MachineWalkerTRPG 〜Mechanic Side〜


マシンウォーカー

全長:8.4m 重量(全備):6.29t
速度:(巡航)43km/h/(最高)82km/h
装甲:FRP併用、アルミ・スチール複合装甲(15mm)
出力機関:R&E社・燃料電池式超伝導モーター(最大稼動32時間/標準稼動20時間)
乗員:1名+1
装備:対人用バルカン×1、ハードナックル×2、ブラストナイフ×1、
20mmプレス板シールド×1、各部ラッチ(背部・脚部)・ロックハッカー標準装備
オプション:25mmMWマシンガン、溶断用トーチ他



(MWR-0911スナッチャー、スペック。R&E社1015年版MWカタログより一部抜粋)

MW……マシンウォーカーは巨人族の遺跡発掘用に作成された機動重機とでも言うべき代物で、
全長8〜10m、燃料電池式超伝導モーターを動力に24時間以上の連続行動が可能な優秀なマシンです。
元々遺跡内のガーディアンの技術を解析して作成されたそれはゼムノゥーザにおけるオーバーテクノロジーの塊であり、
その使い勝手から現在では軍用、作業用など様々な用途へ汎用的に使用されています。
現在、MWには大きく二種が存在します。大本に当たる発掘作業目的で作成された二足歩行人型、
そして戦争期に開発・大発展を遂げた、単目的戦闘用の二足・四脚歩行獣型です。
(これとは別に人型二足歩行機とその他を区別して、「人型」「二足歩行型」とすることもあります)
基本的に戦闘用の獣型はここ50〜100年で現れたものですが、初期に作られたラプターのような例外も存在します。


機能解析

脚部
近年の地球技術流入でホバーや飛行移動が可能な機体も増えましたが、MWの基本移動手段は電池消耗の少ない歩行がいまだ主流です。
このためMWの脚部は操手に負担のかからないよう極めて頑強かつ、走破性に富んでおり、
平地であれば標準巡航速度、足場の悪い荒野や礫地でもその2/3程度の速度ならば、操手に殆ど衝撃を伝えず歩く事ができます。
もっとも基本的に歩いている事に変わりはないため、沼地や雪原、砂漠など「脚をとられる」地形には弱く、
そういった場所ではそれ相応の改修を行わないと本領を発揮できないという弱点も持ちます。

胴体
コクピットが頭部に位置するMWにとって、胴部は最も多くの装備を搭載できる、いわば積載部に当たります。
メイン動力となる燃料電池もここに積まれており、充電時は背部がカバー式に開いて巨大な9V電池状のそれが取り出されます。
四足型MWの場合は多くの武器がここに、二足型も収納用バックパックや背負い式のキャノン・ランチャーなどが装備されます。

腕部
遺跡探索のため、巨人族を模して作られたMWは、その用途ゆえに極めて器用な腕部を持ちます。
その精密さはアームリンク(人型MW標準装備のグローブ状入力機器。実際の手の動きがマニュピレータとシンクロする)を使えば、
家の鍵をMWに乗ったまま開けるなど朝飯前、熟練者の手にかかれば卵を潰さずに割る事さえできるほどです。
通常時は左右レバーによるオートマチック操縦ですが、この器用さによって多彩な装備を持ち替えて使用できます。

頭部
 MWのコクピットブロックであり、各部位制御の心臓部です。
頭部といっても人間然とした頭というわけではなく、操手席を覆うキャノピー(カバー)がそう見えるというだけで、
操手はMW胸部に下半身を置くような形で、頭部キャノピーごしに(現代の車のように)目視で運転を行います。
人型MWのキャノピーは前面以外をほぼ覆ってしまうため視界が悪く、戦闘時以外はカバーを跳ね上げて運用するのが普通です。

 四脚型の場合は頭部の上半分が戦闘機上のラウンドキャピー(『ZOID』のそれが一番近いでしょう)となっており、
キャノピーを降ろしたままでも広い視界を確保できます。また、機体最前面に配置される事から耐弾性も高めです。

MWの操縦
 MWの操縦は操手一人で可能ですが、MW開発初期の名残として後部にサブシートが装備される形が一般的です。
(サブシートは外す事も出来、この場合操手席後部は人間用トランクルームとして使用できます。)
各種情報はキャノピー部に透過表示(ヘッドアップディスプレイ)され、操手は正面を向いたまま殆どの情報を得る事ができます。
 操縦は極めて器械的で、左右レバーで腕部&火器・装備管制、フットペダルで脚部管制、
詳細命令が必要な時は操手席前のキーボード&コンソールを併用しておこないます。
 なお、右レバーは起動キー兼用で、脱着式になっています。この起動キーは単独でもキャノピー開閉等の遠隔操作が可能で、
一機ごとに認証設定が与えられたいわばMWの"鍵"です。
これがない機体を入手(強奪・拾得)した際は工場などに持ち込み、改めて起動キーの設定をし直してもらう必要が有ります。
(あらゆる機体を動かせるハッキング・キーも存在しますが、大抵の国で違法品です)
なおMWは自動車程度の気密性しか持たないため、全身が沈むような渡河を行う事は極めて危険です。

マシンキャリア

マシンキャリア(以下MC)はMWの円滑な長距離輸送及び整備用の移動基地として製作された特殊車両・艦艇です。
サイズ・形態は様々で、キャンピングカー兼用で1〜2機程度を搭載するキャリアカーから、
戦争用の陸戦艇を改造した大型艦艇や、中には海戦用のものまで多種多様に存在します。
通常は1部隊(チーム)で一隻を運営する形がとられ、中にはMC自体を本拠として各地を飛び回る派遣会社もあります。


その他のメカニック

MW以外の交通

MWが闊歩するゼムノゥーザにおいても自動車や船といった通常メカニックは当然現役で存在しています。
実際、整地された道路においては自動車の方がスピードも出せますし、乗り心地、積載量共に勝っているのですから。
その光景は現代とほぼ変わりなく見えますが、自動車もMWと同系列の技術で作られ、燃料電池で稼動する電気自動車です。
また重機や建機はより汎用性の高いMWの存在ゆえに全く姿がありません。

 面白い事にゼムノゥーザにはつい最近まで長距離飛行用の乗り物、いわゆる飛行機が全く存在しませんでした。
これは技術以前に遺跡からの発掘物や生物史(ゼムノゥーザには鳥類が全く存在しません!)にそういった概念が全くなかった…
つまり飛行機という発想に辿り着けなかった事が主な原因で、ゼムノゥーザの創造性の欠如を如実に示すエピソードです。
このため諸地域間のアクセスは極めて悪く、近代となっても別の大陸へ向かうとなると大旅行です。
近年、地球技術の流出もあり少しずつゼムノゥーザ産の飛行機も作られ始めているようですが、試作の域を出ていません。