破片世界


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『破片世界』とは
神々と宗教
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PCの作成

『破片世界』のプレイヤーキャラクター(以下PC)となる冒険者たちは100〜150CPで作成します
ゲームに慣れないうちや、人間以外の種族を積極的に使って欲しい場合は130〜150CPで作成するのがよいでしょう。
キャラクターは一般人よりかなり優秀ではあるものの、冒険者としては駆け出しのレベルです。
以下に破片世界の冒険者における、CPと強さの目安を記しておきます。

CP総計とキャラクターの強さの目安
〜100CP:ひよっこ。最も数の多い(そして多く脱落していく)冒険者。
130CP〜:幾らかの冒険をこなした中堅。ごく一般的なレベルの冒険者。
150CP〜:経験を積んだベテラン冒険者。地方での英雄は大抵このランク。
200CP〜:かなり名の売れたベテラン。大陸規模で名前が通る。
250CP〜:屈指の腕をもつ古参冒険者。他の大陸でも噂されているかもしれない。
300CP〜:伝説に残る英雄。世界で100人はいないだろう。

{N向}の特徴
『破片世界』ではPCが使うのには特殊すぎる、あるいは強力すぎる特徴や技能について、
3版の百期夜翔のように{N向}という記号で区別をしています。
この特徴は上記の理由でPCが取得するにはGMの許可が必要です。
これらの特徴を許可べきかはGMがセッションの性質を考えて決定してください。
一般的な「リアルな世界」で遊ぶ際はNPC専用としておいた方が無難でしょう。

種族

『破片世界』には人間以外にも多数の異種族が生活しており、GM許可があれば彼らをPCとする事もできます。
以下は全大陸的に有名な人間以外の異種族の紹介です。
もちろん、ここに挙げられた種族以外にも、大陸特有の種族は多くいるでしょう。
GMはベーシック・キャンペーン第15章に従って自由に異種族テンプレートを作成し、種族に追加できます。
種族を追加できるのはあくまでGMだけの権利です。
プレイヤーからGMにできるのは提案だけです。詳細なテンプレートの作成を認めてはいけません!

種族解説,テンプレート

特徴

変更・注釈のある特徴

副能力値
ベーシックP.17(キャラクターP.17)
GMが改めて規定しない限り、破片世界は「リアルな世界」です。
リアルなキャンペーン・普通の人間の場合の制限が適用されます。

容貌
ベーシックP.22(キャラクターP.22)
「怪物的」「見るもおぞましい」「究極」な容貌は普通獲得できません。
また「汎用」「既成の外観」の増強は行えません。

文明レベル
ベーシックP.24(キャラクターP.24)
技術・医療関係は3(中世)、文化・思想は5〜6(産業革命前後)というのが一般的です。
「TLが低い/高い」の特徴は冒険の舞台となる場所を中心に計算してください。
(たとえばTL5の不毛の民が暮らす「祝福なき大地」を中心とした冒険なら、
不毛の民の種族テンプレートから「TLが高い」は削除します)

文化適応
ベーシックP.24(キャラクターP.24)
破片世界では文化範囲を大陸と種族単位で数えます。
CPは種族と大陸のどちらかのみ異なる場合1CP、両方が異なる場合2CPです。

読み書きと言語
破片世界の人間(と多くの異種族)は母語の読み書きを普通に行えます。
キャラクターは通常、母語として大陸共通語+常用語の二つを覚えています。
破片世界の言語については追加特徴の「言語」を参照ください。

財産
通貨単位はリン(Rin)と呼ばれる等価貨幣の銀貨です。
起源は神々が人々に労働の代価として与えた褒美までさかのぼれ、およそ1$=1Rinになります。
キャラクターの所持金は冒険の中心となる地域の文明レベルによります。
一般的な地域(TL3)では標準で1000Rinです。専業冒険者は財産全てを装備に使用できます。
また10CPまでを財産の10%の金額に変換することができます。

聖職者
ベーシックP.63(キャラクターP.63)
破片世界の神々については「魔法」を参照ください。
なお、破片世界の聖職者は全てが魔法使いというわけではありません。注意してください。

後援者
ベーシックP.49(キャラクターP.49)
破片世界には様々な恩恵を受けられる特殊な後援者が存在します。詳しくは「組織」を参照ください。

近視・遠視
ベーシックP.137(キャラクターP.137)
「不毛の民」を始めとする高文明レベル種族の技術で、高価ですが眼鏡が存在します。
必ず「矯正可能」の限定を取得してください。眼鏡の価格は500からが一般的です。

祝福
祝福を獲得できるのはロウマスター(後述)のみです。
この特徴をもつものはより神に近い存在とされ、発動の際には『後光』が発生します。

マナ濃度・魔法の素質
マナ濃度は並です。破片世界で一般的な魔法使いは、
神の作った魔法のカードを使う技術者「カードマスター」
神の魂の欠片を宿しその力をふるう「ロウマスター」の2種類です。
ベーシックにおける「一般的な魔術師」(魔法の素質)は今のところ確認されていません。
より詳しい説明は魔法の項を参照してください。

カードマスターの技術(5CP/Lv(6Lv以上は{N向}),後取り可)
カードマスターは神がかつて作ったカードを使う一種の「技術」です。
(現在はオリジナルから人間が作成した劣化コピーが主に使われます)
この特徴は純粋な技術であり、努力すれば(CPを払えば)誰でも身につけることができます。
「カードマスターの技術」は「儀式魔法の素質(ベーシックP.93、P.234)」とほぼ同様ですが、
「魔法の素質0Lv」の恩恵(マジックアイテムの探知、マナ濃度の感知)がありません。
またレベル効果の限界を超える(ベーシックP.229(キャラクターP.229))こともできません。
特別限定:状況による特別限定(昼夜しか使えない、一人でしか使えない)は行えません。

ロウマスターの素質(10CP/Lv(4Lv以上は{N向}))
ロウマスターは世界を作り出した神の力を使う「才能」です。
あなたは滅びた神々の魂の一部を生まれながら受け継いでおり、その力を使うことができます。
「ロウマスターの素質」は「神の代行者」とほぼ同様に働きますが、
力の源は自身の持つ神の魂であり、呪文は神聖性ではなく場のマナ濃度の影響を受けます。
「ロウマスターの素質」を持つ者は性格に神の魂の影響を色濃く受けます。
これは便宜上「信仰による戒律:教義をできるだけ守る」として扱います。
強制力は強くありませんが(明確な理由があれば(嫌々ながら)教義に逆らうことは可能です)
あまり頻繁に逆らい続けると、ロウマスターの素質が失われる可能性があります。
魔法の項、「ロウマスターの堕落」参照)
特別限定:従属神のロウマスター。修得できる魔法の系統数が減ります。
独自呪文以外で修得できる系統が2種の場合-30%、1種の場合-50%

魔法の耐性
超常的特徴ですが、普通に獲得できます。
「カードマスターの技術」「ロウマスターの素質」とは同時に取得できません。

追加特徴

強化防御
強化受けは2Lv(能動防御+2)まで取得できます。
また以下の特殊限定を追加します。

軽装時のみ(-35%)
「強化受け」「強化よけ」にのみ適用できます。
荷重レベルが軽荷以下で盾をもたない時のみ恩恵を受けられます。

言語
破片世界には以下の言語が一般的に知られています。
キャラクターは通常、共通語と自分の種族語を母語として修得しています。

共通語:(大陸別)
世界が一つだった頃に使われていた全ての言語の基礎言語です。
文法は英語に近く、表音文字を組み合わせた単語の組み合わせで文章を作ります。
大陸が分かれたのちに各地で方言などが生まれ分派していきましたが、
共通語同士であれば会話に問題ないやり取りは可能です。

種族語:(種別)
エルフ語、ドワーフ語の2種が一般に知られています。
共通語に似ていますが、名詞の男女詞変化など状況にあわせて単語が様々に変化し、
より詳細な描写できる反面、正しく使用するのは非常に難しい言語です。
文字自体は共通語と同じ表音文字を使います(というより共通語が種族語の簡易版です)
主に管理者であった種族が使う種族固有の言語で、
内密な会話や神との意思疎通用の言語の名残とされます。

汎用モンスター語
モンスター化した種族が使う言語で地域・モンスター集団によって微妙に違いがあります。
基本的には共通語・種族語を大幅に簡略化した即席言語であり、
聞きようによってはカタコトの共通語のようにも聞こえます。
文字は存在せず、口語のみの言語です。

神聖語
神々が生きていた頃に使っていた古代言語です。
日本語のように表意文字(漢字)と表音文字(カナ文字)を組み合わせて使用します。
精神感応など直接的な情報交換の補助用として作られたもののため、
同音異義語や抽象的な単語が多く日常会話には適しません。
現在では魔術師たちの魔法や、スペースの厳しい道具への注釈文などに主に使われます。
ルールでは神聖語由来の名詞(神々の二つ名、聖遺物の名前など)について、
便宜上かこい文字つきの日本語(例:"牙の民"、『剣の国』など)で表記しています。

禁止特徴

種族固有・超人的特徴
以下の特徴は通常、種族固有の特徴です。
取得には相応のCP(20CP以上)の「特殊な背景」が必要です。
「見るもおぞましい」「怪物的」「究極」な容貌、
特に注釈のない「特殊的」「超常的」特徴、広視界:命中させられやすい、柔軟:二重間接、
消費が少ない、耐性、毒舌、食事制限(「慢性的消化障害」を認めるなら可)、TLが高い、
メンテナンスが必要、学習できない

文明レベルで存在しえない・世界的に意味がない特徴
以下の特徴は破片世界の一般的な地域で意味がない特徴です。
これらの特徴を取得することはできません。
限定:超能力の一部である、容貌:既成の外観、サイバネティクス、
重力対応力訓練、重力適応、宇宙酔い、恐怖症:超能力、時間酔い、重力変化に弱い

PCには不向きな特徴
通常の冒険を著しく妨げたり、キャラクター間でのやりとりを困難にしうる特徴です。
よほど慣れたGMでない限り、これらの特徴の取得は禁止しておいた方が無難でしょう。
「どん底」「大金持ち」「富豪」「大富豪」な財産、
幸運:ものすごい幸運、ゴマすり、達人の指導、
謎のアイテム、奴隷根性、一般の法で裁かれない、記憶喪失、誇大妄想、
サディスト、死の秒読み、奴隷根性、熱狂:狂信、バーサーク、弱い者いじめ

制限特徴
以下の特徴は取得自体は可能ですが、一部に制限があります。
GMはプレイスタイルに応じて、制限の緩和・解禁を行ってもかまいません。
暗算能力(暗算能力(1Lv)限定)、
気温の変化に強い(2Lv限定)、銃の達人(要達人の指導)、
追加攻撃回数(要達人の指導)、武器の達人(要達人の指導)、
消費が多い(1Lv限定)
精神・肉体的特徴の後取り

後取り可とある種族の特徴以外では、以下のもののみ後取り可能とする事を推奨します。
これ以外でもGMが訓練や経験により取得できると判断したものは後取を認めて構いません。
各副能力値、社会的特徴全般(しかるべき理由があれば)、暗視、痛みに強い、
鋭敏感覚、強化防御、常識、戦闘即応、両手利き


魔法
マナ密度
 破片世界の基本マナ密度は標準です。
呪文を使えるのは一部の素質をもつ魔術師(破片世界では『マスター』と呼ばれます)のみです。
 もちろん、一部には神々の時代の『密』なマナ濃度を保っている場所や、
祝福無き大地のように『疎』になってしまっているところもあるでしょう。
また『聖域』と呼ばれる神々の御所だった場所は例外なく『濃密』なマナが残留していることで知られています。

禁止・制限される呪文
 GURPS魔法大全で追加された呪文のうち、技術系呪文(と、その副系統)は破片世界には存在しません。
神々の時代に前提となる機械技術が発展しなかったためです。

 転送系呪文は神々の時代に失われた系統で、現在は修得者が見つかっていません。
これは完全な姿の神のみが使える呪文の系統だからとも言われています。
また呪文操作系呪文も同様に神々にしか使えない系統です。
後述の魔術師のうちカードマスターは呪文操作系を修得できず、呪文に必要なカードも存在しません。
(例外として他の系統に含まれている呪文操作系は修得できます)

破片世界の魔術師−カードマスター
 カードマスターは破片世界でもっとも一般的な魔術師です。
彼らの使うカードマジックは神々より授かった魔法のカードから呪文を引き出す一種の技術であり、
学ぶ機会さえあれば基本的に誰でも修得することができます。
カードマスターの魔法は「発動に媒体が必要な儀式魔法」として扱います。
儀式魔法についてはベーシックP.234(キャラクターP.234)を参照ください。

スペルカード
 カードマジックの種類とパワーは媒体となるカード……スペルカードに依存します。
カードマジックは儀式魔法ですので、カードさえあれば知らない呪文でもそれなりに使うことが出来ます。
言い方を変えれば、どんな優れたカードマスターもカードがなければ呪文は全く使えません!
 一枚のスペルカードには一種類の呪文が込められパワーレベルが決定されています。
カードマスターの呪文の技能Lvはカードの限界を超えられません。
これらの情報は普通カード表面に神聖語で表記され(敢えて虚偽の情報を書く事も可能です)、
抜き打ち時に間違えないよう、カードの縁にも切り欠けで呪文名を簡易表記しています。

一般的なスペルカード
 一般に世界に流通しているカードは神々の作ったオリジナル(オリジンと呼ばれます)の複製品です。
この通常のカードは使い捨てで、1回呪文を発動すると『燃え尽き』て消滅してしまいます。
(つまり発動判定に失敗した場合、カードは残ります。ファンブルの場合は失敗かつカードが消費されます)
パワーレベルは15〜20Lvのものが殆どで、それ以上のものは殆どありません。
これは希少性と市場原理に拠るものです。高位のカードは作っても使い手が殆どいないのです。

特殊なスペルカード『オリジン』
 神々の作ったオリジナルのカード、通称『オリジン』は何度でも無制限に使用することができ、
更にこれを複製して一般のスペルカードを作成することが出来ます。
オリジンは設定されたパワーレベルも高く最低でも25Lv、ものによっては30Lvに達するものさえ存在します。
 オリジンの発見はそのままカードマジックの発展に繋がるため、
工房はギルド員へと積極的な探索と回収を呼びかけています。

カードの購入
 通常のスペルカードはカードマスター達の運営するギルド『工房』で、管理・販売されています。
ギルド会員は通常のカードを「パワーレベル×パワーレベル÷10(端数切上げ)」Rinで購入できます。
 オリジンは超貴重品であり、ギルドで取引されることは普通ありません。
もし金で手に入れようとするなら一般のカードの100倍以上の価値がつくでしょう。
オリジンを『工房』に持ち込んだ場合、工房から謝礼が支払われます。
謝礼の相場は呪文の種類によりますが、だいたい「パワーレベル×パワーレベル×50」Rinです。

購入・所持に制限のあるカード
 呪文には犯罪目的で使用できるものも多くあります。
国の規制レベルにもよりますが、一般にギルド側は販売にあまり制限を設けていません。
ギルドの基本姿勢は『魔術の善悪は使うもの次第』であり、
悪事への使用を戒めつつもカードの使い道は会員に一任されています。
 ギルドが規制するのは一部の犯罪行為以外に使えないようなカード、効果が著しく社会倫理に反するカードだけです。
一般に以下の呪文のスペルカードはギルドでは取引・使用が禁止されています。
《欲求隠し》《感情隠し》《肉体支配》《憑依》《完全憑依》《肉体交換》
《死の幻影》《エネルギー奪取》《バイタリティ奪取》 《悪霊召喚》《死人使い》《死人奪取》《死人召喚》
《死人の群れ》《治癒力低下》《治癒力停止》《悪霊支配》《老化》《疫病》《内臓摘出》
《腐敗の死神》《魂の壷》《悪魔召喚》《(能力値)奪取》《技能奪取》《若さ奪取》《容貌奪取》
《死王》《死霊化》《エクスタシー》

特殊な扱いをするカード
以下のスペルカードは通常の呪文とは異なる扱い方をします。

呪文操作系
スペルカードも呪文も存在しません。
前提に呪文操作系が必ず必要な場合、呪文操作系の前提は無視してください。

魔化系
オリジンしか存在しません。使い捨てで、貼り付けた品物に設定された魔化呪文を施します。
もし(呪文に説明された)適切な品物以外に貼り付けた場合、効果は発揮されません。
魔化系だけでなく、他の呪文の魔化効果を施すものもあります。
 このオリジンは比較的発掘数が多く、在庫があれば工房で通常のカード同様に取引されています。
取引価格は魔化に必要エネルギー×50Rinです。

カードマジックの行使
 カードマジックを使うには、使用するカードを準備する必要があります。
このため、どんなに技能レベルが高くてもカードマジックは必ず手の動きが必要です。
カードの準備は「武器の準備」と同様に扱います。カードがカードホルダーに納められており、
抜き打ち用に加工されているなら《準備/カード》で即座に準備することも可能です。
複数のカードを束ね持ち呪文をかけようとするものもいると思いますが、これはきわめて危険な行為です!
複数枚のカードを一度に持って呪文を唱えようとした場合、
呪文の判定に余分なカードの枚数分だけマイナス修正がかかります。


破片世界の魔術師−ロウマスター
 ロウマスターは神の魂を一部を受け継ぎ、その力を行使できる魔術師です。
一般の世界でいう「神の代行者」「僧侶呪文」に相当しますが、
力の源はあくまで自分自身ですのでマナ濃度の影響を受けます。場の神聖性は関係しません。
多くのロウマスターは自分の宿す神の宗派に所属しますが、そうでないものも少なからず存在します。
破片世界で一般的な神と修得できる呪文については「神々と宗教」を参考にしてください。
破片世界の宗教,及び修得可能魔法について

 ロウマスターと一般的な「神の代行者」の決定的な違いは誓約の与えられ方です。
ロウマスターにとって誓約は守らなければならない約束でなく、無意識的な性格・本能の一部です。
呪文も力を強く欲した時、(CPがあれば)何となく頭の中に使い方が浮かんできます。
上記のように、ロウマスターの性格は宿している神の魂の影響を少なからず受けます。
これは特に高位のロウマスターほど顕著な傾向にあり、中には異常者としか見えないものさえいます!

後光
 『後光』(Halo)とはロウマスターが強力な力を使う際にみられる一種の幻影です。
この現象は「祝福」の恩恵を行使する時、強力な呪文(3Lv以上の素質が前提の呪文)を使う時に発生し、
ロウマスターの姿や衣装に、かつての神の姿の一部・あるいは全てが投影されます。

 後光は実効のない幻影ですが、それを見た人間にカリスマや畏怖を呼び起こします。
後光を発動させているロウマスターの反応判定には「ロウマスターの素質」Lvが加算されます。
またあまり親しくない人間なら、後光を発動させたロウマスターを別人と認識してしまうかもしれません。
後光の効果時間は呪文・祝福の持続中、および効果が切れてから約1分間です。

ロウマスターの堕落
 神の魂と融合しているロウマスターが素質を失うことは基本的にありません。
しかし本能を抑えて意図的に誓約に背きつづけた場合(GM判断)、
ロウマスターは二律背反の苦痛から逃れるため無意識に神の力を封じてしまうことがあります。
これは一般に『堕落』と呼ばれ、堕落したロウマスターは素質の一部もしくは全てが封印されます。
もしこれにより前提を満たせなくなった呪文があれば、その呪文も一緒に封じられます。
封印された素質は再び神の誓約(=本能)に従って行動するようになれば次第に(GM判断)回復します。

 一般に堕落の原因は知識と経験に拠る純粋さの喪失……現実への妥協であるとされます。
『理想ではないがしょうがない』『感情に沿って行動すると損をするし、やめておこう』
……このように、理屈で自分をごまかす行為が神の魂から目を背けさせるのだといいます。
事実、多くの強力なロウマスターは十代の少年少女に集中しており、
30歳を超えてピーク時の力を保っているロウマスターはきわめて稀な存在です。

神々と宗教

 破片世界の神々は、人間とよく似た感情をもつ人格神がほとんどです。
彼らは世界を創造した後、神同士の戦いによってほぼ完全に滅びてしまいました。
そのため、神の不在が明らかな破片世界の宗教は我々の世界ほど世間に強い影響力をもてず、
世間と隔絶して神の教えを見極めようとする求道・哲学的な地位にとどまっています。
これは現代日本の(カルトではない)宗教の立ち位置にとても近いものです。

 破片世界の聖職者は魔法使いではありません。教えを体現する手段として、
カードマジックを修得するものはいますが、神の力による魔法を行使できるのはロウマスターのみです。
破片世界の宗教,及び修得可能魔法について


組織

データ上は後援者の亜種として扱う、様々な恩恵を授かる事のできる組織です。
組織は「後援者」「情報屋」「使命」などをまとめたテンプレートとして扱います。
この「組織テンプレート」は種族テンプレート同様、基本的にそのまま購入しなければなりません。
(「後援者」「情報屋」など社会的有利な特徴の頻度を上昇させることはできます)
組織テンプレートによる不利な特徴はキャラクターの不利な特徴の制限に含みません。

各神の宗派(特殊)
 神が滅びた後もその教えを研究し、生き方を追求しようとする信奉者の集まりが宗派です。
宗派は一つの神に対し、教えの捕え方によって複数存在する事もあり、
それぞれが独立した体裁をもち、最高司祭を中心とした組織を形作っています。
現代のカトリックとプロテスタントや、仏教の様々な宗派を想像すればわかりやすいでしょう。

 「聖職者」にCPを払ったものはいずれかの神の宗派に所属している事になります。
(宗派が重要となるキャンペーンでなければ、「ある神のごく一般的な宗派」で構わないでしょう)
聖職者は同じ宗派の人間に+2、友好的な宗派に+1、敵対的な宗派には−4の反応修正を得ます。

独自の技能
各神の宗派に所属するキャラクターは《宗教儀式》《除霊》《話術》を修得できます。

宗派組織での階級レベル
0〜1:神官〜侍祭(村、小さな町規模の責任者)
2〜4:司祭(街規模の責任者、あるいは司祭の補佐役。数名の神官が部下につきます)
5〜7:高司祭(大きな街、国規模の責任者。十名以上の司祭、神官が部下につきます)
8〜 :最高司祭(その宗派における最高指導者。マイナーな宗派では高司祭が兼任することも多いでしょう)

冒険者間ネットワーク(0CP)
特に組織として構成されているわけではない、冒険者同士の横の連帯です。
規則など明文化はされていませんが緩い繋がりをもち、不文律を守る限りで互いに協力し助け合っています。
冒険者達には大抵一つの街に一箇所、大きい所では数箇所「冒険者の店」と呼ばれる溜まり場が存在します。
溜まり場の形は宿屋やレストランから、公園のような屋外まで地域と規模ごとの特色があらわれており、
形式もいくつかの固定チームが屯している所から、フリーのメンバーが仕事毎に人を選んで、
その都度チームを組む所まで様々なものがあります。
組織テンプレート
仲間:小グループ:頻度まれ(3D=6以下)(5CP)
情報屋15Lv:大体信頼できる:頻度時々(3D=9以下)(2CP)
使命:時々。場合によっては断る事もできる(-2CP)
義務感:他の冒険者(-5CP)
冒険者同士での反応修正+2(※義務感による副次効果)

冒険者間ネットワークでの階級レベル
冒険者ネットワークは厳密な意味での組織ではないため、階級は存在しません。

盗賊ギルド(15CP)
世界の陰の部分を支配するとも言われる盗賊間のネットワークです。
通常は大きな街に本部を持ち、周辺地域に支部を構えています。
組織はがっちりと構成されており、構成員への保護は手厚いものの同時に様々な義務も課せられます。
イメージとしては現実の犯罪組織が近いものとなるでしょう。
組織テンプレート
後援者:かなりの力を持つ組織:時々(15CP)
情報屋グループ:ストリート15Lv:大体信頼できる:頻度普通(10CP)(※1)
ギルドの掟(-10CP)

ギルドの掟
※ギルドの掟はPCが自発的に抱く「誓い」や「義務感」ではなく、組織から与えられる規約です。
・所属時に一定額、及び盗賊の仕事(※2)を行った際はその1割を上納金を収めること。
・保護料を納めている商家・同業者への盗みは厳禁。
・ギルドに所属しない「はぐれもの」盗賊の犯罪行為を許してはならない。
・脱退は困難(特に上層部)。最低でも1000Rin以上の脱退金が必要。
・(滅多に下されることはないが)上層部からの命令・指示は絶対。
・掟破りへの対処は基本的に死、もしくはそれに匹敵する厳罰が下される。

※1)同僚からの情報、ギルド内での噂話など"無料の情報網"をあらわします。
実際に情報売買を行う情報屋の利用には別途費用(最低100Rin〜)がかかります。
どちらも非ギルド所属者の利用は不可能か、かなり割高の価格(数倍)となります。

※2)どこまでを「盗賊の仕事」に含むかはGM次第です。
普段の小さな仕事まで厳しく判断する必要はないでしょう。
逆に大きな稼ぎがあった場合は内容に関わらず、難癖をつけられ無理やり徴収されることもあります。

盗賊ギルドでの階級レベル
0〜1:一般構成員(市井で活動する一般的な盗賊。ギルド運営に関わることはまずない)
2〜4:ギルド幹部(ギルドを直接運営する管理職。分野ごとに一般構成員数名〜数十名の部下がつく)
5〜 :ギルドマスター(ギルド内の最高権力者。幹部の人事やギルドの方向性決定を行う)

傭兵ギルド"正義の剣"(10CP)
牙の民の王国『昼の国』に本部を置く半民半官の傭兵派遣組織です。
上層部のほとんどは牙の民が占めていますが、一般構成員には他種族も多く在籍しています。
彼らは通常の傭兵と一線を隔した高い戦闘力とモラルをもった部隊として、
「紛争の火消屋」「悪の処刑人」などの異名と共に各地で畏れられています。
組織テンプレート
後援者:非常に強力な組織、ただし最低限の援助(-50%):時々(15CP)
装備の支給:任務で必要と判断された物のみ。任務以外では使えない(0CP)
情報屋グループ:軍事組織15Lv:だいたい信頼できる:頻度普通(10CP)
"正義の剣"の掟(-10CP)
組織からの使命:ときどき(-5CP)

"正義の剣"の掟
※"正義の剣"の掟はPCが自発的に抱く「誓い」や「義務感」ではなく、組織から与えられる規約です。
・力をもたない一般市民への暴力禁止。暴徒鎮圧など止む無き場合も最低限で済ませること。
・降伏した相手への虐待・略奪の禁止。捕虜は人道的に取り扱い、必要以上の拷問を行ってはならない。
・正義と部隊(支部)に忠誠を近い、誇りと共に"正義の剣"の隊章を身につけること。
・規約を侵した者は軍法会議により、状況と罪状に沿った処分が行われる。
(平時の脱柵・同僚への暴力行為(喧嘩)で訓戒(始末書)・謹慎〜上官暴行で不名誉除隊など。
非戦闘員への暴力行為や捕虜虐待・敵前逃亡は重罪とされ、死刑もある)

組織での階級レベル
0:見習〜一般構成員
1〜2:部隊長(十牙長と呼ばれます)
3〜4:支部長(百牙長。小さな国では本部長を兼ねる事もあります)
5〜7:本部長(千牙長。国単位の本部を統括する人間で前線には殆ど出ません)
※支部長(百牙長)以上の階級には通常、牙の民しかつけません。

暗殺者ギルド"貞淑な愛人たち"(15CP)
カーミラの国『夜の国』の裏の顔ともいえる秘密結社です。カーミラ以外の種族は基本的に所属できません。
世間には高級娼館や酒場としての顔を保ちつつ、裏で護衛や暗殺者を愛人として有力者に提供しています。
彼女らは『依頼者を騙さない』『決して手を抜かない』という二つの公約を掲げており、
依頼さえあれば自らが護衛を派遣した貴族への暗殺者派遣も請負います。
構成員も同志相手でもまったく容赦の無い殺し合いを行う無情さで知られています。
盗賊ギルドとは互いに不干渉の立場をとっていますが、あまり仲はよくありません。
組織テンプレート
CP内訳…後援者:とても強力な組織、ただし最低限の援助(-50%):時々(10CP)
装備の支給:任務で必要と判断された物のみ。任務以外では使えない(0CP)
情報屋グループ:上流階級15Lv:だいたい信頼できる:頻度普通(10CP)
淑女の掟(-5CP)

淑女の掟
※淑女の掟はPCが自発的に抱く「誓い」や「義務感」ではなく、組織から与えられる規約です。
・脱退は極めて困難。通常の手段での足抜けはほぼ不可能。
・上層部からの命令・指示は絶対。基本的に組織の手足として働くことになる。
・掟破りへの対処は基本的に死、もしくはそれに匹敵する厳罰が下される。

組織での階級レベル
0〜1:一般構成員(基本的に階級は護衛>暗殺者です)
2〜3:支配人(一つのギルド支部における総責任者。女主人(ミストレス)とも呼ばれます)
4〜 :支部長(国単位の本部を統括する人間です。技術より指導力・政治力が重視されます)

独自の技能
"貞淑な愛人たち"に所属するキャラクターは《洗脳/TL3》を修得できます。
また一部には「達人の指導」「武器の達人」やそれを前提とした技能を修得した、
文字通り"常人離れした"暗殺者も存在すると噂されます。

技能

禁止・制限のある技能

世界的に意味がない技能
以下の技能は破片世界の一般的な地域で意味がない技能です。
破片世界には存在せず、修得することもできません。
《宇宙船乗員/TL》《宇宙服》《航法/宇宙》《航法/超空間》
《天文学/TL》(《天文学/天体観測》を除く)
→(宇宙という概念がありません)

《儀式魔法》
→カードマジック系の技能が相当する技能になります)

《古生物学》
→(化石という概念がありません)

文明レベルで存在しえない技能
以下の特徴は破片世界の一般的な文明レベル(TL3)で存在しない技能です。
不毛の民のように「高テクノロジー」をもつ種族・地域では修得可能な技能もあります。
(この表はあなたが破片世界の文明レベルで、ある技能が存在するか迷ったときのための目安です。
ごく普通にキャラクターを作ろうとしているとき、この表はあまり意識する必要はありません)
《医師/TL》、《運転/TL》、
《エンジニア/TL》の専門化のうち「建築、材料、探鉱、TL3の乗り物」以外、
《環境スーツ/TL》、《間接砲撃》の専門化のうち「砲、カタパルト」以外、
《コンピュータ操作/TL》、《コンピュータ・ハッキング/TL》、《コンピュータ・プログラミング/TL》
《自転車》、《写真撮影/TL》、《銃器/TL》、《生物学/TL》、《生物工学/TL》、《潜水艦/TL》
《操縦/TL》、《操船/TL》の専門化のうち「船舶」以外
《装備潜水/TL》、《タイピング》、《地質学》、《電気技師/TL》、
《電子機器修理/TL》、《電子機器操作/TL》
《乗組員/TL》の専門化のうち「船員/TL」以外、
《爆発物/TL》、《白兵戦》のうち武器がTL3時点で存在しない技能、
《パラシュート》、《ビーム兵器/TL》、
《武具屋/TL》の専門化のうち「ボディアーマー、重兵器、白兵武器、長射程武器」以外
《砲手/TL》の専門化のうち「カタパルト」以外、
《ボート/TL》の専門化のうち「手漕ぎボート」以外、
《無重力》、《メカニック/TL》

修得に制限のある技能
破片世界では一般的ではない、一部の種族や組織に所属するもののみが修得できる技能です。
特殊な背景や組織、種族にCPを支払っていない「一般的なキャラクター」はこれらを修得できません。
前提に「達人の指導」「武器の達人」を含む技能・テクニック全て、
解説に「マンガ的」と明記されている技能・テクニック全て、
《宗教儀式》、《除霊》、《洗脳/TL》、《草木秘伝》、《秘伝》、
《魔法シンボル》、《瞑想》、《夢見》、《話術》

変更・注釈のある技能

怪科学
多くのキャラクターにとって基準となる文明レベルはTL3ということに注意してください。
あなたの思いついた画期的発明は先進的な種族が既に通った道かもしれません!

貨幣偽造/TL
多くのマジックアイテム同様、神が創った「本物のRinコイン」は偽造できません。
「本物のRinコイン」は現在では再現できない技術で創られており、それ故に重宝されるのです。

射撃受け
使用する武器、または《格闘》《空手》《ボクシング》ごとに専門化してください。
そして専門化された技能を前提条件に追加します。
また受けへの修正に「射撃呪文」を追加します。修正は矢・クロスボウと同じですが、
魔法の武器を使用しなければ受けることができません。

神秘学
この世界は魔法が実在しますので、魔術系技能でもあります。
ベーシックにある用途の他、悪魔や魔法生物などの「魔法的なモンスター」の判別に使用できます。

準備(種別)
準備可能な武器に「ブリット(スリングやプロッドの弾丸)」を追加します。
GMは片手→両手への持ち替えや、距離変更の準備もこの技能で短縮できるとしても構いません。

準備(弾薬)/TL
この技能は基本的に拳銃用です。ライフル銃の再装填には使えません。

考古学
この世界では神々の時代の文明に関する知識に相当します。
判定に成功すれば断片的な歴史や、大陸が一つだった頃の地理を推測できます。

除霊
ロウマスターであれば不利な修正はうけません。
(結果としてこの技能はほぼロウマスター専用技能です)

伝統療法
《医師/TL》が存在しない多くの地域で医療にはこの技能が使われています。
破片世界で《伝統療法》といった場合、一般に神話時代の医療知識の断片を意味します。
破片世界の《伝統療法》は基本的に《医師/TL》と同じ扱いですが、
(《手術》の前提や治癒呪文の特典を得ることもできます)
《伝統療法》はあくまで理論抜きに教えられた事が伝えられているだけです。
《医師》技能がマイナス修正を受けるような特殊な状況や未知の事象の推察には全く使用できません。

魔法理論
技能は存在しますが、未成熟で断片的な知識です。
「カードマスターの技術」「ロウマスターの素質」など破片世界の一般的な魔法の素質は、
技能へのボーナスとして加算できません。また呪文効果の推測以上には使用できません。

話術
ロウマスターは前提の特徴・技能を無視して修得できます。
解説文中の「カリスマ」は「ロウマスターの素質」と読み替えてください。
更に『後光』が発生していれば《演説》の判定を行わなくても、
自動的に『後光』の反応修正と同じ修正を加えて《話術》判定を行えます。

追加技能

スペルカード 知力/至難 技能無し値:なし 前提:「カードマスターの技術」
スペルカードを正しく使用するための知識です。
他の呪文同様、「カードマスターの技術」レベルを知力に加えることが出来ます。
儀式魔法の中核技能にあたり、カードマジック/呪文系統の前提になります。
詳しくはベーシックP.234(キャラクターP.234)の儀式魔法のルールを参照ください。

カードマジック/呪文系統 知力/至難 技能無し値:スペルカード−6 前提:スペルカード
ある系統の呪文の基本知識です。カードマジック呪文における《魔法系統》にあたり、
個々の呪文はこの技能を基準とした修得難度「難」のテクニックとして修得します。
この技能は前提となる技能の技能レベルを超えて成長させられません。
修得の際「カードマスターの技術」レベルを知力に加えることが出来ます。

カード複製 知力/並 技能無し値:スペルカード−5 前提:スペルカード
原本のカードを元にスペルカードを複製するための技能です。
スペルカードの複製には専用の台紙(ブランクカードと呼ばれます)と薬品が必要です。
材料は工房で購入することができます。台紙は10枚で100Rin、薬品は10枚分で100Rinです。
台紙を薬品でしかるべき加工をした後に原本の上に重ね置くと原本から効果がコピーされます。
《カード複製》の判定に成功すると、台紙はパワーレベル1のスペルカードになります。
以降、1時間ごとに台本のパワーレベルは1ずつ上昇していき、
最大で『原本のスペルカードのパワーレベル-1』まで上昇します。
一度作ったスペルカードに再度カードからパワーを加えることは出来ません。
 《カード複製》判定に失敗した場合、カードは複製できず材料は無駄に消費されます。
ファンブルの場合、原本のカードまで失われてしまいます!(オリジンのカードは破壊されません)

準備(スペルカード) 敏捷力/易 技能無し値:なし
望んだスペルカードを専用のカードホルダーから速やかに準備する技能です。
技能判定に成功すればカードホルダーから望んだカードを即座に準備できます。
失敗するとあなたは通常通りカードを準備します。
ファンブルの場合、カードホルダーを落としてしまい納めていたカードを撒き散らしてしまいます。
修正:抜き打ち用の切り欠きを入れたカード以外が2枚以上混ざっている場合、−4。

テクニック

 破片世界では主に「リアル」キャンペーン用のデータを使用します。
格闘動作は大きく分けて「誰でも修得できる一般的なもの」
「種族や組織などに制限される特殊なもの」の二つに分かれます。
ベーシック掲載のテクニック例は全て「誰でも修得できる一般的なもの」です。

破片世界で戦闘用テクニックを学ぶ者たち
破片世界で特に戦闘用テクニック……特に素手戦闘に長じたものたちとして、
以下のような信仰・組織が存在します。
現在、所属することによるメリットはないため特にCPは必要ありません。
より詳しい格闘動作はGURPS第4版の『マーシャルアーツ』をお待ちください。

"駆け巡る獣"の原理主義者たち
"ドルイド"とも呼ばれる、"駆け巡る獣"の宗派のうち、エルフ派の教えをより突き詰めた人々です。
普段は動物のように森や草原を縄張りとして、原始共産的な生活共同体を作って生活しています。
信奉者はエルフがほとんどですが、稀に人間やその他の種族の信奉者も存在します。
 彼らは人の作る道具さえ不自然であるとして必要最低限の衣服・道具以外を使わず
それに変わる自衛・狩猟の手段として徒手空拳での戦いを学んでいます。
この宗派テクニックは動物の動きや自然現象を型に取り入れた独特のものです。

真派
真派は特定の神を信奉しない特殊な宗派です。
この宗派は神の教えを追うのではなく、心身を鍛えることで神に近づくことを最大の目的としています。
彼らのイメージは我々の世界でいう『少林寺クンフー』の修行僧が最も近いでしょう。
彼らの戦闘術は素手や武器を選ばない極めて幅広いものです。
 宗教的な儀式などは存在しませんが、説法を行う際など好んで使われるポーズに
『人指し指を掲げ、まっすぐに天を指す』というものがあります。

"留まらぬ駿脚"の信奉者たち
"留まらぬ駿脚"の信奉者たちの中で、特に旅芸人を兼業する伝道者たちも素手戦闘の技術に長じています。
この流派はできる限り荷物にならない自衛の手段として生まれたもので、
踊りの動作を取り入れた格闘術や、杖術など旅の道具や商売道具が武術の中に取り入れられています。
 また戦闘術以外で「効果的な脅かし方」「上手な逃げ方」なども教えており、
戦いを避けること、厄介ごとを起こさないことも重視されています。

装備

装備表は古代・中世のものを使用します。マジックアイテムや追加装備については下記を参照ください。
なお、この世界で最上質装備を作れるのはドワーフか不毛の民の僅かな職人のみです。
これらは貴重品であり、通常購入できません。

高TL装備の購入
不毛の民を始めとした高TL種族向けの装備は、破片世界の一般的な地域では希少かつ高価な品物です。
一般的な地域での高TL装備の価格はキャラクター作成時同様、必要TL1高くなるごとに2倍の価格になります。
(TL5のリボルバーであれば、150*2*2=600Rinです。弾丸一セットも同様に5*2*2=20Rinになります)
一般的に大きめの街(小国の首都〜大国の地方都市)であれば、TL5相当の装備は不毛の民から購入できます。
TL5を超える装備の購入可否は種族ごとに定められた設定を参考にGMが決定してください。

銃器の規制
不毛の民の使う銃器の中でも特に強力な後装式の小銃は、保安のために多くの地域で所持が制限されています。
カートリッジ・ライフル、レバーアクション・カービンは合法レベルを−1してください。

追加装備

ハーフドスタッフ
バトンと杖の中間にあたる、片手でも両手でも使用できるスタッフです。
片手時は《ショートソード》技能で、両手時は《杖》技能で扱います。
武器名攻撃型致傷力長さ受け価格重量必要体力
ハーフドスタッフ(片手)叩き振り+2U30Rin1.5kg7
叩き突き+11・2
ハーフドスタッフ(両手)叩き振り+11・2+230Rin1.5kg6
叩き突き+21・2

ブレードウィップ
純戦闘用の極細ワイヤー製鞭です。1〜2mの短めのものは隠蔽しやすく暗殺者がよく用います。
通常の鞭と違い、四肢へのダメージで物を落とさせる事や、
しならせてダメージを増やすような使い方はできません。
代わりに相手に絡みつかせ、締め上げる事で毎ターン「突き/切り」ダメージを与えつづける事ができます。
この締め付けダメージについての扱いはワイヤー絞首具と同様に扱ってください。
この武器は非常に取りまわしにくく「武器を落とす」ファンブルは自分か近くの味方を攻撃することになります。
この武器は《絞首具》技能に-1修正を受けることでワイヤー絞首具として使用することもできます。
武器名攻撃型致傷力長さ受け価格重量必要体力
ブレードウィップ切り振り−11〜7−2150Rin/m1.0kg/m9最大致傷1D+2、
鞭の特殊ルールを適用

スペルカード 価格特殊 0.01kg
カードマジックに使用する名刺大の大きさの魔法のカードです。
使い方や価格は「破片世界の魔術師−カードマスター 」を参照してください

カードホルダー 100Rin(ホルスター型)/200Rin(ポケット型) 0.5kg(ホルスター型)/軽い(ポケット型)
スペルカードをすばやく準備できるように工夫が施された専用のカードケースです。
ベルトを介して腰に取り付けて使うホルスター型のホルダーには最大20枚までカードを収納できます。
ポケット型は衣服に縫い込んだり、ベルトで手足に固定して使える小型のホルダーで、
最大5枚までのカードを収納しておくことができます。

ポケット型ホルダーは武器や盾に機能を組み込むことも可能です。
組み込めるのはデータを持つ武器・盾のみで、ブラスナックル等には追加できません。
武具一体型ホルダーを取り付けた武器は扱いにくいため、
武器・盾としての使用にも、スペルカードの準備にも技能に-1修正があります。
また装着した武器・防具が壊れた場合、一体型ホルダーも一緒に破壊されてしまいます。

スピードローダー 50Rin(200Rin) 0.5kg(弾丸の重量除く)
クイックローダーとも呼ばれます。
弾倉の形に弾丸を束ねる機器で、リボルバー拳銃の弾丸を一気に装填できます。
スピードローダーを用いてリボルバー拳銃に弾丸を装填する場合、
3秒(シリンダー開放&排莢1秒、装填1秒、シリンダー収納1秒)で全弾を装填できます。
この道具はTL5のものです。破片世界の一般的な地域では、
価格にTL修正が加わる(括弧内の価格になる)ことに注意してください。

黒色火薬 30Rin/1kgあたり
弾丸や爆弾に加工する前の黒色火薬です。主にデモリションや罠用途で使われます。
爆破や罠に使用する場合、《爆発物:爆破》判定に成功すれば適切な設置を行うことができます。
詳しいルールはベーシックP.393(キャンペーンP.73)やHigh-Tech(未訳)をあたってください)

黒色火薬は暴発しやすい非常に危険な爆薬です。
爆破の準備や移動中、強い衝撃を受けたりや火気が近づけられた場合、
管理者が《爆発物:爆破》判定に失敗すると1/2の確率で爆発します!
暴発した黒色火薬は1kgあたり1Dダメージの爆発ダメージを周囲に与えます。

黒色火薬は湿気に弱く、雨天下や湿度の高い環境では使用できません。

全身鎧
 全身鎧はGURPSベーシックに掲載されている部分鎧から、
冒険者がよく使う組み合わせを抜粋したものです。データは通常の部分鎧と変わりありません。
全身鎧を購入後、一部の組み合わせだけを後から変更することももちろん可能です。

クロース 防護点1(首、顔、目は0) 150Rin 6kg
胴体、鼠径部:クロース・アーマー
腕:レザー・スリーブ
脚:レザー・レギンス
頭蓋骨:クロース・キャップ
手:布グローブ
足:シューズ

ライトレザー 防護点1(顔・首・目は0) 165Rin 4.75kg
腕、胴体:レザー・ジャケット
脚、鼠径部:レザー・ズボン
頭蓋骨:レザー・キャップ
手:布グローブ
足:シューズ

ヘビーレザー 防護点2(首・目は0) 300Rin 9.25kg
胴体、鼠径部:レザー・アーマー
腕:ヘビー・レザー・スリーブ
脚:ヘビー・レザー・レギンス
頭蓋骨、顔:レザー・ヘルム
手:皮グローブ
足:ブーツ

チェイン 防護点4(顔・目は0、手足以外は対叩き時の防護点2) 715Rin 31kg
胴体、鼠径部:鎖かたびら
腕:チェイン・スリーブ
脚:チェイン・レギンス
頭蓋骨、首:チェイン・コイフ
手:ゴーントレット
足:ソラレット

スケイル 防護点4(首・目は0) 1280Rin 42.5kg
胴体、鼠径部:スケイル・アーマー
腕:スケイル・スリーブ
脚:スケイル・レギンス
頭蓋骨、顔:ローマ兵ヘルメット
手:ゴーントレット
足:ソラレット

ライトプレート 防護点6(首・目は0、手は5、足は4) 3940Rin 44.75kg
胴体、鼠径部:鋼鉄製コースレット
腕:腕用プレート
脚:脚用プレート
頭蓋骨、顔:バレルヘルム
手:ヘビー・ゴーントレット
足:ソラレット

ヘビープレート 防護点7(目は0、手は5、足は4) 6140Rin 54.25kg
胴体、鼠径部:鋼鉄製ヘビー・コースレット
腕:腕用ヘビー・プレート
脚:脚用ヘビー・プレート
頭蓋骨、顔、首:グレートヘルム
手:ヘビー・ゴーントレット
足:ソラレット

一般装備セット
 一般装備から冒険者がよく使う組み合わせを抜粋したものです。
個々の道具の詳細はベーシックP.278(キャラクターP.278)を参照してください。

冒険者セット 135Rin 7.25kg
小型リュックサック(1.5kg)
毛布(2kg)
個人用キャンプ道具(0.5kg)
ロープ(0.975径)×10m(0.75kg)
たいまつ×3(1.5kg)
ダガー(0.125kg)
ワイン入れ皮袋(0.125kg)
保存食×3(0.75kg)

盗賊追加セット +120Rin 5.25kg
小袋×2
鍵開け器
登山道具(2kg)
鉄釘(ハーケン)×3(0.75kg)
ランタン(1kg)
陶器の瓶(0.5kg)
油×1リットル(1kg)

マジックアイテム
 この世界でマジックアイテムを作成できるのは既に滅びた神か、
その力を受け継ぐ一部の強力なロウマスターだけです。
必然的にマジックアイテムは希少・高価な装備となっています。
マジックアイテムの価格は魔化EN1点あたり50Rinからそれ以上で、
一般的な店では売買自体がほとんど行われていません。

霊薬と錬金術
 他の魔具ほどではありませんが、霊薬もまた希少な存在です。
製造・販売は神話時代の製法を受け継ぐ「錬金術組合」(秘密結社ではありません)が専売的に行っており、
「魔法が希少な世界の価格」でのみ購入できます。組合のない地方都市などでは購入できません。
「敵対的」「魔法能力」「精神制御系」及び《盗み》《交配》《睡眠》《死王作成》は違法であり、
しかるべき機関(司法機関、犯罪組織)に所属する人間以外は購入できません。
また《ドラゴン殺し》は材料の関係で殆ど入手不可能でしょう。

聖遺物
 神々の時代に作られた魔法の品物のうち、
神々が使用したもの、神の身体の一部に由来するものを特に『聖遺物』と呼びます。
聖遺物の多くは現在残っている魔法から大きくかけ離れた強力な力を持ち、
またその権威から多くの国家・組織が探索・保護を行っています。
聖遺物は自ら持ち主を選ぶともされ、所有者は神の遺志に選ばれた英雄と持て囃されるでしょう。
→一般に知られている聖遺物リスト

モンスター

モンスターとは
破片世界で「モンスター」といった場合、神々の戦いの際、呪いで姿を変えられた人や動植物の事です。
モンスターは元の種族に偏執的なまでの敵意を抱き、常にその力を破壊と殺戮のみに使います。
あらゆるモンスターは邪悪な存在であり絶対的悪です。モンスターにあらゆる特徴の制限は適用されません。
「平和愛好:専守防衛」の人間もモンスターへは先制攻撃を行えますし、"正義の剣"の掟の対象にもなりません。

「魔法の武器」に関して
モンスターの中には魔法以外の攻撃を無効化する能力をもつものも多くいます。
こういったモンスターは普通の武器で攻撃しても即座に再生されたり力場に弾かれたりしてダメージ与えられません。
「魔法による攻撃」とされるのは以下のものです。
これ以外で、特に魔法的なモンスターの中には「魔法による攻撃」を行えるものもいます。
  1.あらゆる射撃呪文(《石弾》などの実体をぶつけるものも含みます)
  2.《死の手》など直接ダメージ呪文(《火炎》等は維持されている間のみ魔法による攻撃とみなします)
  3.噴射系呪文
  4.魔法の武器(《鋭さ》《確かさ》など武器魔化呪文の魔化された武器)
  5.銀製の武器(ベーシックP.265欄外参照)
  6.《氷結武器》などダメージを増やす呪文のかかった武器
  7.その他GMの認めた魔力ある攻撃(迷った場合「魔法の効果が直接危害を加えるのか」を判断基準としてください)

なお魔法による攻撃であっても、モンスターによっては他の要因で無効化されることもあります。
例えばゴーストや霧の魔物のように非実体のモンスターは実体系の射撃呪文をすり抜けますし、
炎を力とするモンスターに火炎系の攻撃は一切通用しないでしょう。

モンスター図鑑
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