Cinematic Rule
練気

練気とは
 練気はその名の通り自らの体内の生命エネルギーを活性化させ、内外に放つ事で超常の力を奮う超能力の一種です。
生命の力を根源とした練気の力は特にアンデットに致命的なダメージを与え、生者の傷を癒す事ができます。
 練気の歴史はロードリング帝国建国前、豪族たちが覇権を競っていた頃の東方にまでさかのぼります。
東方奥地の小さな部族は人外の怪物を封じる事を使命とし、その技術として練気を生み出ました。
 やがて帝国の侵略が始まると、彼らは力を利用される事を恐れて帝国を後にしますが、
その血統は今も歴史の裏で脈々と受け継がれていきました。
特にツルスとマリーシアを結ぶ"岩の海"の孤島には大陸最大の練気士たちの隠れ里があり、
修行を積んだ多くの練気士たちが異能者の災厄を封じるために活動しています。
また、先祖に強力な練気士をもつ人間には、稀に訓練を受けずとも練気を使える者が生まれる事もあります。

ゲームにおける練気の扱い
 練気は超能力によく似た能力であり、パワーレベルと技能の二つで能力を表現します。
超能力との違いは、「連続試行」「超能力への耐性」による目標値修正を受けない事、
目標には必ず接触しなければいけない事、集中時の負傷修正を「我慢強さ」で無効化できる事です。
また超能力とは全く原理が違うため、超能力機器の影響を受けたり超能力感知にひっかかることはありません。
 練気を修得できるのは人間のみです。異種族・ハーフ種族が練気を学ぶ事はできません。
GMは超能力同様、練気に対する増強・限定・副反応を認めても構いませんが、
距離に関する増強・限定、「痕跡なし/痕跡弱い」「副作用」「無意識のみ」「制御不能」の増強・限定はかけられません。
また「状況限定」は使用者の精神的なもの(緊張状態だと使えない、瞑想状態しか使えないなど)しかできません。
副反応は自分か相手の身体に対してのもののみ取得可能です。

独自の特徴

練気(5CP/PL,後取り(成長)可)
特殊な呼吸法によって自身の体内の生命エネルギーを活性化させ、内外に放出する技術です。
治癒や防御に関するものが殆どですが、大量の生命エネルギーをぶつける事で攻撃を行う事もできます。
 呼吸ができない状態(窒息中や水中等)では使用できず、自分以外に使用する場合は必ず素手か武器による接触が必要です。
練気が効果を発揮するのは実体を持った生命体、アンデットのみです。無生物・幽体には一切の効果をもちません。


治癒
 自身のエネルギーを目標に与える事で傷を癒します。
ベーシック完訳版P.222の超能力《治癒》とほぼ同じ能力ですが、自身には使用できません。
病原体や毒を対外に排出させる事もできますが、判定に−2以上の修正を受けます。
(一般には抵抗に受けるマイナス修正か−2のどちらか大きい方)

練気防御
 体内のエネルギーで斥力場を発生させ、自身へのダメージを防御します。
ルール上は防護点の上昇という形であらわされ、防護点が「パワーレベル÷5(鎧と重複、端数切捨)」上昇します。
《練気防御》は特に異能による攻撃にたいして強力な防御となります!
異能者の直接攻撃(格闘、接近武器攻撃、直接攻撃系の異能)に対して、《練気防御》の防護点は3倍になります。
 発動には1ターン集中し、技能判定を行ってください。成功すれば防御が高まります。
維持に集中は必要ありませんが、毎ターン技能判定を行わなければなりません。
最初に働かせる時に1点、更に1分間維持するごとに1点ずつ疲労していきます。

練気賦与
 生命エネルギーを武器や素手に賦与する事でその威力を強化します。
武器の致傷力が「パワーレベル÷5(端数切捨)」上昇し、魔法の武器扱いとなります。
アンデットには特に有効で、彼らにたいして致傷力ボーナスは2倍になります。
使用者が武器から手を離した場合、1秒で効果は消滅します。他人に受け渡す事もできません。
(飛び道具に使用する事もできますが、その場合発射する弾丸に対して使用する事に注意してください)
 まず1ターン集中し、技能判定を行ってください。成功すれば武器に力が宿ります。
維持に集中は必要ありませんが、毎ターン技能判定を行わなければなりません。
最初に働かせる時に1点、更に1分間維持するごとに1点ずつ疲労していきます。

気爆(前提:練気治癒12Lv)
 大量の生命エネルギーを目標に一気に流し、アンデットに致命的なダメージを与えます。
まず1ターン集中して技能判定を行います。判定に失敗した場合、1点だけ疲労します。
ファンブルの場合、3点疲労し、更に1点ダメージを受けます。
技能判定に成功すると3点疲労し、術者体内にエネルギーが蓄積された状態となります。
その後、1秒以内に素手か武器を通して目標へ接触してください。相手がよけるなら命中判定が必要です。
 威力はパワーレベル5あたり1D点で、アンデットには生命力、人間には疲労点へのダメージを与えます。
《気爆》のダメージに一切の防護点は無効です!

練気の応用

《練気防御》による特殊移動
 攻撃を受け流す《練気防御》の斥力場を利用し、液体と自らの身体を反発させ「水上に立つ」事もできます。
移動中は接触面に力を集中させなければいけないため《練気防御》の防御効果は得られません。
《練気防御》が途切れると術者は水中に沈没します。水上での移動は《水面歩行》の呪文と同様に扱ってください。
 PLが15以上あれば、斥力ではなく引力を発生させて液体……滝や氷柱にも張り付いて移動する事もできます。
−5の修正を課した判定に成功すると、パワーレベル×5kgまでの物体を支えて張り付く事ができます。
移動に関するルールは《壁歩き》の呪文と同様に扱います。

《練気賦与》による即席武器
 熟練の練気士は《練気賦与》によって通常ありえないものを武器にする事ができます。
PLが15以上あれば《練気賦与》を行う事で武器ではないものを武器に変える事が出来ます
例えばハチマキを剣に、鉄パイプを刀に、落ち葉や水流すら鋭利なカッターとなるのです!。
 《練気賦与》で創造された即席武器は、それぞれの形状にあった武器と同じデータをもちます。
(ハチマキの剣はショートソード、落ち葉のカッターは投げ専用の小型ナイフ辺りが妥当でしょう)
使用の際もそれぞれの形状に会った技能で扱ってください。品質は通常品質となります。
これらのデータに《練気賦与》のボーナスを加えたものが、武器の最終的なダメージです。

ゲームへの導入とPC適正
 超能力のルールを使い、また他の異能者に対抗するためにはプレイヤー工夫が必要なため、
GURPSにある程度なれたプレイヤーとGMの間で使用するのがよいでしょう。
 シネマティックルールで遊ぶ場合、異能者は200〜350CPで作成されます。
他の異能者と戦うにはパワーレベル20以上で、技能もまず失敗しないレベル(15以上)が必要となります。
また練気士は妖力を持つ事ができないため能力値も重要となります。追加HPもないので生命力は深刻な課題となるでしょう!
 練気士はGMが許可すれば、通常の一般人セッションでも使用する事ができます。
その場合のCP総計は100〜200CPの範囲で、不利な特徴や技能のCP制限は一般のキャラクター作成に従います。
こうした練気士はパワーレベル5〜10レベル弱い練気に他の才能をもった兼業能力者か、
パワーレベル15前後で強く限定された練気を持つ未熟な練気士となるのが普通です。

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