Cinematic Rule - Vanpire
ヴァンパイア

ヴァンパイアとは
 『死者の王』の異名をとり、人の生き血によって超常の力を奮うアンデットの頂点、それがヴァンパイアです。
一般には恐怖をもって語られる姿ですが、実際は血のような赤い瞳と鋭い八重歯以外は普通の人間と殆どかわりません。
その起源は神に挑み不死の呪い受けた戦士とも、究極の不死を求めた世界最初の魔術師とも言われます。
ヴァンパイアは厳密に種族ではなく伝染する呪いの一種です。あらゆる種族がヴァンパイアとなりえます。
 彼らは数々の超常能力に秀で、特にその驚異的な再生能力は通常の攻撃で傷一つ与えられないほどです。
古い種族の中には神の力で魂を浄化されない限り、殺されても即座に復活するものさえいます!
更に『死者の王』の異名の通り、ヴァンパイアはアンデットにカリスマのような絶対的支配力を持ち、
自身の血を死体へと注ぐ事でその者を下級のヴァンパイア(レッサーヴァンパイア)として従わせる事ができます

 数々の力をもつヴァンパイアですが弱点も多く、特に太陽の光や聖なる力、練気は致命的なダメージを与えます。
また通常の方法でエネルギーを摂取する事ができず、生きるためには絶えず同族の血を吸わなければいけません。
 ヴァンパイアは生殖能力をもちません。できることは命を削り、生者に血を与える事で同族とするのみです。
この『血分けの儀式』はヴァンパイアの命を削る行為で時には死さえもたらすため、殆ど行われる事はありません。
 人間にとって幸いな事に、多くのヴァンパイアは超越者的態度をとり社会の表に姿をあらわしません。
それが自身の命を危険に晒す事がわかっているからです。しかしそれは人間の手段に対して、の事です。
彼らを侮り無謀にも戦いを挑む冒険者の多くは、無慈悲な死と共にそれを教えられることになるでしょう。

文明
TL3。他の種族が不死の呪いを受けた姿。使用言語は種族と出身による。
単体〜関係者数人程度の家族的集まりが主で、集落などは存在しない

信仰
元となった種族によるが、ライザル以外の教団には邪悪な存在として否定されている。

魔法属性
変異する前の種族に準ずる。

種族基本セット
特殊な背景:異能者:一部能力のみ獲得可能(35CP)不老不死(15CP)
再生3Lv:日光の元では無効(80CP)通常武器無効(150CP)闇視:色もわかる(30CP)
アンデット支配(30CP)アンデットの身体(0CP)生殖不能(0CP)
依存:同種族の血(頻度:ごく稀、非合法):一週間に一度:一度飛ばすと6時間に1点ダメージ(−60CP)
行動不能:信仰を伴った聖印(頻度:稀):行動ペナルティ−4(−10CP)
苦手:直射日光(頻度:頻繁):1秒ごとに防護点無視1Dダメージ(−60CP)
動物に嫌われる2Lv(−10CP)自然治癒しない:生物の生き血が必要(−20CP)
死に至る秘密:ヴァンパイアであること(−30CP)
必要CP:150CP

独自の特徴

特殊な背景:異能者(35CP,生来所持)
超人用の特徴、GURPS百鬼夜翔の妖力・妖術を獲得する事ができます。
この特徴は本来50CP(ゲーム中で超常能力者に会う事が珍しくない)ですが、
ヴァンパイアは獲得できる能力が限られているため、必要CPが−30%されて35CPとなっています。

不老不死(15CP,生来所持)
百鬼夜翔P.24。ヴァンパイアとなった時点の年齢で老化が停止します。

再生3L(100CP,生来所持)
百鬼夜翔P.64。「はえかわり」への影響は無視します。

通常武器無効(150CP,生来所持)
「魔法の武器」以外での負傷は即座に治癒し、ダメージとなりません。
首を刎ねられたり頭から真っ二つにされたとしても即座に元に戻ります!

アンデット支配(30CP,生来所持)
ヴァンパイアを除くあらゆるアンデットを服従させる事ができます。この能力は集中などを必要とせず即座に発動できます。
意志をもたないアンデットは命令に対し無条件に従います。この効果は《死人奪取》《死人使い》より優先されます。
意志をもつアンデットを操るには意志力で即決勝負を行い、勝利しなければなりません。
勝負に負けた場合、1日たつまで同じ目標を再支配することはできません。

アンデットの身体(0CP)
アンデットと同様の身体能力・弱点をもっています。
飲食や呼吸の必要がなくなり毒や病気の影響も受けません。
ダメージボーナスは依然有効ですが「我慢強さ」を持っているとして扱います。
これら長所のかわりに聖なる武器や練気等、アンデット特有の弱点をもつようになります。

生殖不能(0CP,生来所持)
ヴァンパイア同士では生殖を行えません。通常種族との間には能力の幾分劣るヴァンパイアハーフが生まれます。
ヴァンパイアは生者に自らの血を与える事で、自らの命を分け与えヴァンパイアとする事ができます。
1人に血を与えるとヴァンパイアは「再生」の特徴を失います。
2人目に血を与えたるとヴァンパイア独自の有利な特徴が全て失われます(不利な特徴は変わらず残りつづけます)
血を与えたのが3人目の場合、ヴァンパイアは『完全な死』を迎えます。
死者に血を与える事で能力に劣るレッサーヴァンパイアとして復活させる事もできます。
この場合、特に代償は必要ありません。レッサーヴァンパイアの能力はモンスターの項を参照ください。

依存:生者の血:1週間おき(-60CP,生来所持)
百鬼夜翔P.141。
1回に約300mlの血液が必要です。
更に処女の血・三親等内の血族の血を吸った場合、負傷と疲労が完全回復します。

行動不能:信仰を伴った聖印(-10CP,生来所持)
百鬼夜翔P.143。
聖印はその神の信者がかざさなければ何の効果もありません。

動物に嫌われる(-10CP,生来所持)
百鬼夜翔P.143。動物は可能な限り逃げだそうとします。

苦手:日光(-90CP,生来所持)
百鬼夜翔P.143。
多くのヴァンパイアはこの弱点のため夜行性の生活を送っています。

自然治癒しない:生物の生き血が必要(-20CP,生来所持)
百鬼夜翔P.147。「依存:生者の血」を満たせていないと再生が起こりません。

死に至る秘密:ヴァンパイアであること(-30CP,生来所持)
ベーシック完訳版P.40。
ヴァンパイアの存在はは恐るべき怪物として世間に知られています。
ヴァンパイアであることがばれた場合、社会は積極的に貴方を抹殺しようとするでしょう。

ヴァンパイアの異能
ヴァンパイアは以下の妖力・妖術・特徴を獲得する事が出来ます。
★マークのある能力を除き、全ての能力は自由に後取り・成長可能です。
GMの許可があれば増強・限定を行う事も出来ますが「妖怪時のみ」の限定は行えません。

動物変身:種別
百鬼夜翔P.61。
多くのものは狼やコウモリへ変身します。

追加体力
百鬼夜翔P.62。

追加HP
百鬼夜翔P.63。

追加疲労点
百鬼夜翔P.63。

受動防御
百鬼夜翔P.65。鎧型・盾型にはできない。

防護点
百鬼夜翔P.65。鎧型・バリア型にはできない。

幽体
百鬼夜翔P.68。必ず「妖力をオフにでき、欠点も隠せる」増強が必要。

異類会話:種別
百鬼夜翔P.71。「動物変身」可能な動物への者のみ。

攻撃回数増加
百鬼夜翔P.72。

打撃部位
百鬼夜翔P.72。「鉤爪」「牙」のみ。普段は隠しておく事も出来ます。

超反射神経
百鬼夜翔P.74。

毒分泌
百鬼夜翔P.86。

加速
百鬼夜翔P.89。

睡眠コントロール
百鬼夜翔P.92。

ドリームワールド
百鬼夜翔P.94。

夢見る力
百鬼夜翔P.95。

★寵姫(CP様々)
常時登場し、ヴァンパイアに血の提供を行ってくれる従者です。
「寵姫」と呼ばれますが男性も当然存在します。ルール上は常に呼び出せる「仲間」として扱いますが、
寵姫のキャラクターがヴァンパイアを「後援者」「仲間」としてCPを払う必要はありません。
(寵姫に対し、ヴァンパイアは何の義務も負わないため。互いへの「義務感」を取る事は出来ます)
「寵姫」の必要CPは通常の「仲間」の3倍です。
特殊限定:人質や脅迫によって強引に手に入れた寵姫で、反抗の機会をうかがっています。
隙あらば主人を陥れ、自らを解放させようとするでしょう(−50%)

★死からの復活(100CP{N向})
始原のヴァンパイアに極めて近い血統者がもつ強大な再生能力です。
この異能をもつものは「死体を日光にさらす」「死体に《死霊駆除》をかける」等の方法で「完全なる死」を与えない限り、
死亡しても1日で完全復活します。復活には遺体が残ってる必要もありません。
復活する場所は死亡した所か遺体の安置されている場所のどちらかを選べます。
特殊増強:よりどころとなるアイテムが存在し、それを破壊しない限り「完全な死」を迎えません。
アイテムはどんなものでも構いませんが、明らかに普通のものと違う気配を纏います(+100%)

凝視:種別(CP様々)
目標と視線を合わせることで様々な異常を与える能力です。以下より一つを選んで取得してください。
範囲はLv×1m内の1人で、視線を合わせる必要があります(通常は自動的に成功します)
1ターン集中し、ターン始めに知力で発動判定を行います。発動に成功したら異能のLvと同じだけ疲労します。
目標は意志力で抵抗を行い(凝視のLvだけマイナス修正)、失敗すると凝視の効果を受けます。

魅了凝視(1L目は10,以降6CP/L)
抵抗に失敗した目標は《忠実》の呪文の効果を受けます。効果時間はLv×1分です。
「好色」の目標を異性が「魅了凝視」した場合、目標の抵抗は−5されます。

恐慌凝視(1L目は7,以降3CP/L)
目標は抵抗の失敗度で恐怖表(恐怖判定ではなく)を振り、その効果を受けます。

麻痺凝視(1L目は11,以降7CP/L)
抵抗に失敗した目標は完全に動けなくなります。効果時間は「30−目標の意志力」時間です。
意識は明晰なままですので、動作や詠唱の必要ない呪文や異能ならば使用する事ができます。

ヴァンパイア・ハーフ

魔法属性
元の種族に準ずる

種族基本セット
特殊な背景:異能者:一部能力のみ獲得可能(35CP)
再生1Lv:成長不可(25CP)闇視:色もわかる(30CP)
中毒:同種族の血(非売品、極めて強い中毒性)(−30CP)
死に至る秘密:ヴァンパイアハーフであること(−30CP)

必要CP:30CP
「特殊な背景」のCP目安:50CP

取得可能な独自の特徴
追加体力,追加HP,追加疲労点,打撃部位:鉤爪・牙,★アンデット支配,★寵姫,凝視:種別

ヴァンパイアと通常の人間との間に生まれたハーフです。姿は元の種族によりますが、赤系の瞳を持つことが多いようです。
純粋なヴァンパイアのような不死性は持ちませんが、日光や聖印などの弱点もありません。
性格はその生い立ちで大きく変わりますが、多くの者はその血への渇望を憎んでいます。

※異種族のヴァンパイア(・ハーフ)に関する注意
 人間以外の種族がヴァンパイアとなった場合、異種族基本セットに加えヴァンパイア基本セットを取得してください。
矛盾する不利な特徴がある時は異種族基本セットのものを買い戻さなければなりません。
(寿命系特徴、フォウルの鳥目・自然治癒力の低下等。基本的に買戻しは異種族基本セットから行います)
逆に重なる有利な特徴がある場合、その分だけ基本セットは安くなります。
(例:ヴァンパイアは既に「不老」のため、種族基本セットの寿命系の有利特徴にCPを払う必要はなくなります。
これにより浮いたCPは不利な特徴にも数えません。「闇視」と「暗視」も同様です)
 また例外としてビーストチェンジャー・フューザーはヴァンパイア(・ハーフ)になれません。

ゲームへの導入とPC適正
 百鬼夜翔(旧妖魔夜行)に慣れたプレイヤーなら、妖怪とあまり変わらない感覚で使用できます。
純正のヴァンパイアは活動に制限が多いため、PCにはヴァンパイア・ハーフの方がむいています。
 シネマティックルールで遊ぶ場合、ヴァンパイアは350〜600CPで作成されます。
どちらの場合も極めて強力な異能者となりますが「依存(中毒):血液」「死に至る秘密」に注意が必要です。
 通常セッションでのヴァンパイアはPCの前に立ちふさがる強大な敵として登場します。
600CPクラスのヴァンパイアは大キャンペーンの大ボスとしても十分な貫禄となるでしょう!

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