ここでは多くの大陸で一般的な、力ある神を紹介しています。
GMは望むならこれらに新たな神々を加えたり、神々の確認されていない大陸、
あるいは同じ神を崇めながらまったく違う戒律をもった宗派も存在するでしょう。
宗派に関しての注釈
共通神聖呪文
殆どの神のロウマスターが共通して修得できる呪文のリストです。
神々の解説で注釈があるものを除き、ロウマスターは以下の呪文を自由に修得できます。
呪文名に「※」がついているものは破片世界独自の呪文です。下欄にて解説をしています。
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- 素質1Lvの共通呪文
- 治癒系、呪文操作系より素質必要なし〜素質1Lvで前提を満たせる呪文
知識系=《魔法感知》
光/闇系=《光》《持続光》
死霊系=《霊魂感知》
素質2Lvの共通呪文- 治癒系、呪文操作系より素質必要なし〜素質2Lvで前提を満たせる呪文
知識系=《霊気感知》
死霊系=《死人返し》《神聖武器※》
素質3Lvの共通呪文- 治癒系、呪文操作系より全ての呪文
治癒系=《集団治癒※》
死霊系=《死霊駆除※》
《集団治癒》(Mass Healing 治癒系 難度:至難) 範囲- 広い範囲に《小治癒》をかけます。範囲内にいれば敵の生命力も回復させてしまう事に注意してください。
同じ目標への連続施行による修正・自身の負傷治癒の修正は範囲内の目標で最大のものを適用します。
(例:1回かけた人、初めての人、5点負傷した自身の3人にかける場合、最も大きい負傷による修正が目標値にかかります)
この呪文の連続施行修正は《小治癒》のものと共有です。《医師》の効果も《小治癒》に同じです。
持続:永久
消費:基本消費2〜6(回復する生命力は基本消費エネルギーの半分、最低直径3ヘクス)
準備:2秒
《神聖武器》(Sacred Wepon 死霊系) 通常- 武器に聖なるオーラを付与します。
持ち主や武器に害はなく、防護点を貫いた場合相手に与える+2されます。
また呪文のかかった武器は「魔法の武器」となります。
相手がアンデットやモンスターなど「邪悪」な存在の場合、このダメージは2倍以上になります。
ダメージの計算が終わった時点でこのダメージボーナスは加えてください。
持続:1分
消費:3・2
《死霊駆除》(Dispel Undead 死霊系) 範囲/生命力で抵抗- 範囲内のアンデッド全てにダメージを与え、その動きを封じます。
抵抗に失敗したアンデッドは2Dのダメージをうけ、肉体的朦朧に陥ります。
(この効果はダメージなどで朦朧としない目標にも有効です)
抵抗された場合、1Dダメージのみを与えます。
消費:基本消費3・維持は不可
準備:3秒
「法の神」牙の主
牙の民の創造主として知られる秩序と法の神です。
法を現すローブ(あるいは鎧)と、審判の杖を手にした姿で描かれます。
法という概念を人類に与えた神で、多くの大陸に彼より授けられた王権を主張する王国します。
(誤解されがちですが、牙の主は具体的な法を定めていません。法のあり方を示しただけです)
世界創造の主神であり、神話では"あまねく剣の支配者"と共に主人公役として語られます。
神々の戦いでは光の軍勢を率いて邪神を迎え撃つが"貪り食らう風"と相打ちになり果てたとされます。
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- 教義
- 「世界は法に拠って動かねばならない」
「法は世界の利益を平等に分配し、万人に権利と義務を平等に与えねばならない」
「誤った法、世界に則さぬ法は正されねばならず、それもまた法によって行われねばならない」
修得可能呪文
- 素質1Lvの呪文
- 知識系、天候系、防御/警戒系の3系統より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 知識系、天候系、防御/警戒系の3系統より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lvの呪文- 知識系、天候系、防御/警戒系の3系統の全ての呪文
《承認※》、《犯罪感知※》
《承認》(Consensus 呪文操作系 難度:至難) 通常- 目標の行動を牙の主の名の下に承認し、祝福を与えます。
祝福された目標は目的を達成するための行動に関して、判定の出目を1つ良い方にずらせるようになります。
目標は目的を術者にわかるように告げる必要があり、術者がそれを違法でないと認識していなければなりません。
この呪文は一度に一人に対してしか使用できません。また《祝福》と《承認》を重ねがけすることはできません。
持続:目的が達成されるまで
消費:詠唱10・維持は不可
準備:1時間
《犯罪感知》(Sense Crime 知識系) 情報/意志力で抵抗- 目標が術者の知っている法律に反しているかどうかがわかります。
1.目標はこの5分間に法を犯したか
2.目標が最後に行った行為は法に反しているか
このどちらかを選択して呪文をかけます。
目標が法に反していた場合、どの法に反しているかも知ることができます。
目標に触れていなければ、通常呪文と同じように距離による修正を受けます。
この呪文は判定に用いる法典が必要です。術者の記憶に頼って呪文をかけることもできますが、
その場合、呪文の判定前に用いる《法律/種別》で判定を行ってください。
失敗すると誤って覚えた法律を元に呪文は判断を下します!
消費:3
魔化:法典(一般には書物)。
法典に定められた法律しか用いれないが、術者が法律を覚えている必要はない。
目標が法に反していた場合、法典の対象箇所が指し示される。必要エネルギー500
宗派としての"牙の主"- その教えが支配階級に都合がいいため、破片世界では珍しく国家と密接な関係をもっています。
多くの王国は自国の法が"牙の主"の命に則って作られたものであるとし、
王家の人間は"牙の主"より立法を任された『選ばれた存在』であるとして権威を保っています。
これにより宗派は世界に広く知られていますが、国自体が自分らに都合のいい宗派を作ったり、
教団の側が国におもねる態度を取るような弊害も一部で生み出しています。
最近ではこれを由とせず教義を研究し、理想の政治体制や法律を考えようとする思索派も生まれています。
一般的な"牙の主"宗派の戒律- 「一度約束した契約を違えてはならない」
「人々に与えられた役割は絶対であり、最善をつくす義務がある」
「執政者は最大多数の幸福を追求する義務と、そのための立法を行う権限をもつ」
代表的な聖遺物
牙の剣- "牙の主"が法を護る戦士に与えたとされる強力な破邪の力を秘めた聖剣です。
神の武器であり従神でもある審判の杖を素材に作られたとされ、自ら使い手を選ぶといいます。
神話では複数本が登場し、うち両手剣型の一本は『昼の国』の王家が所有していることで知られています。
→聖遺物『牙の剣』
律法の璽符(じふ)- "牙の主"が自らの選んだ王に対して与えた、法を律するものの証です。
神に選ばれたという王家はこれであるとされるメダルや王錫を所有していますが、
実際に璽符がどのようなものであるのかは定かでなく、それらの真偽も不明です。
一説には牙の剣同様に自ら持ち主を選ぶ意志をもつといいますが……?
→聖遺物『律法の璽符(じふ)』
「戦神」あまねく剣の支配者
戦士たちに多く信仰される戦いの神。"牙の主"のライバルとも言われています。
戦いへの覚悟と重要性を説き、勝利のための努力を是としています。
神話では勇壮な討伐譚の主人公として多く書かれ、多くの邪神を屠り力尽きる最後が特に有名ですが、
その一方で"触れる事能わぬもの"や"留まらぬ駿脚"に振り回される狂言回し役を演じる一面もあります。
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- 教義
- 「生き残るには勝ち残らねばならぬ。勝ち残るには生き残らなければならぬ」
「感情は理由であって戦技に在らず」
「立ち向かえ!」
修得可能呪文
- 素質1Lvの呪文
- 肉体操作系、物体操作系、火霊系の3系統より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 肉体操作系、物体操作系、火霊系の3系統より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lvの呪文- 肉体操作系、物体操作系、火霊系の3系統の全ての呪文
《超継戦※》、《神戦※》
《超継戦》(SuperMan 肉体操作系 難度:至難) 通常- 目標に超人的な肉体を与えます。
持続時間中、目標は「超常的継戦能力」(ベーシックP.71)があるものとみなします。
止めを刺せる特別な武器は「魔法の武器」だけです。
持続:10分
消費:詠唱10・維持は不可、呪文が切れると目標は気絶する
準備:3秒
《神戦》(GreatWar 肉体操作系 難度:至難) 特殊- "あまねく剣の支配者"の名の下に神戦を宣言し、軍勢に士気と統制を与えます。
この呪文はある一つの集団に対して使用します。
集団の人数は問いませんが、一人一人が1m以上離れていてはいけません。
距離ペナルティは術者からもっとも近い人間までの距離で計算します。
対象集団に属する者は《勇気》《痛み止め》の呪文がかかります。
また術者は対象集団に対して消費や判定の必要なく《思考転送》の呪文を行使できます。
持続:1日
消費:集団の人数一人あたり詠唱5(最低50)・維持不可
準備:1時間
宗派としての"あまねく剣の支配者"- その教義から戦いに携わる戦士たちが主な信者です。
宗派内でも彼らを助けるための装備の貸与や戦技の伝授が積極的に行われており、
聖職者の多くが現場で自ら教えを実践したり、若い戦士たちの指導者として活躍しています。
一般的な"あまねく剣の支配者"宗派の戒律- 「困難とはすべからく戦いであり、故に雄々しく立ち向かわねばならない」
「憎しみに我を忘れてはならない。自制なくして勝利なし」
「勝者は生者、敗者は死者」
代表的な聖遺物
真なる聖典- "あまねく剣の支配者"の技の全てを修めたという書物です。
定期的に一部、あるいは全てをもつという者が現れますが、その多くは偽書のようです。
→聖遺物『真なる聖典』
全き刃- 戦神が実際に使ったとされながら、それ以外の一切が謎の武器。
『それは剣であり、槍であり、槌であり、鎧であり、盾である、全き刃である』
という伝承の一節からこの名で呼ばれます。
→聖遺物『全き刃』
戦神の軍馬- 人の足でひと月かかる距離を一昼夜で駆けるという、獣の神"駆け巡る獣"が戦神に与えた軍馬です。
最後の戦いに姿が描かれないことから、まだ世界のどこかに生きているという噂がまことしやかに囁かれています。
戦神は多くの神話でこの軍馬に乗って姿を現しますが、話によっては戦神の命令を拒否したり、
他の神についていってしまうなど神と対等の存在のようにも描かれています。
→聖遺物『戦神の軍馬』
「幸運の女神」留まらぬ駿脚
積極性・開拓を祝福する女神。
停滞からの脱却、未知への挑戦を奨励する幸運神でもあり、
美しい衣装の気の強そうな少女として描かれます。
神話では"牙の主"の恋人であったとされますが純粋な恋話より、
勘違いや素直になれない彼女の行動が起こす騒動譚の方が世間では知られています。
最後は"貪り食らう風"によって食らわれ消滅したとされます。
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- 教義
- 「本棚に世界は入らない」
「正面からでは背中は見えない。麓から頂きは見渡せない」
「前を向いて歩こう」
修得可能呪文
- 素質1Lvの呪文
- 移動系、精神操作系、風霊系の3系統より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 移動系、精神操作系、風霊系の3系統より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lv- 移動系、精神操作系、風霊系の3系統の呪文全て
《幸運の風》、《失踪》
《幸運の風》(Lucky Wind 呪文操作系) 防御- 1日1回、術者本人にしか使えません。
成功判定の直後に使用を宣言し、成功判定の結果を一段良い方にずらします。
つまりファンブルは通常失敗に、通常失敗は成功に、通常成功はクリティカルになります!
成功度/失敗度が必要な判定の場合、成功度/失敗度は0として計算します。
持続:一瞬
消費:1
準備:一瞬
魔化:護符や装飾品。所有者に一度だけ呪文の効果を与える。必要エネルギー100
《失踪》(Runaway 精神操作系) 通常/抵抗は特殊- 術者は世間にとって全く興味を惹かれない人物になります。
この呪文はいわば《人払い》の個人版です。
《透明》の呪文にも似ていますが、視覚・触覚以外で気づかれることはありません。
しかし意志をもたない監視カメラや、魔法による記録にはその姿が残ります!
意識して術者を見ようとしたり、触ろうとした人物は呪文と意志力で技能勝負を行います。
(意識して見つけようとしない場合は無意識に術者を避けてしまいます)
抵抗に失敗した人物は巧妙な方法に追い払われ術者の存在に気づきません。
持続:1分
消費:詠唱2・維持1
魔化:衣服。着用者に自動で《失踪》の呪文がかかります(オフにはできません)必要エネルギー1000
宗派としての"留まらぬ駿脚"- "留まらぬ駿脚"の信奉者の多くは物語を語り、人々に未知への挑戦を促す吟遊詩人であり伝道者です。
信者は多くの物語を伝えることを重視するもの、物語を通じて教えを広めようとするもの、
教えを実践し自身が物語を作ろうとするものなど様々で、一貫したまとまりはあまりありません。
一部の宗派ではこれらの啓蒙活動を助けるものとして自衛のための武術や、
日銭を稼ぐための歌や楽器、舞踏などの芸能を指導しているところもあります。
一方、これらの活動は若者を外の世界に無責任に駆り立てるものとして嫌うものも多く、
寂れた田舎などでは信奉者を追い出したり、極端なところでは邪神扱いする地方もあります。
それ以外でも"留まらぬ駿脚"の教えは民を縛り付けたい権力者に都合の悪いものが多いため、
体制側と真っ向から対立している光景がよく見られます。
一般的な"留まらぬ駿脚"宗派の戒律- 「風聞に流されるな。自分の目と耳で真実を見よ」
「他人とは違うことをやってみよ」
「傍観は悪、盲信は最悪と知れ」
代表的な聖遺物
天駆の糸- 持ち主を一度だけあらゆる災厄より護るという虹色の糸。
"留まらぬ駿脚"の髪であるとされ、気に入った人間に与えられたといいます。
現在も稀に遺跡などで発掘されることがあり、比較的著名な聖遺物です。
→聖遺物『天駆の糸』
誓約の輪- "留まらぬ駿脚"が"牙の主"から贈られたという指輪です。
装飾品としての価値のほか、輪を覗くことであらゆるものの真実を解き明かすとされます。
神話ではアクシデントにより人々の間に落ちて行方不明となっており、
それを信じる多くの信奉者によって捜索が行われています。
→聖遺物『誓約の輪』
「地と獣の神」駆け巡る獣
エルフやドワーフを生み出したことで知られる、6本足の野獣の姿をした自然の神。
自然と調和した世界を至上とし、無意味な破壊や過剰な文明を戒めています。
最古に肉体を得た神であり、神話でも年長者として他の神を導く年長者として描かれます。
最後は"触れる事能わぬもの"と共に戦乱から世界を護ろうとするも叶わず、無数のモンスターを道連れに滅びました。
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- 教義
「日々の歩みが大地を作る」
「無限を求めるなかれ。世界は有限である」
「自制せよ」
修得可能呪文
素質1Lvの呪文- 動物系、植物系、天候系の3系統より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 動物系、植物系、天候系の3系統より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lvの呪文- 動物系、植物系、天候系の3系統の全ての呪文
《獣爪》、《調和の結界》
《獣爪》(PartialBeast 動物系) 通常- 術者本人にしか効果がありません。
目標の手足に獣のような鋭い爪を生やします。
手足に身に着けている衣服が防護点2点までの品なら爪は衣服を突き破って生えます。
防護点が3点以上ある装備を身につけている場合、この呪文は使えません。
この爪は「鋭い爪」(ベーシックP.75)として戦闘に使える他、
何かを掴む判定(《登攀》など)に+3のボーナスを得られます。
この爪は精密作業では逆に邪魔になってしまいます。
持続中、術者は手先を使う作業に「手先が不器用」(ベーシックP.144)-5CP相当の修正を受けます(CPは減少しません)
持続:1分
消費:2・1(倍消費で「鋭い鉤爪」に。精密作業への修正は「手先が不器用」-10CP相当)
魔化:非金属の手袋、ブーツ。必要エネルギー1500
《調和の結界》(Peace Field 防御/警戒系 難度:至難) 範囲/意志で抵抗- 破壊を抑止する不可視の領域を作成します。
この呪文の範囲内に入ったものは殺意や敵意を失い、平静な状態に戻ります。
更に範囲内で暴力を振るおうとする場合は抵抗判定を行ってください。
抵抗に失敗すると対象は「平和愛好:完全非暴力」(ベーシックP.151)を持つ人物のように、
他の知的生物に対して暴力を振るう気をなくしてしまいます。
もし範囲内の誰か一人でも抵抗すれば、即座に《調和の結界》は効果を失います。
持続:10分
消費:詠唱1・維持同じ
宗派としての"駆け巡る獣"- "駆け巡る獣"の信仰は人間と異種族……特にエルフとで大きく違います。
決まりごとを作り、自分たちの手を遠ざける事で自然を護ろうとする人間に対し、
エルフたち異種族の宗派は文明の発達自体を否定し、自然と一体であろうとするのです。
(さすがに最近はありませんが、以前は森のものでない金属の使用さえ禁じる宗派もありました。
現在でも武器や道具を否定し、身体一つでの生き方を奨励する宗派は存在します)
エルフたちの殆どは"駆け巡る獣"の信奉者です。このため宗派の対立は、種族間の摩擦となることさえあります。
人間派の"駆け巡る獣"宗派の戒律- 「自然を畏れ、敬え」
「狩り尽くし、刈り尽くしてはならない」
「無闇に自然に分け入るなかれ」
エルフ派の"駆け巡る獣"宗派の戒律- 「異物は不自然である。自然の調和を維持せよ」
「緑の同朋を敬い、協調せよ」
「不必要に殺すなかれ。異物のため流す血もまた異物」
代表的な聖遺物
世界樹- 全ての植物の始祖とされる世界最初の植物です。
その所在はいまだ明らかにされていません。
聖獣皮- 力尽きた"駆け巡る獣"の身体より残った獣皮といわれています。
持ち主に神の力の一部を授けるとされますが、やはり所在は不明です。
→聖遺物『聖獣皮』
「美と怠惰の女神」触れる事能わぬもの
パーンを最初に作り出した女神。
"駆け巡る獣"と共に最初に肉体をもった始原の神の一人で、世界ではじめての人の姿の神でもあります。
彼女は"美"に絶対の価値をおき、神や人に様々な芸術を伝えました。
その性格はトリックスターそのもので、彼女が人に教え説いたのは自分が楽をするためだとまで言われます。
なお、"触れる事能わぬもの"にはロウマスターが存在しません。
このため彼女は未だ完全な神として世界の何処かに存在しているとされ、各地に追うものたちの姿が見られます。
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- 教義
- 「美しければ由」
「美に頂点なし」
「美をたたえよ」
修得可能呪文- なし。"触れる事能わぬもの"のロウマスターは確認されていません。
参考までに伝承で"触れる事能わぬもの"が好んで使った系統を以下に挙げます。
幻覚/作成系呪文、音声系呪文、魔化系呪文(※)
(※他の神の呪文を魔化する場面もあり、独自の魔化呪文を使ったと伝えられている)
宗派としての"触れる事能わぬもの"
ロウマスターがいない(=神の奇跡がおこせない)こともあり、組織としては少数派です。
教えが生活と密着したものではないため、多くの宗派は人の多い都会で、
自ら芸術を生み出したり後生の育成に励んでいます。傍目に芸術家のサロンのようなところも多いでしょう。
一般的な"触れる事能わぬもの"宗派の戒律
「美の頂点を極めるため切磋琢磨せよ」
「実用性の中に美しさがある」
「自らを蔑むな、自らの生み出すものに誇りをもて」- 代表的な聖遺物
女神の絵筆- 女神がその腕前を認めたある画家に与えた絵筆です。
神の創造の力の一部が込められており、描いたものが現実にあらわれるといいます。
神話に登場する伝説の絵師の一門が今もなお保管していると言われています。
→聖遺物『女神の絵筆』
「慈愛の神」落穂の守護者(従属神:牙の主)
法の側面「弱者の救済」を体現する、"牙の主"の従属神です。
神話では"牙の主"の姉的存在とされ、揃いのローブに救済を示すカップ(聖杯)を手にした淑女として描かれます。
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- 教義
- 「強きものは分け与えねばならない」
「救済はいつか返さねばならない」
「慈しみたまえ」
修得可能呪文
- 素質1Lvの呪文
- 食料系、水霊系の2系統より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 食料系、水霊系の2系統より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lvの呪文- 食料系、水霊系の2系統の全ての呪文
《極大治癒※》
《極大治癒》(Special Heal 治癒系 難度:至難) 通常- 目標のHPを最大15点回復します。
病気や毒を取り除くことはできませんが、それによって受けたダメージを治療することはできます。
その他の点については全て《小治癒》と同じように働きます。
消費:1〜5(回復するHPは消費したエネルギーの3倍)
魔化:蛇の模様を刻んだ杖、錫杖。魔術しか《医師》20Lv以上のキャラクターしか使うことはできません。
目標に接触しなければなりません。必要エネルギー1500
宗派としての"落穂の守護者"- 主神がメジャーな神のため、比較的名前が通った従属神です。
単独で崇められる事は殆どなく、多くの場合"牙の主"の神殿の一角に救貧院として祭られています。
信者も同様に"牙の主"との同時信仰が基本ですが、法を弱者救済の手段として捉えがちな所があり、
微妙な齟齬が組織内での対立を招いていることもあります。
一般的な"落穂の守護者"宗派の戒律- 「弱者を見捨ててはならない」
「救済は施しではない。恵まれた恩はいつか必ず返すべし」
「世界は互いに助け合って生きている。全てのものへ感謝の気持ちを忘れるな」
代表的な聖遺物
聖杯- "落ち穂の守護者"を描かれる際に必ず描写される、救済を表すカップです。
サイズは片手に収まるほどですが、その中には世界の飢えと渇きを癒し、
なお尽きることがないほどの糧食がを収まっているといいます。
神話では邪神の陰謀によって粉々に破壊されたと伝えられていますが、
破片を全て集めれば聖杯は復活し、世界から飢餓が駆逐されるという伝説も一部で聞かれます。
「巧の神」闇を照らす太陽("牙の主"不肖の従者)(従属神:触れる事能わぬもの、牙の主)
"触れる事能わぬもの"と"牙の主"双方の従属神であり、芸術の側面である『技術』を守護する従属神です。
二柱の神の従属神とされる珍しい神で、元は法を作る『技術』の神として牙の主に従っていましたが、
"触れる事能わぬもの"に教えられた芸術にのめり込み、"触れる事能わぬもの"の従属神になったと伝えられます。
余談ですがこの際に激怒した"牙の主"を静めるため献上した太陽の彫刻が、夜に浮かぶ『月』なのだそうです。
そのエピソードのせいか多くの似姿では軽い雰囲気の青年として描かれ、
神話にも他の女神や人間の女性をナンパしては痛い目を見るコミカルな話が多く残っています。
世間一般には『"牙の主"不肖の従者』という神とも言えない二つ名で呼ばれる神話の端役ですが、
カーミラ及び極少数の民の間ではそのエピソードから、夜と月の神"闇を照らす太陽"という二つ名で崇められています。
信奉者たちの神話では、弱者や罪を犯したものを庇い更正を促す姿など一般には語られない逸話も多く話されていますが、
どちらが真実の姿であるのかは今のところわかっていません。
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- 教義
- 「模造し、色を加え、自らのものとせよ」
「日々、是、精進」
「笑顔の巧たれ」
修得可能呪文
- 素質1Lvの呪文
- 物体操作系より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 物体操作系より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lvの呪文- 物体操作系の全ての呪文
《技能模写※》
《技能模写》(Reproduce Skill 情報操作系 難度:至難) 通常- 目標の技能を術者に複写します。目標は呪文に同意している必要があり、
術者は呪文の詠唱中、目標に接触し続けていなければなりません(この間、術者は他のこと一切を行えません)
術者は目標から複写した技能を、同じだけのCPを払ったように使用できます。
(術者の能力が基準値となるため、実際の技能レベルは複写元から上下する可能性があります)
この呪文で複写できるのは技能とテクニックのみです。また一度に複数の技能を複写することはできません。
持続:1時間
消費:4・維持は不可
魔化:道具を手にしたものにそれを扱うための技能を与える。
与える技能は道具を使うためのものでなければならない。必要エネルギーCP1点ぶんあたり200
宗派としての"闇を照らす太陽"- 神話では人気ですが、現在崇めているものは少なく、カーミラが夜と月の神として祭っている程度です。
施設も個人レベルのものがほとんどで、地域によっては信者がいることさえ知られていません。
一般的な"闇を照らす太陽"宗派の戒律- マイナーな神であり戒律というほどまとまったものは存在しません。
多くの場合、教義がそのまま緩やかな戒律として機能しています。
代表的な聖遺物
巧のノミ- "闇を照らす太陽"が芸術品を作成する際に使用したとされるノミです。
二柱の主神の祝福を受けており、工具とは思えない神々しいつくりをしているといわれます。
「抹消された神」名無し(ネームレス)(邪神)
かつて神々の戦いが始まるよりも以前に身体を失った名も無き神。
正確な二つ名も知られておらず、ただ名無し(ネームレス)と呼ばれます。
この神が何故抹消される事になったのかは定かでありません。
世界の禁忌に触れたせいとも言われますが、それが何なのかは現在まで伝わっていません。
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- 教義
- なし。しかし多くのロウマスターは神の復活を目指して非合法な活動を行っています。
詳しくは下記「宗派としての"名無し"」を参考にしてください。
修得可能呪文- "名無し"のロウマスターが用いる呪文はきわめて特殊で、一貫性がありません。
"名無し"のロウマスターはキャラクター作成時に自分の使用する呪文系統を3つ選択してください。
系統に関係性はあってもなくてもかまいません。
選択した3系統から、魔法の素質なし〜1Lvで前提を満たせる呪文が素質1Lvの呪文に、
魔法の素質2Lvで前提を満たせる呪文が素質2Lvの呪文に、それ以外が素質3Lvの呪文になります。
宗派としての"名無し"- 言質は不明ですが名無しの神は復活した時、信者を新世界に導くとされ、
信者たちは復活への努力を続けています。多くは非合法で理不尽な方法で!
例えば復活への生贄と称しての虐殺、他の神のロウマスターの殺害など……。
"名無し"にもロウマスターが存在するのですが、彼らもそれを止める事は無く、むしろ奨励しています。
当然、殆どの地域で"名無し"信仰は邪教扱いです。
一般的な"名無し"宗派の戒律- 「死して我等は新世界へ進む」
「神ならぬ身で神を語る愚か者に鉄槌を!」
「滅ぶべき現世に拘る無かれ」
代表的な聖遺物
"名無し"の欠片- 神の意志を伝えるという禍々しいデザインの護符や武具です。
信奉者たちはこれらを通じて神の命を受け、それを実行しているといいますが真相は定かではありません。
多くのものは一見して魔力をもたず狂人の戯言と言われていますが、
そのような品物が信奉者の手に渡った途端に魔法のアイテムとしか思えない効果を示した事例もあります。
「破壊の風神」貪り食らう風(邪神)
力による支配を是とする破壊神。竜巻とイナゴの怪物のような二つの姿で描かれます。
神話では"牙の主"に従う処罰者だったとされ、欲("牙の主"宗派主張)や、
疑念("貪り食らう風"宗派主張)で袂を別ち、現在の破壊神になったとされます。
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- 教義
- 「力こそ絶対の秩序」
「秩序の維持には破壊が必要である」
「神の名に拠らぬ破壊は許されぬ」
修得可能呪文
素質1Lvの呪文- 死霊系、情報伝達系、風霊系の3系統より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 死霊系、情報伝達系、風霊系の3系統より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lvの呪文- 死霊系、情報伝達系、風霊系の3系統の全ての呪文
《モンスター化》、《粛清》
《モンスター化》(Become Monster 肉体操作系) 通常- 目標に異形の形質を植えつけ、モンスターへと変化させます。
目標が自ら望むか、完全に無力な状態(たとえば拘束状態や意識不明の状態)でなければ、
モンスター化させることはできません。
術者は詠唱前に、目標に与える異形の形質をテンプレートとして作成してください。
テンプレートには社会的特徴以外のあらゆる特徴が選択できますが、
「サディスト」「残忍」「弱い者いじめ」「狭量/モンスター以外(−5CP)」
以上の特徴から3つを必ず含まなければなりません。
この呪文は呪いの一種です。《呪い停止》《呪い除去》によって停止/除去することができます。
術者が望めば自由に解除することも出来ますが、術者が死亡しても呪いは解けません!
消費:与える異形の形質のテンプレートの必要CPと同じです。
より強力なモンスターを作成するには、より多くのコストがかかります。最低必要エネルギー10
準備:術者以外を目標とする場合、1日。術者を目標とするなら1秒
魔化:衣服、装身具。身につけた対象に、魔化時に設定された異形の形質を与える。
必要エネルギーは与える異形の形質のテンプレートの必要CPの10倍(最低必要エネルギー100)
《粛清》(Purge 死霊系) 通常/生命力で抵抗- "貪り食らう風"の名の下に、目標に死の粛清を与えます。
抵抗に失敗した目標は即座に生死判定を行ってください。失敗すれば死亡します。
この呪文で死亡したものは胸に"貪り食らう風"の刻印が刻まれ、粛清されたことがすぐわかります。
準備:3秒
消費:10
宗派としての"貪り食らう風"- "貪り食らう風"の信奉者は体制に不満をもつものと快楽犯罪者の二種に別れますが、
宗派の間で横のつながりはあまり無く、各々が勝手気ままに犯罪を起こしているのが普通です。
その戒律の危険さゆえ、多くの地域で"貪り食らう風"信仰は邪教とされ排斥されます。
一般的な"貪り食らう風"宗派の戒律- 「破壊とは理性の開放である。感情のままに生きよ」
「他者の隙は好機である。しかるに自らに隙作るなかれ」
「神の名に拠らぬ破壊は罪悪である。破壊せよ」
代表的な聖遺物
貪り食らうもの- "貪り食らうもの"が処罰を代行する執行者に与えたとされる武器です。
牙の剣とは対になる存在であり、特にロウマスターや神聖な存在に対して威力を発揮します。
形状は様々ですが処刑用の大剣(エクスキューショナーソード)や、杖が比較的多く見られます。
→聖遺物『貪り食らうもの』
「破壊神の尖兵」渦巻く砂塵(邪神、従属神:貪り食らう風)
破壊神"貪り食らう風"の従属神であり、定めた裁きを実行する『粛清』の神です。
下半身が砂嵐と一体化した蛇頭の人の姿で描かれ、砂嵐の中に浮かぶ影として描写されることもあります。
神話では"貪り食らう風"の忠実な僕であり、主神に従うことを最上の喜びとしていたと伝えられています。
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- 教義
- 「判決を遂行せよ」
「我が主こそ我が誇り」
「たとえ、わが身果てようとも」
修得可能呪文
素質1Lvの呪文- 火霊系、防御・警戒系の2系統より、素質必要なし〜素質1Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質2Lvの呪文- 火霊系、防御・警戒系の2系統より、素質必要なし〜素質2Lvで前提が前提を満たせる呪文
素質3Lvの呪文- 火霊系、防御・警戒系の2系統の全ての呪文
《モンスター変身》
《モンスター変身》(Shapeshift Monster 肉体操作系 難度:至難) 通常- 自らの身体をモンスターへと変化させます。
《モンスター化》の呪文によく似ていますが、対象は自分のみで効果は一時的です。
術者は詠唱前に、目標に与える異形の形質をテンプレートとして作成してください。
持続:1分
消費:与える異形の形質のテンプレートの必要CP10点あたり1。維持は半分
より強力なモンスターを作成するには、より多くのコストがかかります。最低必要エネルギー10
準備:テンプレートを決定してGMが許可するまでの時間。あらかじめ決定していた場合は1秒
宗派としての"渦巻く砂塵"- "渦巻く砂塵"の信奉者も多くが"貪り食らう風"と行動を共にしており、
一般人には"貪り食らう風"宗派の階級の1つとよく誤解されます。
当然ながら"渦巻く砂塵"信者もまた主神同様に邪教として社会より忌み嫌われています。
一般的な"渦巻く砂塵"宗派の戒律- 「何時の主の剣となり、盾となれ」
「主への侮辱は何時への侮辱である」
「破壊は"貪り食らう風"の名においてのみ許される。自重せよ」
代表的な聖遺物
貪り食らうもの- "貪り食らう風"の聖遺物であり、"渦巻く砂塵"の聖遺物でもあります。
詳しい解説は"貪り食らう風"のものを参照ください。
→聖遺物『貪り食らうもの』