MachineWalkerTRPG 〜System Side〜


Outline

MachineWalkerTRPGの舞台となるのは、遥かな未来に位置する惑星ゼムノゥーザ。
PC(プレイヤーキャラクター…プレイヤーの演じるキャラクターの通称)はこの惑星で、
私達の世界で言う巨大ロボット…マシンウォーカー(MW)の操手となって様々な冒険に挑んでいきます。
今は亡き巨人の残した機械遺跡の探索、ならず者との戦い、はたまた災害の救助活動まで……。
興味と想像力が沸き立ったら、まずはあなたの分身であるキャラクターを作成してみましょう!
ここでは基本的なキャラクターの作成、ゲームのルールについてを説明しています。

ブランクキャラクターシート

キャラクターの作成

1.能力値の決定
マシンウォーカーTRPGには、
  MWを初めとするメカでの戦闘、精密作業などMW操縦能力を表す「操手レベル」、
  生身での戦闘や身体能力を表す「運動レベル」、
  社交術や、戦闘指揮といった対人能力を表す「交渉レベル」
  専門知識から一般家事までその他の能力を表す「雑技レベル」
……この4つの能力値が存在します。
キャラクターの能力値の基本値は全て30です。
プレイヤーはどれか能力を1点下げる事で他の能力を1点上げることができます(例:雑技Lv30→20で、交渉Lv30→40)。
能力値下限は10、上限は50です。この制限を越えて能力値を上昇・下降させる事はできません。
  例:操手Lvを30→40にしたい場合、「運動Lvを30→25+交渉Lvを30→25」「雑技Lvを30→20」等のパターンができます。
  しかし操手Lvを30→50&運動Lvを30→40にするために「交渉を30→0」とするようなことはできません。

  ※ADVICE……最初のうちは能力値は特にいじらず、全て30としても全く問題ありません。
  どれか一つ、強い分野を作りたい場合は「少し苦手」としていい分野を一つ選び、
  40(得意)一つ、30(普通)二つ、20(苦手)一つとするのがいいでしょう。
  一つの能力値を20より下げることはお勧めできません。


能力値の目安は大体以下のとおりです。
  10以下:愛玩用バイオロイド並(=無能)
  〜 20:一般人
  〜 30:やや優秀(=PC平均)
  〜 40:優秀
  〜 50:天才

2.技能の取得
能力値がキャラクターの基礎的な素養とするなら、技能はキャラクターの学んできた経験や特殊な技巧をあらわします。
技能にはレベル毎に必要な必要経験点が提示されており、経験点を消費する事で技能を修得・成長させることができます。
キャラクターは作成段階で200点の経験点を所持しています。技能一覧のページを参考にしながら、技能を修得させてください。
技能は必ず1Lvから順にとっていかなければいけません。たとえば「並」の技能2Lvなら10+15=25点の経験点が必要です。

  ※ADVICE……PCは普通MWの操手(操縦者)ですので、何はなくともMW関係の技能はそろえておくべきです。
  戦闘をメインとするなら《MW格闘》《MW射撃》《MW操縦/回避》を2Lvずつ、あるいは2Lv二つ、1Lv一つといった組み合わせになるでしょう。
  MW戦闘以外を充実させるなら1Lv二つ、2Lv一つとして、経験値を他にまわすのも手です。《脱出》をとるのも悪くありません。
  MW戦闘能力を整え、余裕があったら肉弾戦用の技能もとっておくべきです。《射撃》《反射神経》だけでもとっておけば、足手まといにはなりません。
  交渉・雑技系では全員がほしいものはまず言語…ブリスランド共用語は使用可能な範囲も広く便利です、そして舞台周辺の《地域知識》でしょうか。
  他の交渉や知識系の技能は何か一つ得意分野を決め(索敵、機械修理など)それに沿ってとっていくのがいいでしょう。
  この時、他のPCと分野が被らないようにすれば活動範囲も増えるはずです。


操手・戦闘・交渉・雑技技能一覧

3.買い物
キャラクターの初期所持金は1000万Cr(Cr=クレジット…ゼムノゥーザでの便宜的な統一通貨単位。1Cr=約1円)です。
キャラクターはこの所持金を利用して武器や防具、そして商売道具であるマシンウォーカー(MW)を購入します。
なお、服等の日用品や写真などゲーム中で特に有利にならない物は、特に購入せずとも所持しているとして構いません。

  ※ADVICE……まず、手持ちの武器と防護服(MW用のパイロットスーツ)を購入しておきましょう。
  生身での護身はこの二つがあればまず大丈夫です。不安なら、携行用のハンドガンにもう一つ大型火器を持つのもいいでしょう。
  一般道具は予備の弾薬を2つくらい、あと修得した技能をみて必要なものがあれば買っておく程度で構いません。
  MWになると一気にデータ量が増えますが、初めての人には戦闘重視ならイレイザー、汎用性を取るならスナッチャーがお勧めです。
  この2機は四脚・人型の基本ともいえる機体で変わった装備もありませんので、MWの使い方になれるためにはうってつけです。


人間用装備一覧
マシンウォーカー一覧

4.副能力値の算出・シートへの記入
決定された能力値・技能から副能力値を算出し、シートに記入します。

技能目標値……所属能力値+技能Lv×10(操手技能はMW機動力+技能Lv×5)
生身命中率……戦闘Lv+格闘/射撃技能Lv×10(格闘、射撃で別々に算出)
生身回避率……戦闘Lv+《反射神経》Lv×10
肉弾戦熟練度…《反射神経》Lv+《格闘》Lv+《射撃》Lv
肉弾戦行動力…2+(肉弾戦熟練度15で+1(計3)、25で+2(計4))
MW機動力……操手Lv+MW運動性
MW命中率……MW機動力+MW格闘/MW射撃技能Lv×5(格闘、射撃で別々に算出。最大でも限界反応まで)
MW回避率……MW機動力+《MW操縦/回避》Lv×5(最大でも限界反応まで)
MW熟練度……《MW操縦/回避》Lv+《MW格闘》Lv+《MW射撃》Lv
MW行動力……2+(MW熟練度15で+1(計3)、25で+2(計4))


行為判定

行為判定
武器で敵を撃つ、忍び足で隠密する…そういった成功失敗の不確かな行為を解決する時には行為判定が用いられます。
MWにおいて、行為判定はパーセンテージダイス(D100)で行われます。
目標値は該当能力値+技能Lv修正(通常は技能Lv×10)−難度修正(難しい行動の場合)で、
それ以下をD100で出せばその行動は成功
となります。技能を持っていない場合、能力値そのままが目標値です。
特に技能を問わないような判定(力技や受動的な感知など)の場合、目標値は該当能力値×2となります。
 どの判定でも、出目が91以上だと目標値に関わらず自動失敗となり、100は大失敗となります。
逆に出目が10以下だと目標値に関わらず自動的成功です。
もし目標値の1/10(端数切捨)以下の目を出した場合はクリティカル(大成功)となります。

難度修正の目安
+100:失敗したら伝説です。色々な意味で。(例:風呂を沸かす、水を汲む等の日常行動)
+ 50:素人でもまず成功する。(例:配線図を見ながらの爆弾解体、ナビを使ってのマッピング)
+ 30:素人でも五分。(例:マニュアルを見つつMWを起動させる)
+ 10:少し簡単あるいは時間をかけた普通の行為。(例:設備が整った修理、時間をかけた鍵開け)
− 10:通常よりやや難しい。(例:悪天候でのメカ操縦、重傷患者の治療)
− 30:かなり不利な条件がある。(例:十分な機器がない状況での修理、拘束状態での運動)
− 50:失敗するのが普通。ベテランでも成功はおぼつかない。(例:盲目状態での行動)
−100:成功したら奇跡です。(例:大気圏で隕石を押し返す、ICBMを投げ返す)

MW搭乗時の操手技能判定
 操手技能を使った攻撃や回避、精密作業などのあらゆる判定は、
操手LvではなくMW機動力(操手Lv+MW運動性)を能力値とし、技能Lv修正もLv×5として目標値を決定します。
この時、MW熟練度が搭乗機体の必要熟練度に満たない場合は1Lv足りないごとに機動力に−10ペナルティを受けます。
また、行動力補正のある機体にのっている場合も行動力補正の恩恵を受ける事が出来ません。
 MW搭乗時の操縦に関わる判定では「MW機動力+技能Lv修正」の値は最大でも限界反応の値までしかなりません。
難度修正を受ける場合、限界反応の値から難度修正を引いたものが目標値となります。
 クリティカルやファンブル、自動成功/自動失敗のルールは通常の判定とかわりありません。

対抗判定
忍び足や攻撃/回避のようにキャラクターが互いに競い合うような判定を解決する場合、
互いに成功判定を行い、成功者側の行動が成功したことになります。両者成功の場合は受動側(例:忍び足なら感知側)優先です。
また成功判定時、能動側は−10単位で難度修正をかけることができます。
これを「高度な技」といい、受動側は能動側のかけた難度修正と同じだけ、判定に難度修正をうけます。
高度な技は、主に能動側が極めて優秀な場合、また互いの実力が逼迫している時に有効です。
なお能動側がクリティカル成功の場合、受動側はクリティカル成功しない限り自動失敗となります。
能動側がファンブルなら受動側は自動的に成功となります。


戦闘

MWの戦闘は大きく分けて、機動重機を駆ってのメカ戦と、生身での白兵戦があります。
MW対MW、人対人の戦闘はダメージが違うだけで基本的に同じ処理で行われます。

行動順の決定と行動回数
戦闘は1ターン(厳密には定めませんが1分程度)区切りで進行し、イニシアチブの決定→準備→移動→攻撃というフェイズで進みます。
キャラクターはMW/肉弾戦行動力を消費することで、攻撃や防御などの行動を行っていきます。
行動力・防御行動の回数はターン終了時に最大値まで自動回復します。

イニシアチブ(行動順)の決定
戦闘時の行動順は敵・味方のチームごとに決定し、チーム内での行動順は自由に決める事ができます。
面倒くさい場合は操手Lvか戦闘Lv順で固定とするか、指揮を行っているものが指定とするとよいでしょう。
チームの代表者は1D6を振り、出目が大きかったチームから行動します。この出目はより小さく(行動を遅らせる)することも可能です。
代表者が《戦術/指揮》を1Lvでも持っているならイニシアチブ決定のダイス出目を+1できます(技能Lv5以上なら+2)。

自軍フェイズに行える行動

移動
MWの戦闘は抽象的位置関係で解決されます。
位置は前衛−中衛−後衛−最後衛の4段階で表され、1回の移動で位置を前後に一つ移動できます。
同位置での座標(右とか左とか)は全く関係なく、通常は同じ位置に何人でも位置することができます(図1)。
ただし、狭い場所などでは一つの戦列に入れる人数が限られる場合があります。
戦列内の人数が一杯の場合、他の誰かが別の戦列に移動しないとその位置に入ることはできません。
また味方前衛数>敵前衛数となった場合、前衛のキャラクターは敵陣に「突入」を行えます。
「突入」したキャラクターは敵陣内の前衛にいるものとして扱い、更に敵陣内を自由に移動する事ができます。

図1:戦列
前衛A○○・・・・(省略)

中衛○B○・・・
後衛CD○・・


・(以下略)
前衛のユニットAは1回の移動で中衛に下がることができます。
同様に中衛のユニットBは1回の移動で前衛に上がるか、後衛に下がることが可能です。
後衛のユニットC・Dは横並びに見えますが、横の戦列は考えないため同じ距離(後衛)にいるとみなされます。

飛行/着陸
「飛行」は特殊な戦列の形態で、飛行可能な一部MW/MCや乗物…飛行機やヘリのみが取る事ができます。
飛行可能なMWは行動力を消費して戦列を飛行に移行できます。
飛行している目標は位置が通常より更に1つ遠いものとして扱い、また射程に関わらず格闘武器では攻撃できません。
(飛行側はこの制限を受けません。格闘武器で一方的に地上の目標を攻撃する事もできます)
飛行中のMWは精密動作時を除き機動力が+10されますが、かわりに必要熟練度も+2されます。

例:敵前衛でディスティニーBが飛行しています。この機体を敵前衛から狙う場合、距離1+1=2となるため、対人バルカンは届きません。
また、敵前衛に突入している機体がブラストナイフで攻撃する事もできません。射程距離内ですが、ブラストナイフは格闘武器だからです)

武装の持ち替え
予備装備ラッチやホルスターに装備されている武装と現在装備中の手持ち装備を一つ交換します。
同列にいる他人の武装を受け取る事もできますが、この場合は双方が「武装の持ち替え」に行動力を消費します。
すぐに取れないような位置(バックパックなど)にある装備との持ち替えことはできません。
また武器の弾薬がマガジン制の武器(弾薬の欄にMとかかれた物)の弾薬装填もこの行動で行います。

戦線からの離脱
自身の位置が後衛・最後衛の場合のみ行えます。宣言する事でその戦場から撤退する事が出来ます。
更に、まだ武器を予備装備ラッチやホルスターに装備しているなら、その武器を準備することもできます。
離脱したキャラクターは基本的に攻撃を受けませんが、自分から戦場に影響を与える事も出来ません。
ECMなど戦場全体に影響を与える機器は撤退時点で効果が消滅します。
特にGMが認めない限り、一度離脱したキャラクターは同じ戦場に復帰できません。

敵への攻撃
素手や武器を使って敵目標を攻撃します。
詳細は下記の攻撃と回避に関するルールを参照ください。

防御専念
戦列を動かず防御を固めて相手の攻撃に備えます。
後述の防御行動を行える回数がそれぞれ+1されます。
行動力のある限り重複して行えますが、ターンを超えて持続させる事はできません。

機器の作動/停止(自由行動)
MWやキャラクターに装備しているブースターや特殊機器類などを作動させたり停止させます。
個数に制限はなく、一度に全ての機器の作動/停止を行えます。

武装の投棄/準備(自由行動)
手持ちの武装を投げ捨てます。一度投棄した武装を戦闘中に再び拾い上げる事はできません。
更に、まだ武器を予備装備ラッチやホルスターに装備しているなら、その武器を準備することもできます。
この行動は行動力を消費しません。

その他の行動
その他GMの認めた、ここにはない行動を行います(例:相手を組み伏せるなど)。
詳細はGMの定めた判定やルールに従ってください。



攻撃と回避

キャラクターは手持ち・あるいは搭載武器を使って目標を攻撃することができます。
命中・回避判定は対抗判定で行います。MW・生身の各武器ごと命中率・回避率を目標値に判定を行います。
このとき、命中側は武器の「補正」分、回避側は四脚機動などの特殊装備などの分の難度修正を目標値に受けます。
命中側成功、回避側失敗となったらその攻撃は成功です。ダメージレベルのステップへと進みます。
命中判定がクリティカル成功の場合、回避側もクリティカル成功しなければ攻撃は回避できません!
(後述の「防御行動」でダメージを軽減・無効化することは可能です)
攻撃は行動力を消費しますが、回避は自由行動(行動力を消費しない)として扱います。

武器の射程距離
武器にはそれぞれ種別と射程距離が存在します。
種別は使う技能・命中率の種類を表し、射程距離は攻撃できる戦列の範囲を示します(図2)。
射程「接」の武器は射程距離0〜1です。同列か、戦列が隣接している相手を攻撃することができます。
「近」の武器は1〜2距離を攻撃できます。隣接している相手、及びもう1列向こうの敵が攻撃対象です。
「中」の範囲は2〜3距離となります。これは2列先・3列先の相手を攻撃できますが、隣接している相手は攻撃できません。
「遠」は最も遠くまで攻撃でき、3〜4距離が範囲です。3列・4列先を攻撃できますが、それより前の敵には当たりません。

図2:射程ごとの武器攻撃可能範囲
射程「接」  射程「近」  射程「中」  射程「遠」
 ○○○    ○○○    ○○○    EEE
 ○○○    ○○○    EEE    EEE
 ○○○    EEE    EEE    ○○○
 EEE    EEE    ○○○    ○○○
 E攻E    ○攻○    ○攻○    ○攻○
※「攻」が攻撃者の戦列、Eがそれぞれの武器での攻撃可能範囲となります。
実際の戦闘では戦列の横の距離は考えないことに注意ください。

特殊な攻撃・防御行動
攻撃・回避を行う際、キャラクターは通常の攻撃や回避の代わりに特殊な攻撃・防御行動をとることができます。
防御行動はどれも1ターンに1度ずつしか行えません。異なる防御行動を1回ずつ使用することは可能です。
敵の剣とミサイル両方をシールド防御は不可能ですが、剣をシールド防御・してミサイルを迎撃という事はできるわけです。


ダメージレベル
ダメージレベルは「ダメージ÷生身or機体の装甲値(端数切捨)」で算出され、
実際の機体や肉体へのダメージの深刻さを表します。ダメージを受けるごとに蓄積しますので注意してください。
(例:ダメージレベル「2:小破」している機体が更に1Lダメージを受けると「3:中破」となります。
更にダメージを受け続ければ「4:大破」してしまうでしょう)

生身の人間の装甲値は1です。下手をすればナイフ(1D)で刺されても「5:死亡」しかねません。
パイロットスーツや防弾服で3、歩兵用のコンバットスーツ(着心地最悪)の5が人間では最大の装甲値となるでしょう。
MWの装甲値は5以上あるのが普通です。重装甲のものは20に達する事もあるでしょう。

ダメージレベル/生身
ダメージレベル負傷の程度負傷による影響
かすり傷特に判定に影響はありません。一週間放置すると軽傷に進行します。
軽傷特に判定に影響はありません。一日放置すると重傷に進行します。
重傷全判定に−30ペナルティを受けます。半日放置で致命傷に進行します。
致命傷負傷の衝撃で気絶し、意識不明になります。放置すれば一時間後に死亡します。
瀕死意識を失い、生命の危機に関わる重態です。
生死判定を行い、失敗したキャラは死亡し永遠に失われます。
一度成功しても15分後には再度生死判定を行わなければなりません。

ダメージレベル/MW
ダメージレベル負傷の程度負傷による影響
破損特に判定に影響はありません。
小破特に判定に影響はありません。
中破MWの判定もしくはその部位を使用する判定に−10ペナルティを受けます。
大破損傷過多により行動不能(使用不能)になります。修理すれば再度使用する事ができます。
修復不能機体が誘爆を起こし、完全に破壊されています。修理する事もできません

状態異常
状態異常は直接ダメージを与えることはありませんが、行動に様々な制限を与えます。
詳しくは以下の判例を参照ください。
状態異常
名称状態異常による影響
束縛ワイヤーによる絡みつきや組み付き等で移動が制限されている状態です。
身体/機体を動かす判定・回避修正に-30ペナルティを受けます。また「移動」が行えなくなります。
このペナルティは累積し、3回以上「束縛」を受けると完全に行動不能となり自力脱出不能となります。
四肢が動くなら、行動力を消費して《MW操作/回避》に成功する事で1つの「束縛」から脱出できます。
目くらまし閃光弾やサーチライト等で一時的に視覚を奪われた状態です。
次の1行動(回避等も含む)を行う際、視覚に頼る判定・回避修正に-50ペナルティを受けます。
夜間など、暗闇での戦闘もこのペナルティを導入してください。
ただしペナルティは暗闇状態の間ずっと継続します。
燃焼火に包まれていたり、高温によってオーバーヒートしている状態です。
人間の場合、全判定に-30ペナルティを受けます。MWの場合は完全に行動不能となります。
行動力を消費して「消火/冷却」を行う事で状態を回復させる事ができます。

生死判定
生身のダメージレベルが「5:瀕死」に達した場合、《耐久力》の判定が必要です。
判定に失敗した場合、そのキャラクターは死亡し、永遠に失われます。
もし、最後の攻撃でダメージレベルが5以上になったなら、超えた1レベル毎に−10ペナルティを受けます。
このペナルティで目標値が0以下になった場合、キャラクターは判定の余地なく即死します!
一度生死判定に成功した後の再度判定を行う際、このペナルティ効果はありません。

脱出判定
MW本体、操手席のダメージが「4:大破」「5:修復不能」に達した場合、《脱出》の判定が必要です。
機体にパーツ「脱出ハッチ」が装備されているなら、この判定は+30%して行えます。
《脱出》の判定に失敗した場合、「4:大破」なら3Dダメージを受けて機体外に排出されますが、
「5:修復不能」で《脱出》失敗した場合、または判定にファンブルした場合、操手は脱出できず即死します!
なお脱出判定、及び脱出行動は意図的に放棄することもできます。

その他の特殊な戦闘

構造物破壊ルール
状況と事情によっては建造物を破壊したり、障害物を撤去しなければならないときもあるでしょう。
GMは建造物の堅さや量に応じて、構造物の装甲値を決めてください。
構造物破壊は通常の攻撃判定と同様に行い、ダメージレベルが5になったところで、破壊/撤去が完了します。
破壊には武器を使う事もできますが、多くの武器はこういった作業には向いていません。
「作業用装備」以外に属する武器の威力は、威力ダイスの数を半分(端数切捨)として判定します。
パワー依存([P+n]D)武器は、パワーを足して威力を求めた後、それを半分に計算してください。
「貫通」「連射」「AB」等のオプションは全て無効となります。

不意打ち!
戦闘を仕掛ける際、相手がまったく気づいていなければ不意打ちが発生します。
不意打ちの際、不意打ちを仕掛ける側(能動側)の代表者が《指揮/戦術》で判定を行います。
この判定に成功した場合は完全な不意打ちが、失敗した場合は不完全な不意打ちが発生します。
不意打ちを仕掛けられた側(受動側)は各人が《反射神経》の判定を行います。
この時、能動側が《指揮/戦術》の判定に行った高度な技がペナルティとなります。
不意打ちが発生した場合、自動的に能動側が1ターンの行動を行えます。
この時、《反射神経》の判定に成功していなければ受動側は回避・防御行動を行う事ができません。
能動側の行動が全て終った後、通常の戦闘ターンにうつります。

また、相手は気づいてないが、戦闘体勢にあった場合は不完全な不意打ちになります。
この場合、能動側の代表者が《指揮/戦術》判定を行い、成功した場合に不完全な不意打ちが、失敗すれば不意打ちは発生しません。
同様に受動側は各人が《反射神経》で判定を行ってください。能動側が《指揮/戦術》の判定に行った高度な技がペナルティとなります。
不完全な不意打ちが発生した場合、自動的に能動側が先手を取り行動し、その後で受動側が行動します。
この時、《反射神経》の判定に成功していなければ受動側はあらゆる判定に−30の修正を受けます。
能動側・受動側の行動が全て終った後、通常の戦闘ターンにうつります。 


回復と修理/整備

傷の進行防止
生身のキャラクターがダメージレベル1以上の怪我をした場合、放置しておくと傷は徐々に悪化していきます。
《医療》の技能を持つキャラクターは一日に一度30分かけて治療を行うことで(機器が揃っていれば判定不要)、
傷の悪化を食い止める事ができます。下記の長期的治療を受けている間は自動的に処置されているものとします。

NPCに作業を委託する場合
 通常、治療や整備を行うのは病院や整備ドックといったNPC施設に委託されます。
この場合、PCは料金を払う事で無条件にその恩恵を受けることができます。下記の治療に関するルールは無視してください。
治療にかかる料金はダメージレベル1あたり、5万Crです。
 MWの修理費は若干特殊で、ダメージレベル1あたり「装備/機体の価格÷10」Cr(端数切捨)となります。
腕や足など部位へのダメージ回復は一箇所あたり通常の1/4の価格となります。
部位喪失時の修理は「欠損部位の治療/修理」を参照ください。
修復不能の機体や死亡した人間を復活させる事はできません。

ダメージレベルの回復
《医療》の技能を持つキャラクターは30分かけて応急処置を行う事でダメージレベルを1下げる事ができます。
この判定はダメージを受けた直後に一回しか行えません。それ以上の回復には長期的治療が必要です。
一週間に一度《医療》の判定を行い、成功するとダメージが1Lv回復します。
失敗してもペナルティはありませんが、ファンブルするとダメージが1Lv上がります!
難易度修正:ダメージが3Lvなら−10、4Lvなら−30。十分な設備・機器が無ければ更に−30。

機体の修理/整備
MWやキャリア・装備へのダメージも、放置による進行が無い以外は生身へのダメージと同様に修理が可能です。
《整備/応急処置》の技能を持つキャラクターはメカニックキットと機体装備「クラフトアーム」があれば、
30分かけて《整備/応急処置》判定に成功することでダメージレベルを1Lv下げることができます。
また、同時にAB属性武器によって受けた装甲減少を回復させられます。応急処置は作業機自身に行う事はできません。
 この判定はダメージを受けた直後に一回しか行えません。それ以上の回復には長期的な整備が必要です。
一日に一度《整備/応急処置》の判定を行い、成功するとダメージ1Lvと装甲減少が回復します。
失敗してもペナルティはありませんが、ファンブルするとダメージが1Lv上がります!
ダメージが装甲減少のみの時の修理は1L分のダメージとして扱ってください。
難易度修正:ダメージが3Lvなら−10、4Lvなら−30。十分な設備・機器が無ければ更に−30。

欠損部位の治療/修理
 選択ルール「部位狙い」を使っている場合など、各部位が個別に損傷する事もあります。
この場合、部位へのダメージは全体へのダメージ修理とは別途に治療/修理しなければなりません。
部位の修理も通常のダメージレベル/回復と同じ時間・判定が必要です。

 部位が死亡/修復不能となって完全欠損している時はそれを埋め合わせるパーツ(あるいは義肢)が必要です。
MWであればランクごとの機体基本価値の半額で補修部位を購入できます。通常は取り付けまで行ってもらえます。
自分達で取り付けを行うなら半日かけて《整備/応急処置》判定が必要です。
失敗した場合は連続して再挑戦できますが、ファンブルすると補修部位は二度と使えなくなります。

 人間の場合、人間用装備内の義肢を取り付けるか、クローン再生技術が必要です。
義肢の着脱は時間はかかりませんが、義肢を使う判定全てに-10(精密動作は-30)ペナルティがかかります。
クローン再生技術は地球技術の一つで、文字通り欠損四肢を元通りに再生させます。
再生には一週間、更に完全にクローン四肢が定着するまで一ヶ月かかりますが、欠損部位は完全再生します。
この技術は地球技術ですので通常セイバーシティ以外では行えず、非買です。

弾薬の補給
 人間やMW装備の弾薬は残弾・種別に関係なく、人間武器弾薬が1万Cr、MW武器弾薬が10万Crです。
どちらの場合も武器ごとに補給し、1回の補給で残弾に関係なく弾薬が完全回復します。
ジャンプブースタや高機動スラスターの燃料についても弾薬と同様に扱ってください。
 また、弾薬の欄に「M」とある兵器は簡易補給可能なマガジンをもっており、
消耗品の弾薬を携行して戦闘行動中に弾薬装填を行うことができます。


キャラクターの成長

セッションで行動を行い、敵を倒し、任務を成功させる度にキャラクターは成長していきます。
MWにおいて、成長は主に経験点による技能の習得・上昇で表されます。

経験点の入手
セッション終了時、ミッション成功時にはボーナスとして経験値10点(難度に応じて加減可)が、
参加キャラクターすべてに与えられます。ミッション失敗時はボーナス経験点を受け取れません。
これに加え、キャラクターはファンブルボーナス、戦闘ボーナスを追加経験値として獲得できます。

ファンブルボーナス
あらゆる成功判定でファンブルを振ったキャラクターは大失敗から何か学んだとして経験点1点を獲得できます。
これは戦闘時の命中・回避判定においても同様です。

戦闘ボーナス
生身・MW戦を問わず戦闘に参加したキャラクターは戦闘ボーナスを獲得できます。
途中で戦線より離脱したキャラクターもボーナスを獲得できますが、点数は半分(端数切捨)となります。
戦闘ボーナスは、敵グループの中で一番高い肉弾戦/MW戦熟練度に敵の総数を足した点数の経験点を獲得できます。
ガーディアン、クリーチャーはそれぞれCPU/クリーチャーLv×3を熟練度として計算します。
もし敵の中にエース(撃墜数5機以上)や艦船がいた場合、それらは通常の敵3機分(3点)と考えます。
肉弾戦でMWと戦った場合も艦船扱いとして、3機分として計算してください。

例:MW小隊A・B・Cで、MW熟練度10のエースがひきいる総勢5機の部隊を撃破しました。
戦闘終了時、小隊員Cは損傷が激しく「戦線より離脱」していました。
残った小隊員A・Bは「最も高い機体(エース機)の熟練度10+敵機総数7(通常の4機+エース1機)」…、
結果として17点の戦闘ボーナスを獲得できます。戦線を離れた小隊員Cは半分の8点しか獲得できません。

キャラクターを成長させる
PLはセッション終了時やGMが許可した時間に、経験値を使用してキャラクターを成長させられます。
経験値は技能の成長と能力値の成長に使えます。
能力値を上昇させるには一律20点の経験値が必要になります。能力値の上昇に上限はありません。
技能の習得には技能固有の習得コストと同じだけの経験値が必要です。技能Lvは最大10Lvまでしか上がりません。

装備の売買
GMが特に制限しないかぎり、キャラクターはセッションで得た所持金を自由に使い、装備やMWを購入することができます。
売却価格は基本的に価格の半分(端数切捨)となります。「非売品」のパーツなどは交渉次第でより高く売却できるでしょう。
装備がダメージを受けている場合、売却価格は修理費を引いたものになります。
もしダメージが「修復不能」なら1/100の価格のスクラップにしかなりません。
MWへのパーツ追加ルールについては「MWの改造」を参照ください。
人間用装備一覧
マシンウォーカー一覧
MWパーツ一覧