎／仮面ライダーＷ
「かっけぇぇー……！」

　まずは桐山さん、2010年度ハットグランプリおめでとうございます。
W編の主役はおやっさんなので、台詞は子供時代より。
現代編ではボケて突っ込んで安定の常識人。方向性は違うけれど、普通にハードボイルドですよね。
おやっさんに憧れて仮面ライダーになった左君のように、彼の助けた子供達からも未来のヒーローが生まれるのかも。

フィリップ／仮面ライダーＷ
「あれが結婚を前に憂鬱になるというマリッジブルー！　実に興味深い」

　おやっさん主役なので出番が少ないのはしょうがない。それでもピンポイントでいいとこ持っていってくれます。
それに直接の出番は少ないですが、過去編は逆説的に彼の能力のヤバさ、存在の稀有さを見せ付けてくれます。
あの依頼、引き受けたのがW組だったら蜘蛛男襲撃のところで終わってましたよね……。
（キーワード「矢口　浩三」「メリッサ」「スパイダーのメモリの適格者」で犯人探し終了。酷過ぎる）

仮面ライダーＷ

　今回はスカルメインなのでMOVIE大戦を除き控えめ。それでもちゃんとメモリチェンジしているのはさすがです。
MOVIE大戦では何気にエクストリームで初のバイク使用ですね。うん、CGの正しい使い方だ
（エクストリームのスーツは凄まじく動きづらいらしいです。ディケイドコンプリートよりはマシでしょうけど）
ラストのサイクロンジョーカーGXはタジャドルコンボの力をもらったと解釈しておく方がロマンあるかな？

鳴海　亜樹子
「なんでお父さん、仮面ライダーなんかになっちゃったのよ！？」

　TV本編で溜まってたいろいろなものが大・爆・発！　と思って大目に見てあげてください（汗）
そりゃ毎週毎週、電撃ビリビリだったり噛み砕かれたり黒焦げになったりする恋人を見てれば不安にもなりますわな。
メリッサとの一人二役で、超人たちの中で暮らす一般人の辛さを代弁してくれるヒロインであり
負の感情をうまく消化できた人その壱。彼女の場合は『信じて見守る』ある意味、一番辛い方法ですが。

照井　竜／仮面ライダーアクセル
「俺は仮面ライダーをやめない。君を守るために！」

　現代パートのヒーロー。中の人はシリアス竜ちゃんが好きだそうですけど冒頭五分で崩壊しました（酷）
もう筆者の中では橘さんに匹敵する面白キャラになっています。九割はかっこいいのに残り一割のせいで笑いが止まらん。
MOVIE大戦では後藤さんとまさかの競演。警察つながりでちょこっとでも会話欲しかったなぁ。

仮面ライダーアクセル

　出番はMOVIE大戦のみですが文句なしにかっこいい。
最強の助っ人ライダーことバーストのコンビで遂にグランツァーにも白星が。おめでとうございます。
トライアルは……影も形もないのにスタート音だけギャグ使用とか卑怯過ぎるわ！（笑）

シュラウド
「あなたも、あれになるしかない」

　おかーさん若い。そして強い。スカルがシリーズ化されたら相棒は確実にこの人ですな。
しかし動きやすい服があるなら本編も夏場はコート脱げばよかったのに……年？（【ボム！　マキシマムドライブ！】）

メリッサ
「私、聞いてない！」

　第一声で所長のかーちゃんかと思いました（汗）一人二役だったのね。納得。
おやっさんの蜘蛛爆弾は残ったままだったようですが、彼女はどうだったんでしょうか。
……残ったままだから、ラストのあの姿に繋がったのかな。

マツ（松井　誠一郎）／スパイダードーパント
「俺はお前が羨ましかった……！」

　登場時点から臭いなぁと思わせて、ど直球の真犯人。
能力はどうみてもギャグなのですが真面目に使われると恐ろしい……この人も内に抱え込む性格ですな。
（凶悪なメモリの適合者は普段大人しい鬱屈した人が多い。バイラスとかジーンとか）
超人の相棒を務める一般人の辛さをストレートに見せてくれる名演でした。

小森　絵蓮／バットドーパント

　大きいお友達へのサービス担当（こら）ドーパント化しても声の色気が素晴らしい。
失礼、まぁ物語的には敵怪人その１なので語ることが少ないというか。
ミュージアムでは結婚前の尻霧彦さんくらいの地位なんでしょうかね。
売人でマスカレイド以外のメモリ持ちというと。

風都の皆さん1999

　尾藤さんにはニヤリとさせられましたが、一番驚かされたのは少年時代の左君の隣。
……あの場面で真里奈さんを出すか！　この二人がかたや仮面ライダー、かたやドーパントと思うと胸が痛い。
運命の悪戯と言うべきか、メモリの呪いはこの時すでに始まっていたとみるべきか……。

プテラノドンヤミー／？？？

　唯のヤミーの割に妙に強かったお方。誰が作ったのかはOOO本編でそのうち出てくるはず。
誰の欲望から生まれたのかも気になりますが……鳴滝？　ディケイド？（やめぃ）

仮面ライダーOOO　信長の欲望

火野　英司／仮面ライダーオーズ
「ノブ君……パンツ、まだはいてる？」

　微妙に性格が本編と違う！という声もありそうですが本筋はブレていないはず。
ばったばったと死人が出てしまった（しかも知り合いが殺人犯）というのはまたトラウマになりそうだなぁ。
妙に青空を強調しているのは、五代雄介リスペクトが当初は考えられていたのかな？

仮面ライダーオーズ

　はい皆さんご一緒に……タトバ使えねぇな！（涙）
いや他のフォームが使え過ぎるというべきか……さくさくチェンジしていくのは楽しいのですけど。
ライドベンダー搭乗時にタカゴリバ→タトバに戻ったのをみると、やっぱりトラさんは物を持つのに便利らしい。
タジャドルは……どうなんでしょうね。飛行可能でメダジャリバー使えると本格的にタトバがやばいんですが。

アンク
「苦労して見つけたんだ！　大事に使え」

　左君に驚かれる姿が割と印象的。役者さんの都合かキャラをつかめなかったのか出番少な目でしたね。
けど、TV本編より英司への信頼度は上がっている感じ。メダルを預けていたり、自分の体ともいえる赤メダルを使わせたり。
最終的にはこれくらいの感じになるんですかね。まだ今は利用しあう取引相手という感覚が強いですけど。

ノブナガ／仮面ライダーバース
「俺はずっと、自分の中の欲望を見ていたのかもしれない……」

　OOO側のゲスト。出自に関しては突っ込んだらダメだ！　OOO世界の信長はそういう人だったんだよ！
ホムンクルスと会長はいっていますが、どうみても人造ヤミーそして人造グリードの試作一号。
急激に力を失っていったのは不完全というか、セルメダルが足りなくなったからなんじゃないでしょうか。
彼を使ってファウンデーションが行ってきた実験の結果は本編で明らかになる……はず。

後藤　慎太郎／仮面ライダーバース
「仮面ライダーアクセル、力を合わせるんだ」

　僕らの５１０３(ごとーさん)がこんなにかっこいいわけがない（PAM!）
ハッピィバースディ！　仮面ライダー５１０３の誕生だッ！！
……むしろ出番少なくてよかったかもしれません。出番増えたら確実に７５３化してますよね。井上脚本的に。
超人の相棒を務める一般人の辛さを本編で嫌というほど体現し（涙）そして今回、一つの解決を迎えたお方。
すなわち『自分も仮面ライダーになる』……氷川さんやかがみんの通った道ですが、さて彼はどうなるのか。
え、名護さん？　あの人は生身で既に超人なので（ごにょごにょ）

仮面ライダーバース

　とりあえず正装着者は後藤さんで決定。最初はアチコチふらつくそうですが（出演者インタビューより）
メカメカしい外見と装備、まさにG3を受け継ぐ組織のライダー……というか組織じゃないと運用できないライダー。
アンクが爪に火を灯してチマチマ溜め込んでるメダルを弾丸代わりとかバブリーな……。
けどコアメダルに劣るパワーをセルメダルの数で補おうという発想、嫌いじゃないわ！
是非頑張って、神をぶち殺せるくらいの力を手に入れていただきたいものです。

泉　比奈
「英司君は、人がよすぎます！」

　恋愛パートはノブ君とよしのさんメインなので絡みは少なめ……いや、井上さん苦手なタイプなのかな？
ちゃんと怪力描写も入れてもらえたのは割とよかったかと。
常識人だけど能力は非常識という部分が一つのアイデンティティですしね。

白石　知世子
「そうよ。ここはリッオデジャネイロォ！」

　まさかのオチ担当……そんなのありか。カブト最終回並にぶっとびましたわ。
店をもっても旅人は続けてるんですね、この人。たまにふらっといなくなることとかあるんだろうなぁ。

鴻上　光生
「ハッピィバーディ、ノブナガッ！」

　今回の黒幕。最近、ドクター真木のせいで相対的にいい人じみてましたが本領発揮です。
ノブナガを放置したのもメダルのことを知って……と、考えると実に黒い。素晴らしいッ！（こら）
本編で対決するときが楽しみになってきました。

真木　清人
「あなたにも、よき終わりが訪れん事を」

　会長にもまして黒い。黒いというか、狂っているというか。
ノブナガの件は会長発案という事でしたが、彼もあわせて色々実験してましたね。
人造グリードはそのうち本格的に出てきそうだなぁ。あるいはメカカザリんとか。

グリード一家
「あのヤミーは……」

　洞穴たむろってましたけど、隠れ家追い出されたわけじゃない……よね？（汗）
しれっとカザリんが混ざっていますし、とりあえず出てきただけという感じですか。
彼らの会話によればアンク以外でももう一人グリードがいて、今回のヤミーを作ったらしい。
そういえばちょっと変わったヤミー生成でしたね。メダルの投入先が人じゃなくて物（靴）になっていました。

MOVIE大戦2011CORE

仮面ライダーコア
「この闇こそが仮面ライダーのコア！」

　とーとつに出てきて呆気なく倒された人とか言ってはいけない。本人気にしてそうだし。
きっとこれも世界が融合する滅びの一部なんだよ、おのれディケイド！
仮面ライダーの闇というか、ライダーの生み出した暗黒面が実体化したものと捉えた方が話は繋がるかも。
最初、真面目にディケイドがやってくるんじゃないかと期待してしまったのですが……さすがになかったか。